◇組み合わせて使用を 人、鳥インフルの関係を指摘−−ロバート・ウェブスター教授
人のインフルエンザと鳥のインフルエンザの関係を最初に指摘したのは、米セントジュード子供研究病院のロバート・
ウェブスター教授だ。来日した教授に新型インフルエンザ対策などを聞いた。
−−新型が出現してからワクチンができるまでには時間がかかるが、どうしたらいいか。
◆大流行に備えて鳥のウイルスをもとに作ったプレパンデミックワクチンと抗インフルエンザ薬をどう使うかが鍵を握る。
抗インフルエンザ薬は複数組み合わせることが非常に大事だ。新薬開発はもちろん、既存薬の組み合わせでも耐性を
抑える効果があるだろう。抗エイズ薬は四つの薬を使って効果を上げている。
−−他にはどんな備えがいるか。
◆米国では、H5N1型のプレパンデミックワクチンを備蓄し、H9、H7、H6でも準備を進めている。ただ、プレパンデミック
ワクチンにはリスクがあり、慎重な試験が必要だ。抗インフルエンザ薬の家庭での備蓄も有効だ。私の母国のニュージー
ランドでは処方せんなしで買える。
−−新型はH5N1型から出現するか。
◆人のウイルスはH1、H2、H3だけだという研究者がいるが、私は信じない。H5の次に可能性が高いのはH9だ。
過去の大流行で、どれぐらいの期間をかけて新型が出現したかはわからず、今も、どの段階にいるかはわからない。
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■ことば
◇治験
厚生労働省の認可を得るため、薬物の効果などを検定すること。第1〜3相の3段階があり、第1相は少人数の健康な
志願者を対象に、安全性や体内の吸収状況などを調べる。第2相は患者を対象に、治療効果や副作用を調べる。
第3相はより多くの患者で、詳しい薬の効果や標準的な使い方を確定する。
http://mainichi.jp/select/science/news/20090315ddm016040024000c.html