なぜ使うの? 食パンに臭素酸カリウム
業界では「使用自粛」
山崎製パンが使用の特許申請 2種類の製品も販売
http://www.chifuren.gr.jp/tokyo/kikanshi/ki-0407/040715.htm#6 半世紀ほど前から学校給食にパンが登場し、食卓の洋風化とともに食パンが
普及してきました。一九七七年に厚生省が臭素酸カリウムの変異原性を発表し
たことから、「学校給食から、パン生地改良剤の臭素酸カリウムを追放しよう
」という消費者運動が高まり、一九八〇年大手製パンメーカーなどで使用自粛
の申し合わせが行われました。
その後、一九九二年の国際機関「コーデックス」の合同食品添加物専門家会
議で発ガン性があるため臭素酸カリウムを小麦粉改良剤として使用するのは
不適当とされ、厚生省の業界への働きかけもあり、日本パン工業界・全日本パン
協同組合連合会は使用をひかえ、代わりに業界一般ではビタミンCが食品添加
物として使われています。
ところが、業界最大手の山崎製パンは自社の研究の結果、(1)適切な製造
工程・使用量を守れば、角型食パンには臭素酸カリウムの残存は検出されない
(検出限界〇・五ppb)(2)これまで粉末で使用されていた臭素酸カリウムを
溶液化して使用することにより、山型食パンにおける臭素酸カリウムの残存量
を大きく低減することができた(山崎製パンは特許を出願)‐‐として六月一日
、次の地域で臭素酸カリウム溶液を使用した二種類の角型食パンを発売しました。
具体的には、商品名「国産小麦食パン」と「サンロイヤルファインアローマ」を
松戸工場・武蔵野工場エリアで販売中とのことです。
同社によれば、「臭素酸カリウム使用表示とともに、その使用量ならびに
残存に関しては厚生労働省の定める基準に合致しており、それを第三者機関が
確認していることを「(社)日本パン工業会科学技術委員会」名で記載し、
消費者の選択に資するそうです。
消費者への挑戦
角型の食パンは第二の主食ともいえるものであり、リスク評価が必要で
あることはいうまでもありません。
特許の売り込みがからむ今回の事業者の行為は、食の安全を求める消費者
への挑戦とはいえないでしょうか。