★オゲレツ盗作屋・田口ランディ監視スレPart4★

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218無名草子さん
217つづき

で、次に私は、よし、これなら刺激的だろう、と思って「テレフォンセックスコーナー」の方に移動してみた。するとまたしても
BGMが入る。やたら待たされる。
昼2時にテレフォンセックスをしたい男はいないのだろうか? と、いきなり「お相手が見つかりました」コール。わーどきどき。
「もしもし(早口でかん高い男の声)」「もしもし」「いまどこ? 」「神奈川ですけど」
ピッ。 なんだなんだ? と思ってしばし呆然としする。どうなってんだよお、と、またお相手募集の番号を押す。待つ。待つ。待つ。
やっとのこと「お相手が見つかりました」コール。今度こそと気合いを入れる。
「もしもし(若い男の声)」「はいっ」「いくつ? 」「は? ええとええと30……くらいかな(嘘)」
ピっ。 またしても一言もしゃべらないうちに飛ばされた〜っ。
つまりテレクラっていうのは、相手が気にいらなかったら、次の相手に飛ぶことができちゃうわけ。プッシュ一発でピッて。
ものすごい簡単よ。カタログをめくるみたいに人間をピッってね。このときね、あたしすごいショックを受けたの。
「ああ、テレクラではあたしはこの程度か〜っ」がっちょーーーん。 だって私はずいぶん長いことこんなふうに扱われたことが
なかったんだもの。つまり、私って存在を簡単に無視されちゃうなんて目にあったことがなかったんだよね。いちおう人と出会う
時は自己紹介して、それから会話があって、それでその先うまくいくもいかないもあっても、何かしらの心の交流みたいなもんが
あるんだって思ってた。
ところが、このテレクラの世界じゃあ、気に入らない相手を問答無用で消し去ることができるのさ。「ピッ」って。何の挨拶も
ことわりもなく。テレビのチャンネル換えるみたいに。で、あたし、消された。いとも簡単に。抹殺された。
大げさな話だけどね、もしかして今の若い子たちはこれが日常なのかって思った。怖いよ、こんな日常、私は堪え
られないよって。 「あーもう、うっとおしい奴。バイバイ」って、チャンネル換えるみたいに「この人パス、パス、パス」ってやれると
楽だよね。親もパス、上司もパス、嫌な奴はみんなパス。でも、私はテレクラ構造の世界はだめだ。だったらぐちゃぐちゃ
めんどくさいほうがまだいい。 あんな風にピッって飛ばされるくらいなら、人間関係に悩んでたほうがまだいい。テレクラ
受けしなかった負け惜しみもあるけど。私はカタログじゃないし、テレビの映像でもない、生きてる人間なんだから、そんなに
簡単に消すなよって思う。実態があるんだ。 ああやってカタログをめくるみたいに相手を見つけて、その相手とセックスしたら、
セックスしてもやっぱり実態は感じられないのかなと不思議に思った。ずっと、テレクラな感覚の延長線上に肉体も存在して
しまうのだろうか。 私を簡単に消す相手と私はどう向き合ったらいいんだろう。そんなことを必死で考えた。生身で生きていることを
証明する手段って、案外とないものだ。相手が私を人間だと感じてくれなかったら、私はただの木偶だ。
でも、私を感じてもらう方法ってあるんだろうか? そんなシンプルなことが、テレクラを体験したらわからなくなってしまった。
ランディ