少林寺が弱いといわれるのは仕方ない第39章

１０６続き
まず，これをそのまま捉えると，

(1)　＜Ｂ世界＞【Ｂ「現に世界はＢである私からのみ開けている」】
というような発言が，

(2)　＜Ｂ世界＞【永井「いや，現に世界は永井均である私からのみ開けている」】

のように読み替えられた，ということだと思われる。しかし，永井のこの発言は，Ｂから
のみ開けている世界でなされているのだから（そして，永井から開けている世界を想定
しているわけでもないのだから），間違いだと言うしかないと思われる。
だがしかし，間違いだと言うしかないような発言がなされるというのは，おかしいので
（まして永井は，（言うまでもないけど）「独在性」とか「特定の人物から開けている
世界」とかについて，Ｂよりもずっと詳しく論じているんだから），(2)のような発言も
何らかの正しい発言として理解する必要があると思われる。
とは言え，しかし，世界がＢからのみ開けているという考え方のもとで，(2)のような
発言が，一体どういう理由で正しいと言うことができるのか。この考え方にこだわる
以上は，Ｂから開けている世界において他人に過ぎない永井の発言は，やはり，間違い
と言うしかないことにならないか。