弓道総合スレ二十六立目

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305名無しの与一
振り返った空が紅かった。それは誰もがわかるように、落ちてゆく太陽の仕業だった。確かにそうだった。

しかしながら、その紅は奇妙なくらい素直で正直で、しつこかった。

「ねえ、君見える?紅、」

「ああ、頼りないね」

如何せん、本来の紅を盗んだのは僕なのだけれど。

「頼りない?」

「ああ、頼りないさ」

彼は少し間をあけて続けた。

「、それにあざといね」

「そう」

「うん」

彼は襟が伸びたTシャツを少し気にしながら笑った。

そうなのだ、それは仕方なかったのだ。だけどそれは見抜かれていた。彼の笑い声がそれを物語っていた。刹那の弛みのせいでこんなにも落ちぶれた僕は、これ以降何ができると言うのだろう?

「帰ろうか、」

彼が突然言った。僕に選択の余地は無かった。