【名無し専用】★彡まだ起きてる人549夜目★彡

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114名無しさん
父は絶望するが、とりあえず大事な話なのだから娘の意見も聞こうと提案する。
自分たちだけの問題ではなく、娘にとっても大きな関わりのあることなのだからと。
そうして娘の部屋に向かう父。すると母は血相を変えて「やめて!」と叫んだ。
意味がわからず、足を止めない父。尚も止める妻に構わず、彼は娘の部屋のドアを開けた。
途端、明らかな死臭が鼻を突く。部屋の中には、既に死後数日が経過した娘の死体が放置されていた。
娘を殺したのは母だった。彼女は涙ながらに理由を話す。

好きになった人と一緒になるために家を出ようと決めたけれど、
娘がいることで相手に嫌われるのではないかと思うと恐ろしくなった。
好きな相手に嫌われることがなによりも辛いからだ。
しかし、憎い暴力夫の元に大事な娘を残してなんかいけない。
あの子は自分にとっての一番の宝物なのだから。
だから、眠っている間に首をしめて殺したのだという。

母は涙を流しながら叫ぶ。
「娘が大事か?当たり前でしょう!」と。

一部始終を見ていた座敷童子は愕然とした表情で立ち尽くしていた。
今まで一緒にいたはずの少女の姿はもうどこにもない。
座敷童子が家に入った瞬間に感じた”嫌な感じ”の真の正体は父ではなく、
殺された娘の存在だったのだ。
殺された少女はそれでも両親のことを思い、偶然に出会った座敷童子に願いを託したのだった。