148続き
一言で言うと,「他人に理解される(ような言語表現)」,「他人に同意される(ような
言語表現)」,「他人にも同じ(同種の)ことが当てはまる(ような言語表現)」は,
イコールではないのでは,ということ。そのこと自体は当たり前だと言われると思うが,
独在性とか独我論についての議論だと,どうもよくわからない。
まず,見習い拳士さんが,「私にだけ心があって,Bやその他の他人は,心のある振る舞いを
しているだけのロボットだ」と言ったとする。もちろん私(B)はそれに同意しないし,
他の誰も同意しないだろうが,だからといって,見習い拳士さんの発言自体が他人に理解され
ないとかいうことが,あるだろうか。同意はされないが理解はされる,と考えて,おかしな
ことはあるんだろうか。そして,理解のされ方については,例えば「いや,Bにだけ心が
ある」などと理解されるのではなく,文字通りに見習い拳士さんのみ心があるという(奇妙な)
発言だと理解されて,何かおかしな点があるだろうか。
続く