フジタ:「私が撮影していたから」高橋さん、解放遅れ推測
中国河北省石家荘市で軍事管理区域に許可なく侵入したとして取り調べを受けた建設会社「フジタ」(東京都渋谷区)の日本人社員4人のうち唯一拘束が続いていた高橋定さん(57)が10日帰国し、
同社で会見した。他の3人より解放が遅れたことについて、高橋さんは「私がビデオ撮影をしていたからではないか」と述べた。
冒頭、高橋さんは「国民の皆様に心配をかけ、申し訳ありませんでした」と緊張した表情で謝罪。帰国の感想を問われ「大変うれしく思っている。会社で妻や娘と会い、喜び合いました」と話した。
高橋さんらは先月20日、遺棄化学兵器の処理関連事業の調査のため訪れた石家荘市で、レンタカーから街の風景などを撮影し当局に拘束された。撮影をしていた高橋さんは、立ち入りを禁止する「軍事禁区」の看板に気付かなかったという。
高橋さんは「解放のあてがなく憂うつだった。もっと長くとどめられるだろうと思っていた」と、不安な気持ちを語った。3人が解放された後の取り調べについては「より好意的で、食事や運動などを勧めてもらった」と述べた。
会見に同席した土屋達朗取締役は、高橋さんの保釈保証金として5万元(約60万円)を中国当局に支払い、軍事管理区域と気付かず撮影したことについて始末書を提出したと明らかにした。
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20101011k0000m040055000c.html