1 :
1 ◆4EDGXJy2 :
友達に彼女ができたと言うので家に遊びに行ったら、先日「仕事が
忙しいから」と僕を振った元カノがいたので、僕は買ってきた鍋の
材料をそのまま置いて走って帰ったが、ちょっと疲れたのでコンビ
ニでビールを2本買ってバスに乗って帰った。
2 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 02:57
僕の部屋は彼女が「一緒に住んだら毎日顔が見れるね」と言った
ので、車を買おうと思って貯めていたお金をはたいて借りた部屋
だった。彼女が出て行ったのは先月の末日だったので、まだ彼女
の生活道具は一揃い残っており、ほのかに彼女の好きだった香水
の香りも残っていた。買ってきたビールを一気に飲み干すと何故
かたくさん涙がこぼれてきた。
3 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 03:02
どんどん溢れてくる涙を拭ってるうちに、彼女が出て行ってから
初めて泣いていることに気がついた。そしたらまたたくさん涙が
出てきた。泣きながらテレビをつけた。ニュースが流れてた。天
気予報は明日も快晴だと言っていた。ちょっとだけ嬉しくなった。
4 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 03:12
クローゼットには彼女の服がたくさん入ってた。「落ち着いたら
取りに来るから」と言ったので、僕は送り届けると言ったが、彼
女は「そんなことまでしてもらっては悪いから」と言って拒んだ。
その時はなぜ拒んだか分からなかったが、あまり深追いしたくな
かったので僕は納得した。でも今になってその時の彼女の言葉の
意味が理解できた。僕の友達の家に荷物を送る事になったら変だ
と思ったんだろう。確かに変だ。僕は涙を拭いながらクローゼッ
トの中の衣類を一つずつ整理していった。
5 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 03:26
彼女の荷物を全て整理し終わったので、僕はそれを他の荷物と
一緒にダンボールに丁寧に詰めていった。全て詰め終わると、
宅配便の伝票にまず自分の住所を書き、宛先に僕の友達の家の住
所を書いた。彼は僕の幼馴染だったので住所はすぐに分かった。
ガムテープでしっかり固定しダンボールを玄関まで運んだ。する
と、玄関から戻ろうとした時に呼び鈴が鳴った。ドアを開けると
そこには彼女が立っていた。
6 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 03:52
彼女は平然とした顔で息を整えているようにも見えたが、額には
うっすら汗が浮いていたので慌てて走ってきたのが分かった。
汗が乾いて風邪を引くといけないと思ったので何も言わず部屋へ
招き入れた。ダンボールには気づいていないようだった。
彼女は何故か少し怒っているようにも見えたが、僕にはよく理解
できなかった。理解できなかったので何も言わないでタバコに火
を点けて、彼女の表情をそっと見つめていた。しばらく沈黙が続い
た。三本目のタバコに火を点けようとしたら彼女が口を開いた。
さっきまでの表情とは裏腹に「ごめん…」と一言つぶやいた。
僕は彼女の目に涙が浮かんでるのが分かった。すると間を置か
ず、彼女は何度も「ごめんなさい…」と言いながら大粒の涙を
流しはじめた。
俺が読んでる。一人じゃないよ。
8 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 04:02
泣き終わるまで僕は何も言わなかった。何もできなかった。
僕は彼女が秋にハワイへ行った時に買ってきてくれたコーヒー
を入れて、彼女に差しだした。そのコーヒーを見た彼女はまた
泣き始めた。彼女は嗚咽しながらまた口を開き始めた。「ハワ
イには彼と行ってきたの。」そう言えば僕は彼女がこのコーヒ
ーを飲んでるのを見たことがなかった。飲んでるのはいつも近
くで買ってきたものばかりだった。彼女は続けた。「彼に出会
ったのは七月の終わりくらい。会社の女の子が開いたコンパに
数合わせで行った時に、彼がいたの。」僕は黙って彼女の話し
に耳を傾けていた。
これ実話?彼女の自分に酔ってる様に腹が立つ。
つずきキボン
11 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 04:16
彼女は話しながら僕の顔色を窺っていた。「そのコンパの帰り
に彼が、今度よかったら二人で会おうよって言ってきたの。も
ちろん彼氏がいるからって断った。それでもいいから今度少し
だけ話しがしたい、話しを聞いてくれるだけでいい、君は昔俺
が好きだった子に似てるんだ、って。」僕はそれが誰だか分か
った。僕が高校生だった時に付き合ってた子が彼女に似ていた。
友達もその子のことが好きで、一時期少し揉めた時期もあった。
「話しを聞くだけならと思って携帯の番号を交換したの。彼は
別に下心があったようにも見えなかったし、あなたにもその話し
を後でしようと思ってたから。」彼女の目から涙は消えていた。
1がんばれ
13 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 04:33
灰皿を見ると僕はすでに十本くらいタバコを吸っている事に
気づいた。残りはもうすでになかった。空いたタバコの箱を
ゴミ箱に捨てると、「あ、これ…」と言って僕が普段吸ってる
マルボロのメンソールの新品を僕にくれた。彼女はタバコを
吸わないのでここに来る時に買ってきてくれたみたいだった。
僕はそのタバコをもらってまた火を点けた。彼女は話しを続け
た。「それから一週間くらいして電話があったの。今度の土曜
の夜は空いてるかって。毎週土曜日はあなたと家で御飯を食べる
日って決まってたから金曜ならって言ったの。そして次の金曜日
に恵比寿のレストランで彼に会ったの。話しは仕事の事、普段の
事、実家の母親が最近亡くなった事、友達の事…。」彼女は目線
を下にむけたままこっちを見なくなった。
14 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 04:47
「彼は幼馴染の友達の事を話し始めたの。幼稚園の時からずっと
一緒だった、大学まで一緒だったからこれから一生付き合ってい
くんだろうなって。でも一時期口もきかなくなった時期があった、
俺がそいつの彼女の事を好きになってしまったんだ、そしてその
子が君に似てるんだって。彼はあなたとその子と三人で写ってる
写真を私に見せてきたの。その時私はビックリした。その写真を
見たことがあったから。あなたと彼はサッカーのユニフォームを
着てた。あなたのアルバムに入ってるのと同じ物。でも何故か私
はその時左に写ってる男の子が自分の彼氏だとは言えなかった。
言ってはいけないような気がしたから。」僕の膝は小刻みに、そし
て静かに震えていた。
はやくつずきかいて!
16 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 05:00
「しばらく彼の話しを聞いてるうちに彼とあなたが少し重なって
きてるような気がした。彼は楽しそうにあなたとの事や昔の思い出
を話し続けた。私はただうんうんと聞いてるだけだったけど、彼の
話しに段々惹かれていったの。そして話しがひと段落終えると彼が、
あ、もうこんな時間だ、家で彼が待ってるんだっけ?付き合っても
らってごめんね、ありがとう、と言って、駅まで送ってくれたの。
家まで送るとまずいだろうからって。私は胸に何か引っかかったま
ま帰ってきた。あなたはまだ帰ってなかった。だから余韻を楽しも
うと思ってワインを空けたの。」そう言えば僕の好きなワインが一
本無くなっててちょっと喧嘩した時期もあったっけ。
17 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 05:17
「それからまたしばらくたって、会社の近くのファミレスで
偶然彼に会ったの。本当に偶然。彼は一人で来てた。私は彼
を見つけたとき自分の鼓動が少し早くなってることに気づいた。
彼は私のことに気づくまで少し難しそうな顔をしてた。私は彼
に声をかけた。彼はこの前と変わらない笑顔で私に応じてくれた。
私は彼の様子を見て、今度また食事に誘ってくださいって言ったの。
社交辞令のつもりで。いや、本当にその時社交辞令だったのか今は
自信持って言えないけど。そして日を置かずにまた彼に会ったの。
その時、多分私の頭の中にはあなたの事がもうなかった。」
僕はもう黙って彼女の話しを聞く以外できなくなっていた。
18 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 05:37
「彼は前と同じように楽しそうに話しをしてくれた。ただ、その
前にファミレスで会った時の彼のあの難しそうな顔がどうしても
頭から離れなかったから思い切って聞いてみたの。そしたら彼は
急にまじめな顔をして本当は君に話すような事じゃないけど聞いて
もらえる?って言ってきた。私はまた彼の話しを聞き始めた。話し
の内容はこうだった。彼は今実家に帰ろうか迷ってる。母親が死んで
から親父一人で自営の旅館を切り盛りしてる。弟が一人いるんだけど
あいつは今こっちの大学院で必死に勉強しているから頼むわけにも
いかない。かと言って俺も今の仕事を投げ出すわけにもいかない。
どうしたらいいかわからない。私にはどうしようもない話しだから
なんのアドバイスもできなかった。ただ頷いてるだけしかできなか
った。何もできないから私は彼に楽しんでもらいたかった。だから
私は彼を励まそうと思って朝まで飲もうと言って元気づけた。あな
たの待ってる家に帰る気になれなかったの。そしてそのまま私は彼
の家に泊まった。」僕はいつのまにか目を閉じて彼女の話しを聞い
ていた。
ちょっと休憩♥
この話イライラするね。いや、1が書くのをもっと早くしろって事じゃなくて。
女がウザイ。言い訳番長。
1おつかれ。つずき期待してるからがんばれよ。
>20
つずきって書くと、頭悪そうだよ。
すでに明け方だがこのスレッドROMってる奴って多そう(w
できれば出社前に完結させてくれ
>>1 ということで休憩終了(w
>>19 禿同
ガ━━━(゜Д゜;)━━ン
だよね。つずきじゃ変換できないし。
こんな時間に失恋板をのぞいてるかわいそうな奴が
俺以外にいるってわかっただけでもいいさ
同じ女から見ても同意!!
>>19 失恋してないけどちょっと来てみたこの板で
このスレ見つけちゃって、気になるよ〜!!
眠れないよー。今日はデートなんだよー。
1さん戻ってきてーーーーーー。
>27
別に君も他の人も可哀相な奴だと思わんが。
彼女いてもこの時間にこの板見てる奴もいる。
ガ━━━(゜Д゜;)━━ン
そりゃそうだ
1はかわいそうだよ
>31
俺がそうだよ
>>29=33
リンクが全角のひとつ“>”って
あの有名な煽らーか?(w
まぁまぁ。こんなとこでケンカせずに続きをまちましょうよ。
36 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 06:08
「それから毎週金曜日私は彼と会うようになった。彼は正体の
分からないあなたの事を気遣って少し遠慮気味だったけど、い
つもと帰る時間をずらさなければ大丈夫だと、私が説得して、
会ってくれるようになった。何度か会ってるうちに彼は私にこう
言ったの。このまま二人で会ってると君の彼氏に迷惑をかける
ようなことになる、ただ、君が俺のことをどう思ってるかだけは
知っておきたい、俺は君の事が好きになってしまったみたいだ、
って。私はその時彼の存在が完璧にあなたを消してしまってるって
分かったの。だから私もその時彼に好きだよって言ったの。すごく
自然に出てきた言葉だった。その日から私は彼とあなたの間で苦し
み始めた。苦しんだなんて言ったらだめだよね。苦しめたのは私な
んだから。」僕は黙って彼女を見つめ続けた。
ひでぇ女だ!!むきーっ
お帰り、みんな応援してるから頑張って
39 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 06:27
「そしてこの前の金曜日だったね。私が出て行ったの。実はあの
二週間くらい前に彼が、こんなのよくない、君の彼に申し訳ない、
僕も罪悪感に駆られたまま君とこのまま付き合っていくわけには
いかない、やっぱり俺たちは一緒にいない方がいいって言ったの。
私も分かってた。こんなのよくないって。隠れてこそこそ会うのも
疲れるし、何よりあなたに申し訳なかったから。でも私はあなたに
本当の事を話せなかった。話したらまた彼とぎくしゃくしてしまう
んじゃないかって。高校生の時のように。私のせいで二人の仲が壊
れるのが怖かった。何とか二人が傷つかないようにって必死に考え
たの。でももう私にはもう彼の事しか頭になかった。彼と一緒にな
る事以外考えられなかった。私は彼に彼と別れてあなたの所に行く、
あなたと一緒にいたいって言ったの。」
40 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 06:40
「彼は最初反対した。でももう私にはそれ以外の道はないと
思った。彼は納得した。そのかわり彼氏とはきっぱり別れて
欲しいと言われたの。その頃ちょうど会社が慌しくなってきた時
で、実際私も忙しかった。だから口実に使ってみることにした。
でもあなたが納得できなければ本当の事を言おうと思ってたの。
本当の事を。でもあなたは何も聞かずに私を見送ってくれた。
あなたはただ黙ってた。あなたも私のことをもう好きじゃない
んだと思った。だから私もそれ以上の事を言うのはよそうと思
った。これで私だけの中で二人の問題は解決するものだと思って
た。」
41 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 06:52
「そして今日あなたが現れた。彼が今日は俺の友達を呼んで鍋
をやろうと言った。しばらくあなたとは連絡取ってないって言
ってたからあなたじゃないと思ってた。いや、あなたではない
と勝手に信じ込んでた。でも彼の部屋に来たのはあなただった。
私は心臓が飛び出そうになった。けどあなたの顔はもっと複雑
な顔をしてた。当たり前だけど。あなたが彼の部屋を飛び出して
行った後、彼はきょとんとしてた。彼は私の顔をしばらく見てた。
そこで私は彼に言ったの。実は彼が私の彼氏だったって。彼はし
ばらく何も喋らなくなった。部屋にこもっちゃったの。少し経って
彼が、あいつの所に行って来るって言ったの。私は声を震わせなが
ら、私が行って来るって大声で彼を静止して部屋を飛び出てきた。」
読んでるよ。おもちろいから次どうぞ。
43 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 07:02
彼女はそう言った後、また小さな声で「ごめんなさい…」と一
言つぶやいた。彼女はもうずっと下を向いたままだった。多分
僕の顔を見たら泣いてしまうからだろう。彼女の小さな握りこぶ
しもまた微かに震えていた。彼女の話しがそこで終わってる事に
は気づいていたが、僕の口から何も言葉が出てこなかった。こん
な時僕はどんな言葉をかけてあげればいいか分からなかったし、
彼女の話しをまだ半分は理解できずにいたからだった。できない
と言うよりしたくなかったのかもしれない。またしばらく沈黙が
続いた。
そろそろ出社の準備を始めんと 鬱
続きは帰ってきてからの楽しみにしておくよ。
1さん頑張ってね。
>>1 おーーい。待ってるんだから続きキボンヌ!!
46 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 07:46
彼女がこの雰囲気で動けなくなってる事に気づいた。僕はまた
キッチンへ行き、さっきの物とは違うコーヒーを入れて彼女の
前に出した。彼女は黙ってカップに口をつけ静かにコーヒーを
すすり始めた。時計を見たら既に日付が変わってた。僕は友達
にここへ彼女を迎えに来させようと思って、携帯電話を取り出
した。画面には不在着信が二十件と表示されていた。最初は友
から、その後は彼女から。彼女はまだ少し震えているようだっ
た。もう遅いから彼を迎えに来させるからと言った。彼女は小
さく頷いた後に、また涙を両目一杯に溜めているようだった。
僕は発信ボタンを押した。しかし彼の携帯からは金属的な女性
の声で「留守番電話に繋ぎます」としか聞こえてこなかった。
彼女はこらえきれず小さく泣き始めた。でも一番怖いのは僕だ
ったかもしれない。僕は彼の家から飛び出したようにここから
も逃げ出したかった。僕の膝は大きく震えていた。
47 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 08:09
僕はまたタバコに火を点けた。なんだかいつもと違うタバコの
ような気がした。全然おいしくなかった。彼女はそれからしば
らく下を向いた後喋り始めた。「私の話し聞いて何を思った?
怒らないの?嘘ついてたんだよ!?」僕はそれでも何も言えな
かった。「何か言ってくれないと私がどうにかなっちゃうよ…」
僕がもうどうにかなってた。どうにかなってたから何も言えな
った。彼女は気づいているのか分からなかった。僕は分かった、
とだけ言ってしばらく時計の針を見つめた。針はなかなか思う
ようには進んでなかった。 つづく
気になるage
「私がどうにかなっちゃうよ…」その女なに言ってんの。
age
51 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/07 22:42
僕達二人はそれ以上会話をすることはなかった。むしろ僕のほうがこの
空気に参っていた。ただ時間だけがほんの少しずつ過ぎていくだけだった。
彼女は明らかに僕の言葉を待っていた。こんな僕を見ていらいらしてる様
にも見えた。そして彼女はついにしびれを切らしたのか、「じゃあ帰るね」
とつぶやき、玄関の方へと足を向けた。そして彼女は僕の方を振り返る事
なく、玄関のドアを少し乱暴に開けて出て行った。外の廊下から走り去る
音が聞こえた。僕はまた彼女に何も言えずじまいで見送っている事に気づ
いた。彼女は結局ダンボールには気づいてないようだった。僕の目は少し
腫れていた。しばらく僕は玄関から動けずにいた。部屋の奥からコーヒー
の香ばしい香りが僕の鼻をついていた。何故かそのコーヒーの香りが僕を
慰めてくれているように思えた。また涙が溢れてきていた。
次章へ
次章ってなんだ?
頼むから別スレで立てるのは勘弁してくれよ。
53 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 00:26
第 二 章
まだ昼前だと言うのに、既に陽は俺の頭上で真っ赤に顔を膨ら
ませて、地上全体のありとあらゆる物を焼き尽くそうと必死に
地面を睨んでいるようだった。俺は湧き出る汗を拭おうともせず
山中の墓地にひっそりと建てられた墓碑を目指して歩いていた。
森の緑たちは俺を嘲笑うかのようにざわざわと踊り狂い、それ
はまるで死刑囚が絞首刑台に向かう最期の道を作り出してる様
にも見えた。しばらく歩き続けると道が開けてきた。そこに我
が家の墓地があった。山中の墓地に墓を建てることは親父の夢
だった。親父はお袋が亡くなった時ここに墓を建てた。この墓
地からは小さな田舎町が一望できた。ここには俺にとって大切
な人が三人も眠っていた。俺はその墓前に見覚えのある顔を見
た。手を合わせている男は智哉だった。
54 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 00:34
智哉は俺に気づくと、こっちを見てニコっと笑って見せた。
俺は少しあっけにとられた。三年ぶりにみる顔だった。そう、
あれからもう三年も経っていた。三年前のあの日、俺は大切
な友人を失った。友人は幼稚園以来の幼馴染でもあった。彼
は俺たちの前から忽然と姿を消した。彼を失ったのは人生で
二回目だった。
55 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 00:42
三年前のあの日、智哉が俺の家を飛び出して行った後、由佳は
俺に一つの告白をした。別れた彼氏と言うのはあの人だったと。
俺はパニックになった。ありえない話しだった。俺は何も知ら
なかった。智哉のあの様子を見るとあいつも知らなかったに違
いなかった。知ってたらそもそも家に来るはずもなかったから。
俺はどうしていいか分からなくなった。自分の部屋に篭って一
人でしばらく考え込んだ。これじゃ高校生の時の二の舞じゃな
いか。俺は自分の事よりも智哉の事が心配になってきてた。話
しがしたかった。俺は何度もあいつの携帯に電話を入れた。
つ。。。つづきを。。。よみたい。。ぅううぅう
57 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 00:51
何度コールしてもあいつは電話に出る気配はなかった。俺は
部屋を出て由佳にあいつのところに行ってくると言って、家
を飛び出ようとした。すると由佳はいつにもない震えた声を
目一杯出して、私が行ってくる!と叫んで一目散に走って出
て行った。俺は何とも言えない気持ちに駆られていた。何か
に対してもの凄く叫びたくなっていた。そして体全体が震え
ていた。一言だけちくしょう!と叫んだ。そして俺も智哉と
由佳の後を追いかけるようにして玄関を飛び出した。
58 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 01:37
俺は車に飛び乗り、とりあえず智哉の家へ向かった。大学の
時以来の道のりだったので多少迷ったが40分程走ったら智哉
の家が見えてきた。あいつの部屋は一回だった。部屋の電気
が点いていた。車を降りて部屋へ向かおうとしたら、必死な
顔をしながら走ってくる由佳の姿を街灯の向こう側に見つけ
た。俺は車を降りるのを止めて由佳の姿を車の中からこっそ
り眺めていた。部屋の前で由佳は息を整えているように見え
た。少しして由佳は部屋の中へ入っていった。俺は携帯の電
源を切った後シートを横に倒して智哉の部屋の電気を見つめ
ていた。一分が一時間にも感じられた。俺は必死に時間が経
つのを待った。
59 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 01:50
車の中から智哉の部屋を見つめながら、俺は高校時代の事を
思い出していた。智哉が付き合っていた子は俺たちが所属し
てたサッカー部のマネージャーだった。その子は校内でも飛
び抜けて美しい子だった。美しいのは容姿だけではなかった。
性格も成績も折り紙付のいい子だった。ほとんどの男子生徒
の憧れの的だった。ただみんなが一つ納得できなかった事は
智哉の存在だった。誰がどう見てもつりあってなかった。た
だそれは智哉の事を知らない連中の先入観が僻みを起こして
るに過ぎなかった。外見も成績も確かに目立たない存在では
あった。しかし俺は智哉のことを誰よりも認めていた。あい
つは誰にもない独特な世界を持っていた。それが彼の良さで
もあった。その子は智哉のそんな所に惹かれていた。
60 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 02:03
智哉は誰に対しても優しかった。決して怒ることはなかった。
相手の心の中を見抜いてるかのように的確な空気を作りあげ
ていった。智哉と一言でも話した事のある奴の中に一人とし
て彼の事を悪く言う者はいなかった。だからサッカー部の中
では彼らは公認のカップルだった。もちろん俺も認めていた。
しかしある日事件が起こった。そんな智哉を良く思わない連
中が学校中に妙な噂を流し始めた。智哉が彼女以外にもう一
人付き合ってる女がいるらしいと言った噂だった。俺はすぐ
にありえない話しだと思った。智哉はそこまで女に対して起
用な奴じゃないと分かっていたからだった。しかし彼女はひ
どく落ち込んでるらしかった。ある日俺は彼女が部室で一人
泣いているのを見かけた。
61 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/08 02:13
俺は彼女に声をかけた。俺の姿に気がつくと彼女は俺に抱き
ついた。彼女はしばらく俺の胸で泣き続けた。泣き声が収ま
ったと思ったら、彼女はごめんね、なんでもないから、と言
って部室から出て行った。俺はしばらく立ち尽くした。彼女
の残り香はシャンプーのいい香りだった。なんだか顔が真っ
赤になっていた。生まれて初めて女性と言うものを意識して
いた。しかしすぐに頭の中のモヤモヤを吹き消した。あの子
は智哉の彼女だってことを忘れてはいなかった。だが、どう
してもあの泣いている姿だけは忘れることができないでいた。
おい1!人生ベクトルは定まったかYO!
。゚(゚´Д`゚)゚。グワーン
。・゚・(ノД`)・゚・。 うわーん
。・゚・(ノД`)・゚・。 うわーん
早く読みたいよー
66 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/09 22:55
次の日、俺は昨日の彼女の様子がどうしても気になって、思い切って
智哉に事の真相を訊ねることにした。智哉は何も言おうとはしなかった。
ただ笑ってごまかすだけだった。俺は思わず智哉を殴ってしまった。智
哉はそれでもただ笑っていた。俺は智哉を軽蔑してしまった。反論もで
きないでただ笑ってる智哉を見てるのが辛かった。言い訳でも何でもい
いから、昨日のあの子の泣き顔を忘れさせてほしかった。俺は智哉が気
を失うまで殴り続けた。そして、俺は彼女の事を想い始めていた。俺は
最低な男に成り下がっていた。一ヵ月後俺は彼女に告白した。彼女はま
だ智哉のことが好きだった。俺は振られた。あの時の涙の理由が聞きた
かった。智哉が優しすぎたからだと言った。彼女の疑いに智哉は心を開
いていた。やっぱり根も葉もない噂だった。俺は彼女を押し倒してしま
った。俺は最低な人間に成り下がっていた。
なんなんだこの小説じみた長文は
68 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/09 23:20
二日後のサッカー部の練習前、智哉が俺の所へ来た。智哉は
いつもと違う表情をしていた。智哉は俺に殴りかかった。俺
は何も抵抗できなかった。智哉は何度も何度も俺を殴った。
しばらくして俺の顔の形が変わり始めた。そこへ彼女が現れ
た。彼女は泣きながら智哉を止めに入った。智哉はお構いな
しに俺を殴り続けた。智哉の目は明らかに殺意を帯びていた。
俺があいつにやったように、あいつは俺が気を失うまで殴り
続けた。まもなく彼女は智哉の元を離れた。マネージャーも
やめてしまった。俺も二度とサッカー部には戻らなかった。
69 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/09 23:38
時間が流れた。俺と智哉はほとんど口をきくことはなかった。
高校生活も残りわずかになっていた。ちょうどサッカー部は
最後の大会を控えていた。部の連中は俺がいなくなって勝て
る相手にも勝てなくなったと言っていた。はっきり言ってう
ちのチームは俺と智哉が引っ張っていた。智哉一人ではきつ
いのは分かってた。こっそり練習を見に行った事もあった。
士気は完全に下がっていた。大会が始まった。緒戦こそは楽
に勝てたものの、やはり格下だった相手に苦戦を強いられて
いた。翌日に次の試合を控えた晩の夜、あいつが俺の家へ来
た。明日一緒に戦ってほしいと言ってきた。俺は断った。殴
られはしたものの、やっぱりおまえに合わせる顔がないと言
った。あいつは笑顔で俺に言った。お互い殴り合ってもうち
ゃらになったんだから気にするな、明日は多分最後の試合に
なると思う、明日一緒にサッカー部を卒業しよう。あいつは
怒っちゃいなかった。翌日俺は久しぶりにグラウンドへ向か
った。
70 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/09 23:47
試合は惜しくも延長戦で負けた。俺は泣いた。負けた悔しさ
よりも智哉とまた一緒にサッカーをできたことが嬉しくて泣
いた。あいつは顔色一つ変えずに俺のところへ来て、またサ
ッカーやろう、おまえがいないサッカーは楽しくなかったよ、
今日は久々に楽しかった、最高の幼馴染だよ、と言って泣き
崩れる俺の肩を抱きながら今まで見たこともない笑顔で俺を
見てた。俺は失ったはずの友の声に救われていた。
71 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/10 00:02
俺たちは同じ大学に進んで、同じ寮に入った。ここから程
遠くないところにあるサッカー部の寮だった。それからな
にもかも一緒だった。すごく楽しかった四年間だった。卒
業後俺はある商社に就職した。あいつは昔からの夢だった料
理の道へ進んだ。お互い忙しくてたまにしか連絡は取れなか
ったが、元気にやっているのは知っていた。先日珍しくあい
つから電話がかかってきた。少し沈んだ声をしてたので久し
ぶりに食事でもと誘った。彼女ができたので鍋でもどうだ?
と言った。そしたら俺の家がいいと言った。あいつの新しい
家へ行ったことがなかったのでおまえの家がいいと言ったの
だが、あいつは頑なに拒んだ。今日やっと理由が分かった。
(\
\\\
(\\\\
(\\\\\
\\ |||
( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ||
 ̄ ̄( ̄ ̄//// ̄\ ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄(//// ̄\\( ゚Д゚) < 続きキボンage
(/(/// ̄(つ つ \_______________
(/(/| /
(/((/ ∧|
∪ ∪
結構少女ロマンチック小説になってきてるぞ。
気をつけてくれ。
大人が楽しめる話キボン
74 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/10 04:24
由佳はほとんど手ぶらで家に転がり込んできた。多分他の荷物は
まだあの部屋に残っているのだろう。だから智哉は俺が来る事を
拒んだ。失恋した痛手を俺に見せたくはなかったんだろう。あい
つはそういう奴だ。さっき買ってきた缶コーヒーがもう冷たくな
っていた。だいぶ時間が経っていた。俺は残っていた缶コーヒー
を一気に飲み干した。苦さだけが口の中に広がった。タバコに火
を点けた。するとそれと時を同じくして由佳が部屋から飛び出し
てきた。俺は車を出して由佳を追いかけた。由佳は俺に気がつく
と道端に座り込んでおお泣きし始めた。すかさず車に乗せてステ
アリングをとった。バックミラーを見ても人の気配は全く無かっ
た。
75 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/10 04:36
家に着いて由佳から話しを聞いた。やっぱり智哉は何も
知らなかったみたいだった。俺は由佳を責めたりはしなか
った。智哉が俺の立場ならそんなことはしないと思ったから
だ。由佳は全てを話し終えるとふさぎ込んでしまった。その
まま寝室へ連れて行き、寝かしつけた。智哉に電話しようと
思った。携帯の電源を入れて智哉に電話したがやはり出る気
配はなかった。翌日また電話したがやはり出る気配はない。
次の日もその次の日も電話はコールされるだけだった。由佳
はすっかり別人のようになってしまった。ほとんど何も喋ら
なくなった。何日か経った後、一つのダンボールといくつか
の荷物が届いた。依頼人は智哉の名前だった。中には由佳の
荷物が詰められていた。他には何もなかった。俺はその日、
あいつの家を訪れる事にした。部屋にはもう誰もいなかった。
いわゆるもぬけの殻ってやつだった。その日から全くの音信
不通になってしまった。俺はまた友を失った。
76 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/10 04:48
それから一年後俺と由佳は結婚する事になった。由佳の
お腹に俺たちの子供が宿った。それを機会に俺は会社を
辞め、実家の旅館を手伝うことにした。由佳も何とか立
直り、親父と由佳と子供と三人でひっそりと暮らしていた。
会社勤めの頃より収入は減ったがとにかく幸せだった。とに
かくよく笑った。もちろん俺たちは智哉の事を忘れた事は一
度もなかった。あらゆる伝手を頼って探してみた。しかし、
あいつはどこにもいなかった。そして時は流れた。
えっと・・・
第2章からは 新彼氏の視点から書いてるのかな?
つづきを!!
はやく!!
ヽ(`Д´)ノボッキアゲ
おい
おわりかよ・・
( `Д´)
ともや〜〜〜〜っ!!
(゚´Д`゚)早くツヅキを…
つづきーーーー。
〜終了〜
86 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/15 21:35
そしてちょうど一年前の今日、あの事故は起きた。組合の総会で家を
空けていた俺の携帯に電話が鳴ったのは夕方近くだった。由佳と親父
が仕入れで市場に向かう途中、二人が乗ったワゴンが、対抗車線を走
っていたトラックに弾かれて、路肩の電柱に激突。二人は即死だった。
子供は家で寝かせてたので無事だったが、当のトラックの運転手も無
傷だった。後で分かったことだが、ドライバーは慢性の飲酒運転手だ
ったらしい。苦しくもその日は荷物を届け終えていつもよりアルコー
ルの量が多く、助手席には当たり前のように酒のビンが転がっていた
と言う。とりとめのない悲しみは怒りへと変わっていった。しかし、
その怒りを公の前でぶつける前にその運転手は持病が悪化し、留置所
で息を引き取った。俺は途方に暮れた。そして絶望の壁が俺を待ち受
けていた。
復活あげ
はやく続き書いて!
−終了−
―再開―
これ実話なの?
期待age
やべ、背筋に悪寒が走った。
ええはなしや。
続き期待
全部読んだが、泣けてきた…
>>1 続き書いて!!
期待age
age
一章と二章の視点が違うとリアリティがな・・・
>>98 いや、別に創作でもいいよ。続きが読みたい。
100 :
名無しさん:01/12/24 01:18
えー、ネタだったのかよ、つまんねー
板違いじゃねーのか?
101 :
名無しさん:01/12/24 08:07
今日こそ続きキボンヌ期待age
103 :
名無しさん:01/12/26 22:21
age
104 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/27 03:02
2ヵ月半後、実家の旅館はやむなく閉館した。実際のところ俺ひとり
ではどうにもならなかった。小さな子供を抱え、加害者側との裁判も
終えておらず、何より俺は疲れきっていた。悲しみや憎しみだけでは
乗り越えられない辛さが俺を苦しめていた。俺は堕落していく一方だ
った。友人を失った。愛する妻を失った。愛する父親を失った。たっ
た一人の子供は親族の意見で弟夫婦が預かることになった。俺は毎日
酒に明け暮れていた。残された物は一つもなかった。生きてる意味さ
え理解できず、ただ、毎日が過ぎていった。そして俺はある決意を胸
にここへやってきた。
105 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/27 03:18
智哉は抱えていた数本の花を供えた後、俺に話しかけた。
「この花はアマリリスと言って、人間の手によって幾つもの
色に変わるんだ。この花は黄色だけど、珍しいものだと青や
紫だってある。でもそれらは人の手によって変えられた人工
の色なんだ。」
以前由佳から聞いた事があった。彼女は以前学生時代花屋で
働いていた。花屋とは見た目の華やかさとは裏腹に地味で水
仕事が多いくせにそれ程待遇が良いわけでもなかった。それ
でも彼女が花屋で働き続けた理由はこのアマリリスだった。
様々な色を楽しめる事はもちろんこの独特の香りが彼女を癒
してくれたのだと言う。彼女はアマリリスが大好きだった。
もちろん智哉もそれを知っているんだろう。智哉はアマリリ
スの花に鼻を近づけ香りを楽しんでいた。
再開記念カキコ 頑張れ1!
107 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/27 03:33
「それにしてもこの香りだけは人の手には作れないんだろ
う。いい香りだ。」智哉はそう言った後、急に寂しげな顔
をして俺に近づいてきた。「今日でちょうど一年なんだっ
てな。」俺は黙って頷いた。「事故の話しは半年前に聞い
たよ。本当に残念だった。」智哉は既にほとんどの情報を
知っているに違いなかった。事故の日から今日までの俺の
周りの出来事を。ガキのころいつだってそうだった。智哉
はいつも俺の事を見てくれていた。試合中に足を痛めた時
も、俺は誰にも言わなかったしそんなそぶりすら見せなか
ったのに、智哉は気付いていた。その日、智哉は俺にほと
んど動かせないよう一人で踏ん張っていた。試合の後俺は
いつから気付いていたのか訊ねた。すると智哉は言った。
「あんな激しいプレーの後動き回れる方がおかしいよ。」
108 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/27 03:48
智哉は俺が尋ね返す前に話し始めた。三年前から今日まで
の事を。「三年前、僕はあの後日本を離れてロンドンに向か
ったんだ。東京でお世話になってた先生の教え子さんが向こ
うで日本料理のお店を開くことになったからお前も向こうで
がんばってみないかって。最初少し悩んだけど、むこうでが
んばればいずれ自分の店も開けそうだったし。何よりむこう
に僕が世界で一番美しいと思ってる場所があるんだ。実は三
年前のあの日君に報告しようと思ってたんだけど、あんな事
になっちゃったから…。前もって言っておくべきだったんだ
ろうけど、後から報告するのもなんだか気が引けちゃって…。
それに君達に迷惑かけるんじゃないかって。特に由佳には。」
109 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/27 04:08
「連絡しなかったのはもう一つ理由があるんだ。半端にロン
ドンに行って報告するよりも、僕の店を開けることができた
ら君たち二人を招待しようと思って。もちろん君達の子供も
ね。」やっぱり智哉は全て知っていた。俺たちは敢えて智哉
には結婚式の招待状を送らなかった。送り先を知らなかった
こともあるが、それでも実家には送る事はできた。招待状と
はそういうものだ。智哉の実家に送ればなんらかのリアクシ
ョンはあるはずだったからだ。俺たちは智哉の気持ちを計る
ことができないでいたからだった。しかし智哉はそんな俺た
ちの心の奥をしっかり覗いていた。智哉は最初に見せた笑顔
をまたアマリリスの花に向けていた。
110 :
1 ◆yue7sP32 :01/12/27 04:32
「ここに来る前、君のアパートに寄ったんだ。君はもう何
日も帰ってないみたいだったけどね。実はこんな手紙を預
かってきたんだ。」智哉は一通の封書を俺に手渡した。手
紙の差出人は弟だった。手紙の内容は以前よこしてきた物
とほとんど一緒だった。親父の死による遺産相続の問題。
子供の親権の問題。養育費。俺の仕事を面倒みること。俺
のこれからの人生の問題。etc…。ただ、ひとついつもと
違う文面は弟名義の弁護士依頼だったこと。実の兄貴に対
してこれだけしてくるのには理由があった。大学院を出て
すぐに結婚したため、生活基盤を整えるのにどうしても親
父の遺産が必要だったこと。エリートの道を進んできた弟
がすぐに世間から認められるには自分の会社を興すのが一
番早いということ。弟にとっては親父の死は好都合だった。
そんな自分のために弟は条件を出してきた。俺の仕事の世
話。俺の生活が落ち着くまでの子供の世話。弟は由佳の死
に一つも涙を見せなかった。
あぼーん
あぼーん
おわり?
なんか同人誌っぽいノリだ。
(・д・)
115 :
名無しさん:01/12/31 06:46
age
116 :
名無しさん:01/12/31 06:49
なかなかおもろい
117 :
名無しさん:02/01/04 21:53
保守age
118 :
名無しさん:02/01/04 22:58
気になるage
上のあぼーんは何だ?
静観せよ。
121 :
名無しさん:02/01/05 01:45
からage
122 :
名無しさん:02/01/06 00:57
見たいage
123 :
名無しさん:02/01/06 03:34
今年は、もう書かないのか?
なんだか続きが気になるなあ。
でも、内容はフツーの現代小説と大差はないな。
俺の気持ちをはやらせているものは、この文章が
「2ちゃんスレ」
という形をとっているからだろうな。
ま、その辺にころがってる文庫本も
捨てたモンではないってことだな。
125 :
名無しさん:02/01/06 15:37
たつたage
126 :
名無しさん:02/01/06 16:17
途中からつまらないと思うのは私だけか?
かつage
128 :
名無しさん:02/01/08 05:03
129 :
名無しさん:02/01/10 13:24
さつまage
130 :
名無しさん:02/01/11 14:19
続きキボン
131 :
名無しさん:02/01/14 21:36
あげ
132 :
名無しさん:02/01/16 03:34
期待あげ
俺の妹はレースクイーンやってる。
知名度は中の上ってところか…
俺は一時期100円ショップで買ってきた色紙に、妹にサイン書かしてヤフオクで売っていた様なバカ兄だ。
プライベート写真と題して、写るんですで撮った写真にサインを書いて売った事もある。
それと引き換えに、俺は妹のHPのBBSで時々自演自作のカキコをしている(藁
しかし馬鹿なトリマキやヲタカメコのカキコはまじ笑える。
普段の妹の怠惰な生活を見たらどうなるんだろう。
それと奴等に妹の脱ぎたてのパンツでも売ったらいくらになるのだろうか?
ただ妹の友達(RQ)はマジカワイイ。
やばいくらいカワイイ。
最近はパソコンに興味を持っている子が多いから、その時には詳しい俺が教えてやる。
この前うちによく遊びに来る一人の○○という子にMXを教えてやった。
その子は試しに「レースクイーン」と検索してくれと言ってきた。
快く俺は検索してやった。
おそらく自分が出ているプロモがどれくらいの知名度があるか知りたかったのだろう。
ただ検索して出てきたのが、「ハミ毛」や「食い込み」、「盗撮」などといったキーワードが含まれた
モノしか出てこなかった。(汗
さすがにDLしてとは言ってこなかった。
その子が出ているかどうかは分からないが、かなり不安そうな面持ちで顔面が引きつってた。
【つづく】
134 :
名無しさん:02/01/16 13:47
とりあえず終わらせてほし、
気になってしかたない。
次に自分の名前を検索してくれと言ってきた。
さすがに出てきてはマズイと思い、わざとモセで検索した。
もちろんでてくるわけが無い。
しかし俺はバカだから「な! 大丈夫だよ、有名人だったらわからねーけど」と言ってしまった。
その子も「そ、そーだよね…」と一言。
出てきても困るし出てこなくても悲しいと言ったところであろうか…
写真や仕事などでは大人っぽい○○だが、やはり普段は普通の女の子であるのだなと感じた。
横顔のあどけない表情も男心をグッとくすぐる。
ただその○○は妹とは違い、有名な部類に入るレースクイーンだ。
写真集、ビデオ、車雑誌等にもそれなりに出ているらしい。
2人で遊んだ事は無いが、必ず俺の誕生日にはプレゼントをくれるいい娘だ。(俺はあげたことが無い。)
この前妹と2人で話していた時、その彼女の事を俺がどう思っているか尋ねられた。
「○○カワイイよね、お兄ちゃんはどう思う?」と。
俺は「お前よりはマシかな」と普通に答えた。
妹は「もし告白されたらどうする?」と
この状況からしてみても、その子は俺に気があるのは間違い無いようだ。
俺は照れ隠しに「レースクイーンじゃなかったら考える」と答えた。
【つづく】
少し前であるが、妹は両親が旅行へ行った事をいい事に、沢山の友達を連れてきた。
もちろんその友達の中には○○もいた。
そして皆うちに泊まる事になった。
うちは寝る場所がすくない為に、俺のベッドも提供してやった。
どうやら俺のベッドには予想通り○○が寝るらしい。
俺は一階の居間のソファーで寝ることにしたが、なにやら血が騒いできた。
妹の親しい友達だがやりたい、いや、実は俺も○○のことを気になっているのだろうか…
そのうち、○○の温もりでいっぱいの布団で一緒に寝たい…、そんな欲望が俺の心を決めた。
俺はもう迷いも無く自分の部屋へと向かった。
ノックもしないで部屋へ入り、すかさずベッドへ潜り込んだ。
ああ、○○の身体はなんて温かいんだろう…と。
俺は布団で寝ている彼女の肩へ腕をやり、重低音の利いたエロ声で「なぁ、もう寝たの?」と一言。
すると「ヤダ、なんか意味不明…」と。
良く見るとそれは紛れも無い、自分と同じ遺伝子を持った妹であった。
いつの間にか○○と妹は寝る場所を交換していたらしい。
妹も直ぐに俺の考えていた事を理解したらしいが、一番のバカは自分である。
「やっぱりお兄ちゃんも○○の事が好きなんだ、てか超変態じゃん(ワラ」
こんな事を言われてしまった。
まさしくその通り、妹は性欲ギンギンの狂った獣寸前の兄の姿を見てしまったのだ。
【つづく】
137 :
名無しさん:02/01/17 18:39
結局○○とはなにもなかった。
しかし妹は仲を取り持ってくれると言っていた。
ただしそのおかげで最近俺は妹の言うがままに動いている。
2ちゃんにキャンギャル、パニオン系のスレがあると
「○○○タン( ´Д`)ハァハァ …」や
「このキャンギャルの画像キボンヌ♪」
と言ったように自分の妹の宣伝をしなくてはいけなくなった。
終いには自分のサイトを作ってくれと言い出してきている。
しかもコテコテのフラッシュ付きのやつをと…
肝心の○○のことであるが、そろそろレースクイーンを引退するらしい。
年齢的には問題無いのだが、精神的に疲れるらしい。
あと俺の「レースクイーンじゃなかったら考える」といった言葉も重かったらしい。
レースクイーン、キャンギャルを職業としている彼女達。
実は彼女達も皆少なからずコンプレックスを抱えている。
それは何か?
C級タレントという宿命だ。
いくら頑張っても所詮はカメコ、マニアックなファンしか付いてこないという事だ。
ほとんどのレースクィーンが思う事らしいが、衣装を着て写真を撮られている時
「私はこんな変なカッコさせられて何してるんだろう…」と。
【おわり
138 :
名無しさん:02/01/24 18:13
age
139 :
名無しさん:02/01/24 18:36
あの人がレースクイーンのかっこうしてたら、
勃起が収まらないだろうなぁ
140 :
名無しさん:02/02/01 01:03
uge!
141 :
名無しさん:02/02/15 10:25
1は何処?
もうやんないの?
142 :
名無しさん:02/02/23 06:53
age
143 :
名無しさん:02/03/11 17:21
age
144 :
名無しさん:
age