★浪速のスーパーピエロ亀田三兄弟13★

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SPA!インタビューより

− 小学校時代、空手で世界チャンピオンにもなりました。
でも、お父さんは最初からボクサーとして育てたかったようですね。

亀田:それは知らんけど、親父は怖いからね、怒ったら。最初はそれだけやで。
それじゃまあ、ボクシングしとこうかみたいな話やね。
親父も昔ボクシングやってたんやけど、プロテスト受ける前にやめた言うとった。
遊びのほうに行った言うてた。そんなんあって、俺にはちゃんとやらすんやろな。
やっぱり、後悔してるから。

− よく反抗しなかったですね。

亀田:まぁ、それが俺の仕事やからな。ボクシングで飯食ってくわけだから。
親父も仕事犠牲にして、ずっと付いてコーチしてくれてるしな。

− いつから仕事としての責任感があったんですか

亀田:中学のころからそう。ボクシングなかったら、もう乞食やからな。家族兄弟全部。
兄弟3人で、まず最初は俺にかかってるから。

− 当時はどのくらい練習してたんですか。まず学校行って。

亀田:学校?

− ああ、学校の前にまずロードワークがあるのか。

亀田:学校自体行ったり行ってなかったりやからな。
まず、走ってから学校行かなあかんから、何時とな。
− 遊びの誘惑には負けなかったんですか。

亀田:なんか知らんけど友達少なかったしな。嫌われとったんやな。
それに晩なんか家出たら、親父にドツかれるからな。6時くらいには帰る。今もそうやで。
家でみんなで一緒に飯食べなアカンし。それに世界チャンピオンになったら遊べるしな。
そっからでも間に合うし、カネあって遊ぶほうがええやんか。

− 16歳で社会人チャンピオンになって手ごたえを掴んだ?

亀田:アマチュアでは一回も負けんつもりだったからな。一回負けてもうたけど。
今は負ける気せえへんもん。もっと強い奴とスパーリングしてきてるから。

− プロデビュー戦も1ラウンドKOと派手に果たしました。

亀田:いや、全然そんなことなかったよ。あの試合は嫌いや。めっちゃ焦りすぎてるし。
まぁ、1ラウンドで倒すつもりはあったけどな。ファンを惹き付けなアカンから。そうやろ。
やっぱり豪快に倒さなアカンな。

− これまで3戦しましたが、すべて1ラウンドKOですが、世界挑戦に向けてどんな感触ですか。

亀田:まだまだやなぁ。でも、俺、まだ自分のボクシングはしてないからな。
ファンのためにボクシングしてるみたいなもんや。
− というと?

亀田:
俺、足も使えるけど、足使ってたら絶対今こんな地位おらんて。知名度ないって。
「なかなかうまいな、あのコ。よう喋るしな」って感じ。
だから、まだまだ喧嘩ボクシング、1ラウンドKOを狙うんや。周りはみんな知らんのな。
「アイツあんなもんか、グチャグチャなボクシングやな、全然大したことないわ」思てるみたいやけど、
それはそれでええ。徐々に自分のボクシングを見せていくから。
俺、もともとうまいボクシングするからね、レナードみたいな。
でも、今から綺麗なボクシングやったら、みんなおもんないもん。眠たなるだけやん。
ほな早よう倒さな。

− 本当は技術あるんだと。

亀田:
技術は世界レベルやと思うてるからね。俺にパンチなんか、そうそう当てられへんから。
ガード固いから全部外すし、パンチがあるから相手は怖がって入って来いひん。
カウンターとるのもうまいからな。正直、タイに遠征行ったときは、まだ自信なかった。
スパーリングしたポンサクレックは強いチャンピオンやからな。
でも、自分のボクシング、親父に教えてもらったボクシング通用したからな。ごっつい自信ついたよ。
次の日、もう一回やってん。でも、もう余裕やん。どっちが世界チャンピオンかわからへん。
実際パンチもろうてへんもん、俺。もう一方的にドツき回した。あれから自信ついた。
あれはよかったな。
− 所詮スパーリングだから、と言う人もいますが。

亀田:勝手に言うたらええやん。見とったら人間はわかるんやから。

− 9月1日にも世界ランク入りが噂される名城選手と公開スパーリングしましたね(グリーンツダ
ジムの津田会長曰く「ウチの世界ランカーの本田っていう選手が負けた選手なんです」)。

亀田:所詮、本田に勝ったくらいのヤツやろ。名城なんて、世界ランクで言うても一番下っぱやからな。

− 9月27日のダオチャイ・KTジム戦から10回戦になります。これまですべて1ラウンドKOで、
体力を疑問視する声もありますが、試す意味で5ラウンドくらいやるつもりとかはない?

亀田:そんなん考えてない。とにかく1ラウンドで倒す。倒されへんかったら、まあ後は適当にな。
でも、流れで倒れるわ。8オンスで俺のパンチやったら、絶対立ってるヤツおれへんって。
12オンスでやっても倒れるよ。5ラウンド持たんやろう。持ったらそいつスゴイ言うたるわ。

− 津田会長は「内藤大助いうたら世界戦やるくらい強い選手だけど、
その内藤が後半でやっと倒したぐらいの相手」とおっしゃってますが。

亀田:内藤みたいなん弱いって。世界戦で30秒でやられてるやん。内藤なんかパンチもないよ。

− 先輩を先輩とも思わないそのビッグマウスぶりは、もしかして意識的にしてたりもするんですか。

亀田:考えてない。普通に喋ってるだけや。それで嫌ういうたらそれだけの話やな。
まあ、選手からは嫌われるやろうな。でも、ファンに人気があってなんぼやしな。
− 同じクラスで「コイツは割と強そうだな」という日本人選手はいないんですか。

亀田:まあ、おらんな。

− なら、すぐにでも日本チャンピオンにはなれますね。

亀田:興味ない、日本や東洋は。別にどうでもええな。周りも何とも言わんやろ。
ボクシングやっとったら、世界チャンピオンにならな意味ない。
新人王なって、日本ランク入って、日本タイトル獲ってから世界に行く方法もあるんやろうけど、
俺には俺の道がある。

− 辰吉丈一郎選手の世界挑戦最短記録更新を狙ってるとか。

亀田:それはジムが勝手に言うてるだけでな、俺はそんなこと考えてないな。まだキャリアが足らん。
たかが日本の新記録やん。別にどうでもええ。
弟がプロに入ってくるまでには、ええ地位におりたいけどな。
俺は20歳までに世界チャンピオンになれたらええかな思ってる。
やっぱり、負けへんチャンピオンでおりたいからな。そにためにはゆっくりキャリア積んでな。
強いチャンピオンでおって、最低でも3階級制覇はしたいしな。

− 足りないのは経験だけ。

亀田:そうやな。フライ級では俺が一番スピードあるしな。パンチも自信もってる。それと根性な。

− つまり、経験以外はすでに世界ランカーレベル。早く亀田選手の世界戦がみたいですね。

亀田:れはしゃあない。俺自身、まだその気がないから。

− 待っとけや、と。

亀田:そうやな。時期が来たら、必ず世界戦するねんから。
まだ弱いモンが行ったら、チャンピオンに失礼やん。
− その点で、負けが続く日本人選手についてどう思いますか。

亀田:あんなもん、世界行く段階ちゃうやん。チャンピオン、遊び感覚で来とるからな。
挑戦者が弱すぎるから。

− 経験という点では亀田選手よりあるはずなんですけどね。

亀田:才能ないだけや、俺からしたら。才能なかったら、なんぼ努力しても弱いモンは弱い。
これっばかりはしゃあないやろう。今の日本人ボクサーは才能なさすぎるな。
俺からしたら、一番はハート(=根性)がないと思うんやけどな。
世界挑戦しとるのに、何でラスト12ラウンド手出さへんねんと思う。
何で行かへんねん?負けてんねん、12ラウンドやって判定で。
どないあがいても勝たれへんのに行けへん。行かなベルト獲られへんねんから。
西岡なんかそうやろ。4回もやって、いっこも行けへんやん。何をしたいんや、アイツは一体。
もうカネの無駄。相手は「アリガトウ、西岡」言うてるわ。

− なぜ行かないんですかね。

亀田:結局、喧嘩弱いヤツはアカンねん。いざ勝負というときに、まだボクシングしてるねん。
真面目なヤツがボクシングやって、空手で言うたら型しか知らん。

− 亀田選手は喧嘩の経験が役立ってる?

亀田:まあ、ある程度はやってきたからな。喧嘩は負けたことないで。いつもドツき回したんねん。
ボクシングいうたら、もともとスポーツちゃうねん、喧嘩や。
だから、喧嘩強いヤツがボクシング始めたほうが俺はええと思うな。気持ちが優しすぎるで。
ゴング鳴るやろ、あんなん初めに手なんか合わさんでええねん。
その気持ちを持っとかなアカンやん、常に。昔のボクサーみたらわかるやん、ガンガン行くやん。
そりゃあ世界も獲れるわ。ビデオでファイティング原田とか見たことあるけど、ごっつい行くやん。
具志堅用高でもゴングが鳴って、まだコーナーに座ってるヤツをドツいてKO勝ちやん。
そりゃ徳山みたいにチャンピオンなら、守りに入ることもあるけどな。
− やはり徳山選手は強いですか。

亀田:ハートはないけど、まぁ割とうまいっちゅうか汚いボクシングやるな。
うまいこと頭低くして、来たらクリンチしたりな。逃げるのもうまい選手やな。
それが案外勝つんやから、あれはあれでええと思うけど。まぁファンはおらんけどな。
見とって眠たいやん。K−1見てたほうがおもろいやん。

− K−1もボクシングの参考になったりする。

亀田:山本キッドっておるやん。アイツはええな。俺とよう似たタイプやから。根性ある。
向かっていく闘争心がすごいわな。朝青龍はもっと好きやで。ハートあるやん。
高砂部屋に稽古見に行ったとき腕相撲やってって言うたんやけどな。
「ちょっと肘痛めてるからできへん」言うて。でも、その辺の弱いヤツとやって勝ったで。

− 力士に勝ったんですか?

亀田:一発や。俺、腕相撲自信あるからな。

− それはすごいですね。では、外国人選手で特に対戦したい選手、倒したい相手はいますか。

亀田:……おらんな。今は自分のレベル上げるので精いっぱいや。引退したら山本キッドとやるわ。