武壇2ちゃんねる分壇 24

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668劉月侠 ◆RPLwh/ddCk
 第2式「崩捶」からやが、これは要するに「大纏崩捶」のことや。「纏絲崩」でもなんでもええけど、やることは同じ。

 第1式「貼山コウ」では「撩陰掌」の構えから東の方へ右→左→右と3回繰り返し、さらに「回身式」で後方(西)に振り返って
また「撩陰掌」で構えて、再度右→左→右と3回やった。つまり東に3回、西に3回でもとの位置に戻ってきたわけやな?
ここでまたしても「回身式」をやり、東を向いて「撩陰掌」で構える。つまり第1式の最初と同じになるわけや。


669劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 19:49:20 ID:jt/bwj4x0
 「撩陰掌」・・・覚えとるね?左足前右足後の四六歩(半馬歩)で、左手は顔の前、右手はおなかの前・・・
『武術』に載ってる劉雲樵や金立言先生の写真を見ればわかるな?

 第2式「崩捶」やが、まずこの撩陰掌から左腕を反時計周りに・・・つまり下から上にグルリッと回転させる。
で、この回転の途中で顔の前あたりに左手が来たときに右手でこの左手を押さえるようにする。
左の手の甲側の手首の部分に右手の平が「パチンッ!」と当たるようにするんや。
ただし左腕は回転を止めずに上から右手で押さえられたまま6時→3時→12時→9時と反時計周りの回転を続ける。


670劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 19:54:34 ID:jt/bwj4x0
 腕の回転にあわせて、左足をあげてその場で足先が外(北)を向くように強く踏み降ろす(「テン歩」)。
左足の踏み降ろしと同時に後ろにあった右足は左足のすぐ横に引き寄せられて、これは爪先だけが地面についた変形の虚歩(「寒鶏歩」)や。
つまり全体重をかけて左足で震脚をし、重心を落としたまま瞬間的に完全に左脚1本だけで立ってるわけやな?

671劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 19:59:20 ID:jt/bwj4x0
 以上の腕の回転と脚の踏み替えを同時にやると、全身の向きが入れ替わるはずや。
右手で上から押さえられた左手はさらに下まで斬り下げるようにして、それからサッと両手を入れ替え、
左掌は手の平を正面のほうに向けて顔の前・・・右手は手の甲を正面に向けて丹田の前に構える。

672劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 20:10:55 ID:jt/bwj4x0
 このとき左右の足はほぼ一点に揃った状態で、しかも左実右虚になってるな?
ここから右足を前方(東)にサッと進め、半馬式になりつつ右掌を巴子拳にして下から上に跳ね上げるようにして打つ。
左掌も巴子拳にし、引き手をとって左腰のところまで引いてくる。両拳とも手の甲は外側を向いてるな?
これは定式だけを見ると「馬歩衝捶」とほとんど同じなんやが、拳を水平にまっすぐ突く衝捶とちがって、
下から跳ね上げるように・・・だから「崩捶」なわけよ。

673劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 20:14:12 ID:jt/bwj4x0
 下から上に跳ね上げる・・・といっても真下から真上ではなく、自分のほうから見て最初右手の位置が6時にあったとすると
最終的に2時あたり、つまりやや斜め前方に跳ね上げるわけや。太極拳の「斜飛式」なんかと同様の動き。
ここまでが「右崩捶」・・・

674劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 20:19:19 ID:jt/bwj4x0
 まったく同じ要領で今度は「左崩捶」をやり、さらにもう一度「右崩捶」をやる。
ここで第1式同様後方を振り返り、また「撩陰掌」で構えて今度は反対向きに右→左→右と再度3回やる。
最初の位置に戻ったらまた回身して撩陰掌・・・練習の形式としてはこんな感じやが5回やって5回で戻ろうが
101回やって101回で戻ろうが、左右で奇数回やるなら何回でもええよ(笑
練習場所のスペースにあわせて適宜決めればええわけやな?

675劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 20:28:29 ID:jt/bwj4x0
 これには別法というか隠し技があって、練習会では教えてるけどここではヒミツや(笑
フー兄や黄河くんは「あれ?練習会でやったのとちがうじゃん?」なんて言わんようにな。

 両腕を内から外に回転させ、下に斬り降ろすようにする動作が「大纏絲」で、下から巴子拳を跳ね上げるのが「崩捶」。
じつはこの「大纏絲」の動作は体さばきも含めて第1式「貼山コウ」と同様なんやな?
つまり第1式と第2式は共通原理の技といえる。「大纏絲」のあと上からのしかかるように体当たりするのが
「貼山コウ」で、下から跳ね上げるようにブツかっていくんが「崩捶」・・・


676劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 20:42:45 ID:jt/bwj4x0
 『武術』で金立言先生が用法を示してはるけど、基本的な用法はこの例のように太極拳の「斜飛式」や「野馬分鬣」なんかと同じや。
ただ同じ号の『武術』で劉雲樵の?@推しとばす?Aひっくり返す?Bチンナの3法の変化用法が解説されてる。
これは1982年12月号の『ブラック・ベルト』に載った記事からの転載やが、要は最初の「大纏絲」が決まって
相手の攻撃が無力化されてればあとは煮て食うも焼いて食うも自由自在ってことやな?
だから細かい用法にこだわるよりも、とにかく十分に形を身に染み込ませることのほうが大事なわけ・・・


677劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 20:45:05 ID:jt/bwj4x0
 ちと休憩・・・

678黄河一号 ◆SNuCULWjUI :2005/10/09(日) 20:49:34 ID:etpqcqvL0

>劉老師

そこまでヤボではありませんよ。。(笑。
679忍猿 ◆CvR7OzX4X6 :2005/10/09(日) 21:22:22 ID:MWkViV160
>678 黄河一号さんへ
2ちゃんじゃやんちゃ・キャラだが、リアルはマジってことですね。(ニコニコ
弁解もしときゃなきゃ本当にやんちゃ・キャラと信じる人も出て来るでしょうね。

>677 劉月侠師へ
明日は、雙十節で休みですから
休憩したらまた続きを一気にお願いします。
680劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 21:40:55 ID:1kX983tj0
 『拳児』ではこの「崩捶」は李書文の得意技で、李書文は大槍の技法からこの技を編み出した・・・てな具合に書いてあったけど、
私はそ〜いうんはちとこじつけっぽいと思う。
確かに大槍には槍の先を下から上に跳ね上げるようにする基本技があって、我々は「朝勃ち」って呼んでる(いや、ホンマですねんってw)
んやけど、前述のように「崩捶」に似た技は太極拳や形意拳にもあって、特別に八極拳だけの技ではないし、
李書文の発明ったって他派の八極拳にも同種の技はあるようや。
私の個人的な推察では、ご存じのように李書文は太極拳の李瑞東と交流があって、「金剛八式」はこの李瑞東から取り入れたもの・・・
なんて説もあるけど、「崩捶」にしても本来の八極拳の技に太極拳の要素を加味して完成させたもんやないかと思う。
それと李書文がこの技を得意にしてた・・・って点やが、この技は一瞬のうちに相手の内懐に潜り込んで、
相手の死角を突いて下から上に全身でカチあげるようにするわけで、決して大柄ではなかった李書文にとっては
体格的にも使いやすい技やったと思う。


681名無しさん@一本勝ち:2005/10/09(日) 21:49:40 ID:iX9BVHpJ0
朝勃ちですか。いい名前ですね。
682劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 21:57:30 ID:1kX983tj0
 >681
 ジェット・リー主演の黄飛鴻番外編「ラストヒーローインチャイナ(鶏拳対ゲジゲジ拳w)」でもな、
「寳芝林」の隣の娼館の女たちが黄飛鴻や弟子たちを誘惑しようとスケベエな歌を歌うんやが、
調子にのった弟子たちが中四平に構えた槍の先をビュンッ!とばかりに跳ね上げて(もちろんアレね?)・・・なんてギャグをやってたよ。
まさか師匠もあれをネタにしたんやないやろうな?(笑

 
683劉月侠 ◆RPLwh/ddCk :2005/10/09(日) 22:16:52 ID:1kX983tj0
 いずれにせよこの「大纏崩捶」は武壇八極拳の基本原理である「沈墜」「十字」「纏絲」の
特徴が具体的に非常にはっきりとあらわれてる。
長春派では金剛八式の第1式である衝捶をすべての技法の根源としてるよな?
それは武壇においても同様なんやが、私の個人的な感想はこの「崩捶」こそ武壇八極拳の最重
要技法と言うてええんやないか?って思うんよ。
だからこそこの技は八極架・小八極でも大八極でも連環拳でも出てくるし、六大開では単招式
の反復練習として繰り返しみっちりやらされるわけや。