149続き
次に,そうだとして,見習い拳士さんがいろいろ調べてみたところ,実は,私(B)を含めて
他人たちは,本当にロボットであったことが判明したとする。(例えばBなんかは,実は,
「独在性」とかの単語を適当にキーボードで打ち出すような操作しかできない,そのへんの
工場で作れるようなロボットに過ぎなかったのだ。)さて,そうなった場合,その状況や,
見習い拳士さんの最初の発言内容に,なにか問題はあるだろうか。見習い拳士さんの発言は,実は,
見習い拳士さんにしか当てはまっていなかったことになるが,だからといって,その発言が
無意味であったりということが,あるだろうか。
このように考えてみると,独在性に関しても,「他人にも同じ(種類の)ことが当てはまる」
とか「他人も『僕なら,僕の方が特別だという意味に理解せざるを得ない』と主張する」とか
が反論として出てくるが,それらがどういう意味で反論になっているのか,決して自明では
ないのではないか。