2007年05月07日02:42 型稽古
今回のセミナーは合気道だけでなく、日頃フルコン空手を主に指導されておられる先生方や生徒さんも参加された。
しかし、型稽古というものを皆さんよく理解されて稽古してくれた。
型稽古というのは、条件設定をした上での稽古のことである。
そして条件が細かく限定されているほうが、その型稽古の意図するところがわかりやすい。
だから手の取り方とか突きやタックルや組み方においても、こと細かに強さや深さや意識まで指定した上で行った。
型稽古というのは理論の稽古である。
空手の突きでも受けでも蹴りでも、ボクシングのパンチでも、柔道の組み方でも、それぞれの武道格闘技なりのセオリーに則って基本の形がある。
合気道の技の一つ一つも、それらと同じもの。
しかし案外、合気道は型稽古と言われるにも関わらず、そこらへんは大雑把に思う。
なるほど合気道には、型稽古であって型稽古にあらずという言葉もある。
確かに合気道は同じ形を繰り返す踊りではない。
逆に型は1ミリずれてもいけないなどという言葉もある。
それを多くの者は、先生と同じ格好であるとか動く角度であるとかいう見かけ上の形に捉われていることが多い。
そんなものは、人それぞれ背の高さも違うし体形も違うのだから、意味が無いのである。
ずれていけないのは、互いの力が正面から一直線上で当たりあってるかとか、意識の刃が指定の場所に斬れる角度で当たっているかとか、
意識がどこまで届いているかとか、相手を支えるつっぱり棒である軸が歪んでないかとかいう、見かけ上では中々見えない体の中の部分である。
指導者たる者は、その中々見えない部分をチェックしてその都度ダメ出しをして修正すべきだが、それが中々なされないのが現状であろう。
はっきり言うと、人が多すぎて見て回れないのである。
今回のセミナーでも、一日目は三組。
だから結構細かい部分も見て指摘出来た。
しかしそれでも、一人での指導では次の型稽古に移るのに20分くらいは要した。
二日目になると、人数も倍程度に増えたし、レベルのばらつきも大きくなった。
とても一人では指導し切れるものではなかった。
幸い他の武道の先生もおられたので、ある程度お任せ出来たが、逆に言えばその先生たちに任せられる程度の公約数的な稽古を選択するしかなかったというのも事実である。
まあ、皆さんからは有意義なセミナーであったと一応の評価はいただいてはいるが、セミナーでやったことを自分の所属の道場なりに持ち帰ってどれだけ稽古出来るか。稽古出来る環境があるかということも気になる。
技は相手と自分があってその関係の上に成り立つものであるから、ただ一人でいくら格好を繰り返しても踊りを覚えるだけにしかならない。
ダメ出しをしてくれる人もいなくては、間違った方向に進むかも知れない。
出来ることなら、所属の道場で何人かの仲間を作るなり興味のある生徒さんなりを巻き込んで、今回のセミナーの内容を稽古していただきたいと思う。
そして機会があれば、その仲間や生徒さんを連れて来てくださるとかになっていただきたいと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=Wma8ORRO7WE