さて、アマレス。

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527「極め反り」
>反り投げさん
私は、ランディー太田ゥアー(早稲田)と申します。
相手の両腕を決めて反り投げする、通称「極め反り」について御講話を賜りたく存じます。
「極め反り」です。
528反り投げ:01/12/16 10:56 ID:q2szmv1Y
>>527 ランディー太田ゥアーさん
初めまして。太田先生のところで習っている方ですか!?
よくもまあ、著名な方の名前を混ぜ合わせられたものだと感心してます(笑)。

>相手の両腕を決めて反り投げする、通称「極め反り」について御講話を賜りたく存じます。
最初に・・・。
“本物の”極め反りは、練習では人を相手にあまり掛けない方がいいと思います。
僕が知っているだけで、3名ほど掛けられた人が前腕を骨折したり、脱臼したりしてます。
ですから、今までもあまり具体的には触れないできたんですけどね・・・。
まあ、初めはダミーで練習をして、
その後、人を相手にやる場合は型として行うことをお勧めします。
スパーでは相手を怪我させる可能性が高いので、
もし、「どうしてもスパーで」という場合には、
他大学との合同練習とかで試すのが良いと思います(笑)。
529反り投げ:01/12/16 10:57 ID:q2szmv1Y
つづき

では、正式な極め反りの方法をコツを含めて説明します。
1.差し合いをしている展開の中で、わざと自分の脇を甘くして、
  相手から自分の両脇に両腕を差させるようにする。
  →自分から両腕を取りにいくと、極め反りを狙っていると読まれやすいが、
   相手が自ら差していった場合には、相手は自分に有利な展開だと思い込みやすい!
2.次に、自分の片足を前に出しながら、膝を相手の両膝のあいだに入れる。
  もう片方の足はやや後ろに引いてバランス維持の起点にしておく。
  同時に自分の胸を突き出しながら、相手の腕を深く脇に滑り込ませながら、
  ボディコントロールできるレベルで軽く自分の両腕で相手の腕を絞り込む。
  →まだ、相手に有利に思わせておくことがポイント。
3.相手の肘から上腕にかかる部分を、自分の両腕で内側へ強く絞り込みながらカンヌキ状態に。
  その直後、後ろに退いていた自分の片足を、相手の足のあいだに入れながら踏み切る。
  →この一連の動作は瞬時に行うのが理想。
   また、自分の両膝を相手の足のあいだに必ず入れる。
   自分の両膝を合わせながらも足先は開いている、内股歩きに近い状態を目指すと、
   バランスを維持しやすい。
4.踏み切りと同時に、相手の上体前面を自分の上体前面に密着させることを意識しながら、
  ブリッジするように全身を思いきり反らす。
  きれいに決まると、相手の重心をヘソ周辺で感じることができるので、
  さらに腹を天井に突き出すようにする。
  反りながら、マット面が見えたと同時に、身体を反転(ひねる)する。
  →自分の両腕は、あくまで相手を固定するための道具と考え、
   投げるために上に持ち上げたりはしない方がいい。
5.自分の頭か相手の肩口か、
  どちらかが先にマットに触れる(身長差やカンヌキの深さによって変わる)ので、
  マットに触れた衝撃を感じたら、さらに自分の身体を反転させる。
  あとは、そのままフォールするなり、固め技に移行するなり、お好みでどうぞ。
530反り投げ:01/12/16 10:58 ID:q2szmv1Y
つづき

以上が、基本的な動きです。
他に意識した方が良いのは、
1のときに、両腕を差した相手は、足掛け、脇くぐり、反り投げ、
だいたいこの3パターンが多いので、それらの技にかからないようにすること。
2のときの前足は、相手の動きとバランスを知るためのセンサーとして機能させること。
4の投げ動作のとき、他の技よりも極め反りは、
相手の身体を浮かせるまでに時間がかかるので、とにかく素早く行うこと。
です。

それと、人を相手に型の練習をするときは、
相手に「マットへ手を着かないように」と指示することを忘れないでください。
これが怪我を防止する方法です。

ただ、極め反りは、現在のアマチュアレスリングのルールでは、
かなりリスクが高いので、一発逆転を狙う状況以外では、
あまり使わない方がいいと思います。
もし、ポイント的に自分がリードしている場合は、絶対に仕掛けるべきではないでしょう。
531反り投げ:01/12/16 11:00 ID:q2szmv1Y
>総合格闘技系の方へ
>>528以降に記したのはアマチュアレスリングのルールを前提にした極め反りの技法ですが、
総合系のルールでは、4の段階で身体を大きく反らせずに、
そのまま引き込むようにしても成功率は高いです。
特に、相手の方が背が低い場合に成功しやすいです。
上手く掛けられると、そのままマウントポジションに移行できますよ。
532ランディー太田ゥアー(早稲田):01/12/16 22:35 ID:TXkqX7FT
>反り投げさん
私はレスリング部の人間ではなくて、単にレスリングに興味を持ち始めたばかりの人間です。
言い忘れてたんですけど、要するに素人です。よろしくお願いします。

さて「極め反り」ですけど、
相手はモロ差し(相撲ではモロ差しと言いますがレスリングでは何と言うのでしょう)になっていますから
反り投げさんがおっしゃる通り、相手有利の体勢です。それでもなおかつ「極め反り」が成功するという
ことは、それだけ実力差、体力差があるということでしょうか?
相撲にも、>>529の1のように、わざと相手にモロ差しを許して(自分から引っ張り込んで)極めに行く人
がいます。元大関・貴ノ浪関です。貴ノ浪はカンヌキに極めて寄り切ったり、極め倒したり、極めて
小手投げを打ったりしています。これらはいずれも、貴ノ浪が体が大きくて体力があり実力もあるから
できる芸当と言えます。(こういう戦法を取る関取は他には存在しません)
レスリングの場合も「極め反り」はそういう感じ(実力差、体力差)なのでしょうか?
しかしレスリングは階級制で基本的に同体格の人どうしが対戦するので「貴ノ浪タイプ」の豪快さは
発揮しづらいような気もしますが・・・・。
533反り投げ:01/12/18 22:58 ID:TQMo9B2R
>>532 ランディー太田ゥアーさん
>私はレスリング部の人間ではなくて、単にレスリングに興味を持ち始めたばかりの人間です。
失礼しました。勝手に思い込んでました。
説明の中で理解できない言葉があれば、その旨ご指定ください。
改めて、説明させていただきますので。

>さて「極め反り」ですけど、
>相手はモロ差し(相撲ではモロ差しと言いますがレスリングでは何と言うのでしょう)になっていますから
>相手有利の体勢です。それでもなおかつ「極め反り」が成功するという
>ことは、それだけ実力差、体力差があるということでしょうか?
「モロ差し」と言う人と「両差し」と言う人がいますが、どちらでも通じます。
実力や体力の差については、どんな技にも共通する要素だと思うので、
「極め反り」に限定されることではないと僕は思います。
ただ「極め反り」に関しては、身長差が大きな影響を与えるものだと考えています。
単純な話、身長の低い人の場合、カンヌキに極めて潜り込んで持ち上げようとしても、
身長が高い相手だと足を浮かせることが難しいので、
失敗に終わるケースが多いのではないかと・・・。
534反り投げ:01/12/18 23:00 ID:TQMo9B2R
つづき

>レスリングは階級制で基本的に同体格の人どうしが対戦するので「貴ノ浪タイプ」の豪快さは
>発揮しづらいような気もしますが・・・・。
レスリングの階級制は体重を元にしているので、身長に関しては同体格とは言えません。
かといって、試合において身長が高い方が有利かというと、
身長が低い方が有利な戦術もあるので、一括りにはできません。
豪快さは、レスリングの場合、選手の性格で左右されてる気がします。
もっともトップレベルの選手ほど、基本に忠実な正攻法を取る人が多いと思います。

具体的に話が出た貴ノ浪関ですが、おっしゃるように実力や体力といった要素に加えて、
何より身体の大きさがカンヌキを使う戦術に向いているのではないでしょうか!?
しかし、そういう視点で大相撲を見たことがありませんでした。
貴重な意見をありがとうございます。
今後は、貴ノ浪関の取り組みに注意して見たいと思います。