サンドバックを語る

パンチ力の計算方法―その１
パンチ力の力学的内容とか計算方法に付いて語っている所はインターネット上には色々存在する様です。しかし納得出来る様な説明は殆ど無い様に感じられますのでこちらで分析してみましょう。

パンチ力は衝撃力ですから力学的には「撃力」で表すのが適当と考えられます。
それにフォロースロー力が加わります。
「撃力」とは極めて短い時間に働く極めて大きな「力」の事です。
「力」とは物体に加速度を生じさせる事の出来るもので物体の質量ｍと生じる加速度αを掛け　Ｆ＝ｍα　で表されます。

パンチがサンドバッグ等の物体に当たるとパンチは急減速します。　マイナスの加速度が生じた事に成ります。
パンチが減速した分の速度をＶとします。　例えば速度１０のパンチが固定されたサンドバッグに当たって速度ゼロになったとすると　減速分速度　Ｖ　の値は１０となります。
又パンチングマシンのミットなどに当たって速度が７までしか落ちなかったとすると減速分速度　Ｖ　は３となります。

次に減速に要した距離を　Ａ　で表す事とします。
ここで推測出来る値は　減速速度　Ｖ　と減速距離　Ａ　で、　減速度　α　と減速時間　ｔ　は未だ分かっていません。
すなわちＶ　と　Ａ　は概知数で　　α　と　ｔ　は未知数　と云う訳です。
話を簡略化する為に減速は等じ割合で生じたと仮定します。

等加速度運動　α　で　ｔ　時間動くと　速度　Ｖ　は　Ｖ＝αｔ　減速距離　Ａ　は　Ａ＝0.5αｔ²　で表されますからこれより　ｔ　を求めると　ｔ＝Ａ／０．５α　の平方根となります。
次に、此処で求めた　ｔ　を利用して　α　を求めると　α＝Ｖ／ｔ　となります。
このα　を重力加速度　９．８　で割ると　重力加速度の倍数　Ｇ　が求められます。
この値に腕の質量数ｍを掛けると目的のパンチ力の重さが　Ｋｇ重　の単位で出てきます。
Ｆ＝ｍＧ＝ｍα／９．８　と云う訳です。

パンチ力の計算方法―その２
試算例１　　サンドバッグ　　ストレート
ある空手の本によりますとストレートパンチの速度は速くて１０ｍ／ｓ程度だと云う事です。　肩や、胴体の速度、及び動いている部分の質量数等は私の推測ですが適当です。以下同様。　各自正しいと思われる数値で試算してみて下さい。

　　　　　減速速度　　減速距離　　減速秒　　Ｇ値　　　質量　Kg重換算
腕　　　　　10ｍ/s　　0.3m　　　　0.06s　　　17Ｇ　　　３Kg　　 ５１
肩、胴等　　 3m/s　　0.1m　　　　0.07s　　　4.6Ｇ　　15Kg　　　６９
フォロースロー力　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３０
合計　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１５０

試算例２　　パンチングマシン　　ストレート　　速度１０から３に減速で減速速度７

　　　　　減速速度　　減速距離　　減速秒　　　Ｇ値　　　質量　　Kg重換算
腕　　　　　　７ｍ/s　　0.15m　　0.043s　　　17Ｇ　　　３Kg　　 ５0
肩、胴等　　 1.7m/s　　0.05m　　　0.06s　　　2.9Ｇ　　15Kg　　　44
フォロースロー力　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０
合計　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９４

パンチ力の計算方法―その２続
試算例３　　サンドバッグ　　スウィングパンチ
ある空手の本によりますとスウィングパンチの速度は速くて１５ｍ／ｓ程度だと云う事です。

　　　　　　速度　　減速距離　　　減速秒　　　Ｇ値　　　質量　　Kg重換算
腕　　　　　1５ｍ/s　　0.3m　　　　0.0４s　　38.3Ｇ　　３Kg　　 １１５
肩、胴等　　 3m/s　　0.1m　　　　0.07s　　　4.6Ｇ　　　15Kg　　　６９
フォロースロー力　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０
合計　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０４

試算例４　　サンドバッグ　　回し蹴り
空手の本を参考にして廻し蹴りの速度を１３ｍ／ｓと仮定します。要再調査。
重い回し蹴りは放り投げる様に蹴るのでフォロースロー力は少ないと予想。

　　　　　　速度　　減速距離　　　減速秒　　　Ｇ値　　　質量　　Kg重換算
足　　　　　1３ｍ/s　　0.3m　　　0.0４６s　　２8.7Ｇ　　１３Kg　　 ３７3
胴腰等　　　3m/s　　　0.1m　　　　　0.07s　　4.6Ｇ　　２０Kg　　　８２
フォロースロー力　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１０
合計　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　４６５