Yahoo!漏えい事件の容疑者はソフトバンク発行雑誌の執筆者
2004年05月31日 23時48分
ソフトバンクBBは5月31日、Yahoo! BBの顧客情報漏えい事件に関して5月30日警視庁に
逮捕された2人の容疑者のうちの1人がフリー・ライターとして、同じソフトバンク・グループの
ソフトバンク・パブリッシングが発刊するパソコン誌「PC JAPAN」に執筆していたことを
明らかにした。ソフトバンク・パプリッシングでは「犯罪の温床になる、社会にとって
不利益な情報があった事実を重く受け止める」として、同誌を当面の
間休刊すると発表した。今後、「ソフトバンク・パブリッシングの経営陣に対する処分も検討する」
(ソフトバンク・グループ代表の孫正義ソフトバンクBB社長)。
ソフトバンクBBに対する恐喝未遂事件では、湯浅輝昭被告(恐喝未遂で公判中)と
木全泰之被告(同)の2つのルートが独自に存在したことが明らかになっている。警視庁では、
湯浅被告の事件に関わっていた容疑で、5月30日に冨安泰生容疑者と森琢哉容疑者を逮捕した。
冨安容疑者は「BEAMZ」というペンネームで、PC JAPAN誌に頻繁に執筆していた。
顧客情報の具体的な入手に関しては、冨安容疑者の知人で2002年5月から2003年2月までソ
フトバンクBBのシステム関連業務に業務委託者として関わった、内部の「協力者」の
ハンドルネーム黒川かえる(今村孝幸 )の存在も 明らかにした。冨安容疑者らはこの協力者
今村孝幸 (黒川かえる)から顧客データベースのアカウントとパスワードを
入手、東京・新宿のインターネット・カフェで460万件の顧客情報を持ち出した。なお、この
内部協力者もPC JAPAN誌に執筆経験があるという。ただし、現在も警察が捜査中だとして、
氏名などの公表は避けた。(堀越 功=日経コミュニケーション)