日垣隆 氏について。

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225日垣 隆
>>224
224様へ。私(日垣)は、刑法を変えなければ、少年法をいくら小手先でいじっても、ほとんど何も変わらない、と一貫して言ってきたつもりです。そのことと、犯罪被害者を切り捨ててきた「少年法擁護派」を批判することは、矛盾しないと思います。
少年法は、刑法41条に基づく特別立法です。この41条および39条(心神喪失)の廃止を、私は誰よりも一貫して強く主張してきました。40条(聾唖者の犯罪は罰しない)は、1995年にすでに廃止されました。
また、224さんの考え方は、ゼロか百か、という議論の立て方に見えます。山崎パンを私はあまり買わないようにしている、ということと、防腐剤が食中毒を防いでいる事実(食中毒のリスク=命に関わる=より防腐剤のリスクのほうが比較にならないレベルで格段に低い)とも、やはり何ら矛盾しないのではないでしょうか。少しでも防腐剤が入っているのなら食べない、という人は、とんでもない大金持ちでもない限り、この現代社会では生きていけません。
防腐剤がなければ、およそクリームパンを駄菓子屋が扱うことなどありえませんし、後進国の子たちは今の何倍もの速度で食中毒死していくでしょう。日本でも、ばたばた死者が出るのは避けられません(冷蔵庫に入れているものも、みな24時間も持たずに腐ってゆきます)。私が注意を喚起したいのは、発光剤や発色剤のような、まったく消費者の五感を騙す、その必要性が皆無の添加物の追放です。発色剤や発光剤などと、防腐剤をどうしていっしょくたに論じることが出来るでしょう。
なお、日本にとって最大級の緊急課題であるはずの刑法改正については、7月10日発売の「文藝春秋」8月号に「異常と正常のあいだ」という文章を書きました。明晰な頭脳をお持ちとお見受けする224さんも、是非お読みいただきたいと思います。私の文章をほとんどお読みにならないで仰っているのだと思いますが、少年法の「改革派」には、刑法を根本的に近代化しなければ、いくら小手先で少年法をいじっても、少年の更生も被害者の救済も、そして再犯についても、断じて実効ある改善は望めない、という論陣を私ははってきました。
2ちゃんねるの質をより高めるためにも、事実でない印象や思い込みによる全否定を安易にしてしまうのは、新しいメディアを育てていこうとしておられる方々に、失礼なように思われました。

日垣 隆