303 :
名無しの与一:
世界中から置き去りにされた気分で
孤独なんだと知っても
へんだね
泣くこともできない
生きて行くことは
コップの水を
まるで瓶に移し替えるような
砂場のお城みたいだね
宇宙の中から置き去りにされた気分で
孤独なんだと分かっても
へんだね
悲しくても
泣くこともできやしない
生きて行くことは
スプーンにのせたキャビアを
海に戻してふ化を待つような
凹面鏡に映ったお月さまみたいだね
時計の針から置き去りにされた気分で
孤独と向き合っても
へんだね
星の流れる夜から置き去りにされた気分で
昨日と向き合っても
へんだね
涙なんか流れない
へんだね
少し
疲れたね。