築地市場 豊洲移転進める方針
東京都の石原知事は、移転の是非をめぐって論争が続く築地市場について、計画どおり江東区豊洲の土地を購入して移転を進める方針を明らかにしました。
計画の見直しを求めていた都議会最大会派の民主党は今後、移転に必要な予算の否決も辞さない姿勢を示すなど強く反発しています。
国内最大の魚市場がある築地市場には、75年前の建物が今も残り、耐震性や敷地の狭さに問題があるとして、東京都が江東区豊洲の工場跡地に移転を計画していますが、都議会最大会派の民主党は、
予定地から高い濃度の有害物質が出たことなどから、ことし3月の議会で土地の購入に必要な予算を凍結し、築地の今の場所に建て直すよう検討を求めています。
この問題で石原知事は22日、記者会見し「老朽化した施設では限界があり、豊洲への移転に全力をあげる。土壌汚染の問題は、先端の技術をもってすれば解決できる」と述べ、
今年度1281億円を豊洲の土地の購入費などに充て、移転に着手する方針を明らかにしました。また民主党が検討を迫っていた築地市場をいったん別の場所に移して、
今の場所で建て替える案については「順調にいっても十数年かかる。いたずらな対立は市民の利益にならない」と述べ、
4年後の平成26年中に移転を終える考えを示しました。これについて都議会民主党の大沢昇幹事長は、「知事が強引な移転にかじを切ったと感じる。来年度予算の賛否のなかで、
新しい市場の設計や建設の予算を認めないなど党としての態度を決め、強引な移転のブレーキ役を果たしたい」と述べました。25年間続いた築地市場の建て替えをめぐる論争は、
石原知事の決断で豊洲への移転へと大きく動き出しますが、都議会の民主党など野党各党は強く反発する姿勢を崩さず、築地市場の移転問題は来年春の都知事選挙の争点にも浮上する見通しとなりました。
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101022/t10014762991000.html