夢の仮想対決!どっちが勝つ?

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135ポンド 12回戦
レイ・マンシーニ 対 ビニー・パジェンサ

この日のイタリア人街はどこも二人の話題で持ちきりだった。
「フェスタ・デル・カンペオン」と銘打たれた今夜のファイトにお祭り好きの民族がじっとしていられる訳がないのだ。
ロッキーのテーマに乗って入場する両者、会場は割れんばかりの歓声に包まれる。
東部時間の21時25分ついにゴングが打ち鳴らされた。元気よく飛び出す両者、なんといきなりの左フックが相打ち!これには貴賓席のアル・パチーノも大喜びだ。
一歩も引かぬ両者、壮絶な打撃戦だ。マンシーニが左を腹にダブるとパズは顔面にトリプルをお返し。
ロープ際でホールド、クリンチ、もつれ合っては倒れる二人。この日、主審を務めたカプチーノ氏は何度「ウオッチュアヘッド!」と注意したことか。
中盤、左右フックをブンブン振り回すマンシーニに対しパズは左ボディーから右アッパーでチンへの連打が当たる。ワイドオープンになるマンシーニの欠点を突いてきた。
しかし、ウィービングを多用し距離を詰めるマンシーニ。間をおくと見せかけジャブで機先を制す辺りはポイントの相殺が上手い。
両者ダウンのないまま試合は最終回へ。口の中を切り、鼻血を出すマンシーニ。右目を腫らし目尻からは出血のパジェンサ。二人の形相が試合の壮絶さを物語る。
死力を振り絞る両者に観衆はスタンディングで健闘を讃える。そして大歓声の中、最終ゴング。
注目の判定は三者三様の引き分け。加熱しすぎた観客の一部が喧嘩を始めるのもご愛敬。
熱狂した会場にカバレリアルスティカーナ間奏曲がもの悲しく流れてきたのは粋な演出だった。
165名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/02 22:46
う〜ん。おもしろい。
166名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/03 19:18
ウィルフレド・ゴメス vs ナジーム・ハメド
カルロス・サラテを痛烈にKOしたゴメスはクラスを一階級上げ、ナジーム・ハメドの持つ
IBF世界フェザー級タイトルに挑戦した。
ラスベガス・マンダレイベイ・リゾート&カジノは、プエルトリカンとイギリス人たちの
熱狂的な声援に包まれた。
初回、ゴメスがいきなりビッグチャンスを迎えた。飛び込んで右アッパーを打つハメドに、
ゴメスの左フックがカウンターとなって炸裂したのだ。ガクンと腰を落すハメド。
ここぞとばかりにラッシュするゴメスの左フックが、カウンターになって何度も炸裂する。
サウスポースタイルの死角から入ってくるゴメスの左フックに、上体をのけぞらすハメド。
なんとかこのラウンドを持ちこたえ、笑顔で赤コーナーに戻るものの動揺の色は隠せない。
ゴメスのような鋭いカウンターを打つ選手と対戦するのは初めてなのだ。
2回、精神的に優位に立ったゴメスは珍しく慎重な戦いぶりを見せた。普段ならその旺盛な
闘争本能で勝負をかけるのだが、ハメドも強烈なパンチを持つボクサー、深追いはしない。
ハメドは本来カウンターパンチャー。挑発し、相手が打って来た所に逆にカウンターを決め
倒してきたが、自ら仕掛けて行かなければならない展開に戸惑いを隠せない。
時折いきなりの右フックを振るうものの眼のいいゴメスにヒットするはずもなく、逆に
カウンターを浴び追撃を許してしまう。完全にゴメスペースだ。この展開が終盤まで続き、
試合は"魔の"13ラウンドを迎えた。
精神的、肉体的ダメージで焦りの見えるハメドに対し、ややペースを抑えてきたゴメス。
このラウンド、とうとうゴメスがその凶暴な牙をむいた。
左フックの二段打ち、右の強烈なストレートでハメドをロープに詰めると流れるよなコンビ
ネーションでラッシュ。ガードすることなくウィービングだけでパンチをかわしていたハメド
もたまらずダウン。再開後、ハメドが最後の力を振り絞って右アッパーを打ったその瞬間、
待ってましたとばかりにゴメスはタイミング、角度とも申し分ない強烈な左フックをハメドの
顎に炸裂させた。
10分以上起き上がれないほどのダメージを受けたハメドは素直に完敗を認め、再起を誓った。
一方、2階級制覇を達成したゴメスは、ハメドとのリターンマッチを約束した。
魔の13Rや敵のアッパーにフックでカウンターなど今では無くなった、また実は一度も見せることのなかった夢の瞬間。面白すぎます!
168名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/04 01:14
166さん、面白ろ過ぎます。拍手。
169拳闘マシーン ◆D31Y1lgsVM :02/10/04 01:18
>>166
確かに面白い。ただハメドが落ち目とはいえもうちょっと活躍させてほすぃ。
全盛期のハメドでもう1本おながいします。
170名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/04 01:26
良すれあげ。
171フェネック ◆JkWBO/7L0A :02/10/04 01:38
ゴメスとハメドを対戦させるなんて斬新な考えですね。凄い!
172名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/04 01:41
時代を超越した仮想対決、これ面白いね。
クラス別ランキングについで良スレの予感・・・
173名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/04 09:08

ビニー・マーチンVSビニー・マーチン

10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 100
10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 100


ジャッジ三者ともフルマークドロー
174名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/04 10:26
ジャッカル丸山VSセレス小林希望
175拳闘マシーン ◆V9Vqiisq5Y :02/10/04 11:20
ナオトン×洲鎌
108ポンド 15回戦
具志堅用高 対 柳明佑

当日、朝の計量をリミット一杯でパスの両者。仕上がりは良好のようだ。
具志堅はシャーベットをゆっくり味わい余裕の笑みさへ浮かべていた。
一方、柳もこの日に備へサウスポー相手に130ラウンドものスパーを消化、親しい同胞の記者にはノックアウト宣言まで飛び出す気合いの入れようだ。
試合は序盤、フットワークを活かし具志堅が右リードで先制、柳の覗き見ガードの内側に左ストレートを決め優位に立った。
相変わらず、スロースタートの癖が抜けない韓国人だが右フックから得意の左ボディーアッパーで具志堅のレバーを狙う。
サウスポーの泣き所を攻められ、なかなかペースを握れない具志堅。被弾覚悟のボディー打ちで、柳のスタミナを消耗させ対抗。
中盤に入り柳がソナギパンチと呼ばれるショートの連打をピンポイントで打ち込み、具志堅の動きが一瞬止まると韓国応援団より「よいしょ、よいしょ」のかけ声がこだました。
しかし、足を使い、常にリングの中央を支配する具志堅。一進一退の打撃戦に観客は熱狂。どちらが勝ってもおかしくない内容だ。
12ラウンド、両陣営はともにゴーサインを指示した。体を振り接近して猛攻をかける柳。三段跳びのようにワンツーで加速しスリーで飛び込む具志堅。
そして最終回、クライマックスは突然訪れた。具志堅のワンツーが柳の顔面に好打!柳がぐらついた。手打ちながら連打で反撃する柳!
そこへ、具志堅の左ストレートが腹に刺さると、一瞬、間をおいて柳がうずくまった。弱気な視線で自陣を見つめる柳、金マネが怒鳴り散らしている。
生気の失せた顔で再開に応じるも、カンムリワシはまたもボディー!苦悶の表情で腹を抱える柳に主審はテンカウント。
両瞼を腫らし憔悴しきった勝者・・・まさに死闘だった。

177名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/06 13:00
おもしろい。良すれだね。
178ソクラテス九州 ◆XVUp.wHBSo :02/10/06 23:12
あの〜
ベニテスvsウィテカ
デュランvsセルバンテス
マンシーニvsガッティお願いします。
179ミケランジェロ東海 ◆6Q/sXcMvkg :02/10/06 23:15
マンシーニ対ガッティ単純明快なオモロイ試合になりそうだw
>>178
ベニテスvsウィテカ
デュランvsセルバンテス
の2試合はやってるだろ。
ちゃんと読めよボケ
181名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/06 23:18
辰吉VSハメド
坂本VSデュラン
ジャッカル丸山vs篠崎哲也
新井田vsリカルドロペス
レイレナードvsロイジョーンズ
182名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/06 23:19
ベニテスvsウィティカはもう書いた。

ここでは、リクエストされたカードはあえて書かないしきたりです。
>>178
仮想第2戦をあなたが考えて見せて下さい
184加藤☆まさる ◆KIN8f.Kzrc :02/10/06 23:38
WBC・IBF世界ミドル級王座統一戦
WBC王者“ザ・G-メン”ジェラルド・マクラレン VS
       IBF王者 バーナード“ジ・エキシュキューキュナー"ホプキンス

マクラレンはジャクソンを1RKOで変えりうちにし、その後も
短時間でKOの山を築いていた。一方のホプキンスも、
ようやく適地で王座を獲得した後、防衛を重ね安定政権を
築きつつあった。両者がぶつかるのには、丁度いい時であろう。
ホプキンスは試合前から相変わらず、暴言を繰り返し、マクラレン
の怒りは頂点に・・・しかしそこに落とし穴があろうとは・・・
1R・・・既に怒りが頂点に達していたマクラレンは、いつもの
ように1Rから倒しにかかる。駆け引きなど関係ないと、ばかりの
攻撃だ。そして・・・
ロングからのマクラレンのストレートがヒット!これにはホプキンス
も利いた。ダウンこそ免れるも、コーナーまで後退。あとはひたすら
マクラレンのロングパンチをあび続ける・・・
しかし、さすがはホプキンス、ガードから除かせるその瞳はまだ
死んではいない。じっと、事態の推移を伺っているようにも見えた。
マクラレンのパンチがホプキンスのボディに突き刺さる!苦悶の
表情を浮かべるホプキンスだが、ここでとんでもない暴挙に出た。
あきらかなローブロー!今度は逆に苦悶の表情をマクラレンが
浮かべる。当然ホプキンスに減点が与えられるが、死刑執行人は
まるで意にかえしてないようだ。それどころか、相手とともに
休憩が与えられたため、ホプキンスのダメージは回復しつつある。
試合再開後、さらに怒りが増幅したマクラレンは、さらなる
ラッシュ!しかし、ここでホプキンスは意外な行動をとる。
自分からしゃがみ込み、ダウンを宣せられたのだ。
立ち上がった後、1R終了。なんとホプキンスは時間まで計算して
自らダウンしていたのだ、どうやらホプキンスには判定勝利など
始めから頭にないらしい・・・
↑これ続きあるの?

【参考】
JBCルール第19章第67条
 試合中全力ファイトせず、もしくは故意の反則、悪質のルール違反等をした
ボクサーは、ルール第9条に基づき処罰されるほか試合報酬の一部または全部
を没収される
186名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/07 01:26
ロベルト・デュラン vs フリオ・セサール・チャべス
マジソン・スクエア・ガーデンがどよめいた。統一世界ライト級チャンピオン、
ロベルト・デュランが入場してきたのだ。挑戦者は一階級下チャンピオン、
メヒコのヒーロー、チャベスだ。
試合開始のゴングが鳴った。デュランが鋭いジャブを放つ。チャベスはガードをガッチリ
固め上体を揺する。お互いがクリーンヒットを許さない、緊迫したスタートだ。
3回、デュランが鋭いワンツーをヒットさせるもチャベスの固いブロックで追撃を絶たれる。
しかしチャベスもディフェンスが精一杯という感じでなかなか攻勢に転じることが出来ない。
デュランのスピードは明らかにチャベスを上回っている。
デュランペースで迎えた7回、波乱が訪れる。なかなかペースを掴めないチャベスがイライラ
を募らせ、強引に出てきたところにデュランの閃光のような右ストレートがカウンターと
なってチャベスのアゴに炸裂したのだ。腰からストンと落ちるようにしてチャベスダウン。
カウントエイトで立ち上がったチャベスを強引にロープに押し込んで連打するデュラン。
チャベスも必死にブロックするがこの回、明らかにダメージを負った。
12回、チャベスがこの試合初めてチャンスを迎えた。左フックの脇腹打ちから左のアッパーを
デュランのチンにヒットさせたのだ。普段ロープを背負うことなどないデュランだが
チャベスの執拗なアタックに珍しくロープを背負っている。
しかし眼のいいデュランは要所要所でチャベスのパンチの威力を瞬間的なヘッドスリップ、
スウェーで殺し、そしてクリンチ。クリンチしながらクルッと体を入れ替え、チャべスに
ロープを背負わせる。そしてクリンチ際に右アッパーを連発。
接近戦での技術はデュランのほうが一枚上だ。
最終3ラウンドはお互い一進一退の攻防を繰り広げた。チャベスの左フック、デュランの
右アッパー、右ストレート。攻守がめまぐるしく入れ替わるシーソーゲームに場内は興奮の
るつぼと化した。ややデュラン優勢の中、試合終了のゴングが鳴らされた。両者はお互いの
健闘を称え合い、抱きしめ合った。そして観衆は固唾を飲んでリングアナウンサーのコールに
聞き入った。
ユナニマスデシジョン・・・エーンドゥ スティル・・・・
187名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/07 17:29
三原 正 vs デュアン・トーマス

痛恨の王座陥落から再起した三原に、再びチャンスが巡ってきた。
相手はクロンクジムのテクニシャン・トーマスだ、派手さはまるで無いが
堅実なボクシングと本場で揉まれたキャリアは侮れない。
賭け率でも、30−1でトーマス有利であったし、実は三迫会長自身も
コッソリ大金をトーマスに賭けていた。
開始からトーマスの長い左が冴える、異常にリーチが長い。
しかし、対ハーンズ戦を意識していた三原は相手のジャブを封じるべく
右クロスを徹底的に磨いてこの試合に臨んでいた。右クロスから
距離を詰め乱打戦に持ち込もうという、単純極まる作戦が功を奏し、
しだいに三原ペースの展開に。
頬が腫れ上がりキツネみたいな顔になった三原だが、根性勝負となった
最終回、渾身の右を放つ、これがトーマスにサミング気味にヒット!
堪らず後ろ向きになるトーマス、戦意喪失と見なされレフェリーは
三原に勝利をコールした。
あわてて抗議するエマニュエル・スチュワード・マネだったが、レフェリーから
「サミングで獲ったタイトルじゃないか・・、今回はツイてなかったと諦めて
くれよ」と諭され撤退。
歓喜に沸く三原陣営の中で、三迫会長だけが複雑な面持ちだった。

188名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/07 17:33
昔の辰吉vsハメドだったら
見てみたいカードだよなぁ。
2人ともノーガードで顔つきだすシーンとか見れそうだ(w
189ソクラテス九州 ◆XVUp.wHBSo :02/10/07 21:26
ベニテス対ウィテカー 〜リターンマッチ〜

6ヶ月前、アメリカで行われた両者の第1戦は、僅差判定でウィテカーが
勝ち当時保持していた王座を辛くも防衛した。だが、この時の判定は大いに
議論を呼び、勝負の決め手となった韓国人ジャッジの採点(1ポイント差で
ウィテカーの勝ち)にホームタウンデシジョンの疑惑が残ったのである。
因縁の試合を前にして雪辱の念に燃えるベニテスは意気軒高で「ジャッジ
なんなんか要らないぜ、k0できめてやるからな」と自信に満ちた必勝宣言を
してみせた。超絶テクニシャン同士の戦いは、まるで闘牛を見るようだった。
予想通り、ベニテスは思うさま踏み込んで左フック、右ストレートを打って
出た。空振りではあったがウィテカーの顔をかすめて去った右ストレートには
間違い無く一撃必倒の気配が伺えた。かなりエネルッギシュな前進だった。
ベニテスが第1戦目の教訓を生かしブルの様に前進して打ち合いを挑み、
これに対して小柄な黒人はヒラリヒラリとかわしながら、パンチを突く。
この日のウィテカーは百戦錬磨のベテラン、ベニテスにとっても捉えにくい
標的だった。スタミナさえ続けばいつかは爆発するに違いないと見える右。
それに対しウィテカーは最初から左回りのステップを踏んだ。左へ左へ回り
ながら左を打っている。サウスポーの技巧派であるにもかかわらず、定石とは
まったく逆の動き。ベニテスはしきりに右のカウンターを狙っていた。
第1ラウンドを終えた時ウィテカーが意図するものを直感し戦慄した。
190ソクラテス九州 ◆XVUp.wHBSo :02/10/07 21:26
このサウスポーは自分から相手有利の左回りを敢行しオーソドックスボクサー
の対サウスポー用切り札とも言うべき右を誘い出しにかかってる。
そこへ左をカウンターする気でいるのだ。左へ動けばベニテスの右に正対する。
その危険をあえて冒して、これ以上無いカウンターを狙う。磨き上げた己の
技巧が危険をかえってチャンスにできるというタフな自信が無ければ絶対に
できないはずの作業。危険極まりない作業にほんのわずか手順の狂いが発生
した瞬間、あるいは張り詰めた精神が何かの弾みでバランスを失った時、
何が起こるか。戦慄したのはそれゆえである。「神経回路の伝送改善」に
ついて考え始めたのは7回以降だった。ウィテカーが左へ回る。左を打つ。
その時ベニテスは右を打つ動作をしていない。ビデオやフィルムをストップ
モーションにし精密に観察すれば顔の表情や肩の筋肉に右を打つ意図の兆しが
読めるかもしれないが、肉眼ではそれが現れる前にウィテカーの左が当って
いる。しかも、ベニテスが先に打っていないにもかかわらず、これが正確
極まりないカウンターと見える。つまり、「相手が自分の右の射程に入った、
正対した」とベニテスが視覚で捉え、頭脳が「今こそ右を打て」と指示を
発する。その指示が右腕の筋肉に達する前に、ウィテカーの左が
「心理のカウンター」となって命中するのだ。これを「神経回路の伝達の
スピードの差」と語っては、百戦錬磨の天才怪童ベニテスに対し酷に過ぎる。
191ソクラテス九州 ◆XVUp.wHBSo :02/10/07 21:46
この日のウィテカーのスピード、アジリティ、クイックネスが余りにも
みごとであったゆえに発生した、ベニテスにとっては悲劇的な経過
だった。あとはウィテカーのこの緊張の作業に、肉体的乱れが起きるか
というサスペンスフルな時間の連続である。そしてウィテカーはついに
一度として乱れず、崩れず12ラウンズ緊張の綱渡りを行い続けた。
驚嘆のほかない。

試合後ベニテスが答えた「私は・・・・私は混乱していた・・・」
思いつめたベニテスを混乱させたのは疑いもなくウィテカーの自信に
裏づけられた技巧だった。筋肉に合わせるのではなく、鋭く研ぎ澄ま
した心理のカウンター。テクニシャンと呼ばれるボクサーは数多いが
かくも無欠のテクニックを目撃したのは実にもう久しぶりの事だった。
勇気と知性、激しい自制心が演じたものの見事な技巧劇。
この一試合だけでウィテカーは史上最高のテクニシャンの名に
値する・・・・・・。
192名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/07 22:45
マンシーニ対ガッティーきぼんぬ
193名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/07 23:21
クリチコ兄弟対決きぼーん
194アマデウス大阪 ◆2//3.Wa3ME :02/10/09 01:09
マンシーニ対ガッティ

同タイプでありながら、ボクシングの質や密度はガッティのほうが濃いと思われる。
ガッティは乱打戦が多いため、防御が甘いように思われているが、実際はそうでない。
ガードも高く、接近戦でのショートも案外うまい。

対して、マンシーニは同じく乱打戦を得意とするが、顎が上がる悪い癖がある。
体を開いた上体での左フックも多く、カウンターの餌食になる危険性が高い。

というわけで、シュミレーションしてみよう。
両者、グローブを合わせて1ラウンド開始。同体格ながら肩幅の若干広いマンシーニが
リーチの長さを利点にジャブの突き合いではマンシーニに分がある。
しかし短期決戦をはじめから決めていた両者は、ほどなく打ち合いになってくる。
ガッティ得意の左ボディから顔面へのダブルがヒット!
しかしマンシーニは、丸太をかついでトレーニングした足腰の強さで、ふんばる。
勢いづくガッティにジャブを出会いがしらにヒットさせ、ワンツーもヒットさせ、
ガッティをたじろがせる。しかし!そのときだった。マンシーニがワンツーの
かえし左フックを放とうとした瞬間、がら空きとなったその顎にガッティの左が
見事なカウンターとなって炸裂!たまらず腰を落としたマンシーニは、必死に
後続打を防ごうとするが、またしても狙い済ました左ボディフックを当たられて
しまう。このあたりガッティはパンチを散らす技を持つボクサーなのである。
195アマデウス大阪 ◆2//3.Wa3ME :02/10/09 01:10
ソクラテスの文章はうまいな〜
ワシのはたどたどしい・・。
196名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/09 01:18
北潟谷−トラッシュ中沼
197名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/09 01:19
アマデウスもいい線いってるよ
198アマデウス大阪 ◆2//3.Wa3ME :02/10/09 01:24
つづき

ボディパンチをもらってしまったマンシーニは必死に後続打を
防ごうとするが、いかんせん顎が上がる癖がまたしても出てしまった。
この状態での打ち合いでは圧倒的にガッティが有利。
狙いすました左フックがマンシーニの顎をとらえ、たまらずダウン!

その光景はまるで、ガッティ対ガマチェ戦を見ているようだった。
199名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/09 01:29
アマデウス大阪−北潟谷

200うんこちゃん:02/10/09 01:31
200げとずざ
201加藤☆まさる ◆KIN8f.Kzrc :02/10/09 03:21
>>184 の続き マクラレンVSホプキンス 第2話

第2R、第3Rとも、同じような展開が続く。
ローブローこそしないが、追いつめられると決定打を浴びる前に、自ら
ダウンを選択するホプキンス。マクラレンの怒りは頂点に達しようと
していた・・・
そして、やってきた第4R。攻めるマクラレンにも既に疲れが見え始め
ていたが、さらなるラッシュをかけホプキンスを追いつめる!
ホプキンスまたもダウーン!!この試合4度目のダウンだ。しかも、またも
自らダウンを選択したように見えた。立ち上がったホプキンスであるが、
レフェリーは何かを言っている。恐らく「今度ダウンしたら、試合を終了
するぞ!」とでも言っているのであろう。それほど、お粗末なホプキンス
の態度である・・・
追いつめられたホプキンスであるが、マクラレンは最大のチャンスとばかりに
容赦のない攻撃をしかけてきた!危うし死刑執行人!!
しかしその時・・・
「ガクッ!!」なんと大きくヒザを崩し、リングの真ん中でよろめいたのは
マクラレンの方であった。ダウンこそ何とか免れたが、あきらかに効いている
ようだ。カウンター・・・ホプキンスの右クロスが火を噴いたのである。
やはり、ガードの隙間から見据えるホプキンスの瞳は死んではいなかったのだ。
この時を待っていたのである。マクラレンが疲れ、スキが現れる瞬間を・・・
キャリア豊富な死刑執行人は、自らそのチャンスを作り出していたのである。
恐るべし・・・ホプキンス!!
「カーン!!」第4R終了のゴングである。しかし今度は、救われたのは
一転マクラレンの方だ。
第5R、ホプキンスは最大のチャンスとばかりに、この試合で初めてのラッシュ
を見せる。しかし、マクラレンも最後の力を振り絞って、これに答えてきた。
すごい、打ち合いだ!この試合最大のハイライトと言ってもいいだろう。
しかし、ダメージを被ったのは明らかにマクラレンのように思えた。
なにせホプキンスは、時折クリンチや背中打ちを巧みに組み合わせ、決定打を
許さないのであるが、マクラレンはあくまで正攻法の戦いしかしなかった
からである。マクラレンの疲労はピークに達しようとしていた。
202名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/09 03:26
それでそれで!
203加藤☆まさる ◆KIN8f.Kzrc :02/10/09 04:39
第3話
第5R終了。コーナーの両者に目をやる。青コーナーのホプキンスは
余裕の表情。笑顔まで見せている。変わって赤コーナーのマクラレンは
一転険しい表情、セコンドと何かを言い合っているようだ。
「カーン!」第6R開始のゴングだ!しかし、マクラレンは立ち
上がってこない。セコンドが何かを行っている。ああっ!!
マクラレン棄権だ。疲労とダメージがピークに達しているので
あろう。セコンドはこれ以上の続行を危険と判断したらしい。
ホプキンスのTKO勝利、王座統一!!
苦渋の表情を浮かべるマクラレン。会場は大荒れで、リングの上に
物が多数投げつけられている。笑顔で勝者コールを受ける
ホプキンスにも、容赦なく物が投げつけられる。

試合後のインタビュー
マクラレン「勝ったのは私のはずだった。彼は汚い、あんなのは
ボクシングじゃない。私はあくまでボクシングがしたかった。
彼の試合はボクシングじゃない」
ホプキンス「何を言われようと、勝ったのはこの俺。どんな戦い
でも、リングの上では、最後まで戦っているのが勝者なんだ」
試合後、マクラレン側は、WBCに意見書を提出。
WBC及びネバダ・コミッションはこの試合を裁いた“U”レフェリー
に対して謹慎と罰金を科した。しかし、試合の裁定は覆うことはなかった・・・
204加藤☆まさる ◆KIN8f.Kzrc :02/10/09 04:39
後日談・・・
傷心のマクラレンは、この試合の後、減量苦を理由にS・ミドル
級への転向を表明。その後のことはみなさん、知ってのとおりである・・・
一方統一を果たしたホプキンスは、5年後下のクラスから上がって
きたスーパースタートリニダードを見事撃破!3団体を統一!!
ハグラー以来の3団体統一王者となったホプキンスは、一躍
アメリカンヒーローになったのである。

・・・・・・・人生とはなんとかくも切ないものなのであろうか・・・
205名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/09 04:43
>>204
ホプキンスを悪者にしすぎだろ!
206アマデウス大阪 ◆2//3.Wa3ME :02/10/09 04:44
みんなの文章は情景描写がうまいね〜
会場にいる、もしくはテレビを見ている様子を想像できる。

なんか悔しい…。
207加藤☆まさる ◆KIN8f.Kzrc :02/10/09 04:44
>>205 俺の作ったフィクションだから・・・
ホプキンスファンの方スマソ
208アマデウス大阪 ◆2//3.Wa3ME :02/10/09 04:46
ワシのマンシーニ対ガッティも読んでね!
209名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/09 16:52
アントニオ・セルバンテス vs 湯場 忠志

ベニテスに敗れたとはいえ、すぐ王座復帰・第二期王朝に君臨する「戦う
チャンピオン」セルバンテスは円熟のボクシングにより、依然として
中量級の強豪に違いなかった。かつて古山、門田の挑戦を一蹴してみせた
実力から、日本においても評価は高く、挑戦者不利は否めないのが現状だったが
千歳一隅のチャンスをものにすべく、日本期待のホープ湯場がタイトルマッチに
望んだ。「九州から世界王者を」と、あの山田センセイもリングサイドに駆けつけていた。

上背で王者を凌ぎ、端正な面持ちながら殺戮本能旺盛な挑戦者に期待が寄せられた。
初回、挑戦者は定石通りの左まわりでジャブを突くが、王者は落ち着いて
かわし、相手を見ている。
さすが歴戦の王者相手だけに、いつもと勝手がちがう。パンチの伸びは王者が
上で、たじろぐ湯場。決定打だけは許さないものの、自らのパンチをヒット
出来ない。
中盤、ペースを変えたい挑戦者陣営は積極策に出る。体格と若さにものを言わせ、
圧力をかけて出る、セルバンテスも強気に打ち合う、しなる身体からダイナミック
なパンチで応戦。善戦ぼ湯場、王者の右をテンプルに貰いダウン、そのまま
カウントアウトされる。

結局、経験と地力が若さと勢いを押さえ、貫禄のKO防衛。

試合後、傷心の湯場は山田センセイとの食事をキャンセルした。
126ポンド 15回戦
ビセンテ・サルディバル 対 アレクシス・アルゲリョ

スローカーブが内、外、外と続きカウントは2−1。左腕の投じた4球目は打者の胸元をえぐった。
手も足も出ない王。
しかし速度計のはじき出した数字はわずか142キロ。これが江夏の快速球の正体である。
この一方的な試合の結末を眺めながら、なぜか地球の裏側にある国で見た、野球の場面が思い浮かんだ。
序盤、アルゲリョは慎重だ。対するサルディバルは精力的に攻め立てる。ガードを堅め、ゆったりと接近し重いパンチを叩く。
しかしアルゲリョは冷静だ。大半のパンチをブロックし、拳の感触を確かめるように、敵の肩や鎖骨を痛めつけ心臓、首筋、みぞおちなど心肺機能を丹念に狙い撃った。
中盤、アルゲリョがプレスを強め始めた。それまで前に出ていたサルディバルが足を使いボクシングする光景が増えてくる。
タフでならすメキシコ人だが前半に被弾したパンチが予想以上に効いていた。
ジャブの戻りは遅くなり返り際にニカラグア人の強烈な左フックを浴びることが多くなってきた。
次第に赤い鷹の左目は腫れ、出血も見える。誇り高き戦士はあくまでも紳士的に戦うも、アルゲリョの前に為すすべがない。
迎えた14回、アルゲリョはスローなジャブ三発でサルディバルをロープに追いつめる。
さらに左フックをレバーに打ち込み、とどめは右ストレート・・・速い!左へ逃げようとしたサウスポーのジョーを矢が突き抜けた!
ロープにもたれかかるメキシコの英雄。主審のスローなカウントもむなしく、無情のタオルがスローモーションで舞っていた。
211名無しさん名無しさん@腹打て腹。:02/10/10 22:06
レナードとアームストロングきぼん。
108ポンド 6回戦
大橋秀行 対 大鵬健文

王者、野島への挑戦権をめざすA級トーナメント一回戦。
両者の参戦が決まり、しかも緒戦での激突が発表されるとファンは神様のいたずらを喜んだ。
試合前、主審の注意もそこそこに睨み合う二人の天才。会場はがぜん盛り上がりを見せ、殺気立つリングは聖域と化した。
初回、覗き見ガードの大橋は最軽量級とは思えない強打を武器にスピードスターに迫る。
高速のジャブを繰り出し軽快なフットワークでパンチをかわす大鵬。
お互い様子見の要素が強いがまるでスタイルは対照的だ。
3回に大橋が単発ながらも左右のフックで大鵬をぐらつかせれば、4回には大鵬が右ストレートをドンピシャのタイミングでガードの隙間に好打する。
大鵬の足を止めるべく、腹へパンチを集める大橋。大鵬は軽いながらもシャープな左で迎撃し、試合は最終回へ。
ポイントで有利と見た大鵬陣営は逃げ切りを謀る。しかし、じっくり焦らず追いかける大橋。
残り一分を切ったところで大鵬の足が止まってきた。詰め寄る大橋!強打を浴びせるがクリンチで凌ぐ大鵬!
大歓声がこだまする中、ついに大橋の主砲が火を噴いた!右ガードが下がっていた大鵬のこめかみに左フックが着弾する。
ダウンする大鵬!そこで終了のゴングが打ち鳴らされた。手数で大鵬、有効打で大橋か。
緊張する場内、判定は2−1のスプリットで150年に一人の天才を支持した。
213名無しさん名無しさん@腹打て腹。
う〜ん。どんどんあげていこう。