街中、あるいは実践で遭遇したシチュエーション

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23護神拳
不良はこちらにゆっくり歩いて近づいてきました。私はバッと極端な半身の構えをとりました。
左手は開いて前に置き、右手は後方で正拳をつくり腰にあて、必死に相手と間合いをおこうとず
りずりと下がります。この時自分はかなり重いリュックを背負っていて、早めに脱いで突っ立っ
ている友達に投げ渡すなりすればよかったのかも知れませんが、リュックのことにはまったく気
がいきませんで、終始リュックを背負ったまま戦うことになります。
 ずんずん接近してくる不良に対して後ずさりする事しかできません。私は昔から慎重すぎるほ
ど慎重で、相手との間合いを必要以上に広くとるくせがありました。頭はパニック状態で体はが
ちがちに緊張していて萎縮してしまっており、何の技を出せばいいのか必死に考えていました。
心臓はばくばくいっていて、「こんなんじゃ実力の半分もだせない!」なんて事を感じ、それで
また焦るという悪循環。
 しかし、ついにこちらから攻撃を仕掛けました。「シッ!!」本能的にでた技は、当時自分が最
も得意としていたローキックでした。ローキックの痛みを経験したことのない素人にヒットすれ
ば、一撃で立てなくさせる自信があったのです。

護神拳の反省メモ:用心深い人やあがりやすい人、怖がりな人は始めての実戦では体が緊張して
硬直してしまい、実力を出し切れない場合が。そんな時は一番の得意技だけがなんとか使えます。