349 :
名無しさん:
つきあってた頃、彼女はよく「あなたと別れたあとの自分や世界をイメージする」って言ってた
「どういう意味?」っておれが訊くと、
「飽きられたり嫌われたりしていつか振られても、大丈夫なように」って
彼女はおれがはじめての恋人で、臆病で受け身な性格も相まってか、
いつも自分はいつか捨てられるんじゃないかって脅えてた
正直おれがベタ惚れして猛アタックの末のおつきあいだったから、そんな可能性は微塵もないのだけれど、
それをいくら伝えても彼女はやっぱり自信がもてないみたいだった
でも、そういうところも含めて好きだった
だから、なんの前触れもなく「別れてください」って言われたときは本当に目の前が真っ暗になった
理由を訊いても話さない
あれだけおれに振られることを怖がってた彼女から、まさか別れを告げられるとは
笑えるなあ
2年つきあった
もう、別れて4年経つ
気づけば世間からおっさんと呼ばれる歳です
彼女はまだ若いから、あれからたくさんの恋をしていろんな異性とつきあったんだろうな
こうして彼女のことを文字にできるくらいには立ち直れた(と思ってる)けれど、
もう彼女以上に愛せるひとを見つけられる気がしない
そんな気力も湧いてこないし、最近ではそれでもいいやと思ってきてる始末
こうして一生引きずって生きていくのかも
消せないメールも、捨てられないプレゼントや写真やデートで行ったテーマパークのチケットも、
彼女がお気に入りだったくたくたのパーカーも、ずっとずっと背負って
なんであんなに愛せたんだろう