【真剣】どんな太刀を稽古に使ってる?【居合】

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120千波
>>119
そうですね。皮でも木綿でもそうですけど、これは消耗品ですから定期的に巻き直し
します。軍刀修理班長として徐州作戦に従軍した成瀬関次氏の記録によると、約三ヶ
月で二千振り余の軍刀を修理(出張した部隊は32部隊)したそうですが、その破損
状況の主だったものに、柄糸の摩り切れ、目釘折れ(殆ど全ての目釘が折れていたそ
うです)、刀身の曲がり、刃こぼれが挙げられています。もっとも馬上で刀が抜けて
しまって、馬に踏まれて曲がったなんてケースもあったそうですが、実戦で軍刀を用
いての破損が多々あったそうで、師団長の要請に応えて一人15キロからの修理道具
を準備して任に当たったそうです。

柄巻の直しは道場稽古で使用していても頻度って高くありません。数年に一回くらい
巻き直す門人がいるかいないかって所だと思います(目釘は構造的な弱点ですけど)。

それにしても稽古では考えられないくらいの力で握りっ放しだったんでしょうね。部
隊によっては(多発するケースではなくとも)軍刀を用いての戦闘行為もあったんで
しょうし、その際に柄糸の摩り切れが多発しているって事は、平常では考えられない
程の馬鹿力で握り込んで斬撃を繰返したんでしょう。

実戦の最中に必要に迫られて鉄条網を斬った軍人が、戦闘終了後に仲間の前で「こう
斬ったんだ」と実演してみせたら、全く斬れなかったそうです。まさに火事場の馬鹿
力。戦闘後に修理に持ち込まれた刀の「十振りが十振り」、全ての目釘が折れていた
そうです。