「ユリイカ」の橋本治特集を読んだ。
どうせ、小谷野は「橋本治は文芸誌に爪弾きにされている。芥川賞・直木賞候補にもなってない」
とか、そういう文壇内輪ネタを中心に、だらだらとトリビアと感想を披瀝して終わりだろう、
と思っていたら、まったく思ってたとおりの内容で笑った。
しかし小谷野って勘違いしてるよね。
橋本は、小谷野のように「(純文学の)文芸誌の方が大衆小説雑誌より偉い」とか考えていないし、
そもそも純文学作家として自らを規定することもなかった。
小説家デビューしたときも、「純文学誌は真面目で暗いヤツがやってて、つまんなそう」と思って
小説現代に応募したくらいだからね。
確かに橋本の日本史やらに関する知識量はハンパなくてちょっと感動するくらいだが
(おそらく小谷野の100倍はあるだろう。プリンストン大学から教授職のオファーがあるくらい)、
だからといって、「文芸誌に書いてないから橋本は不遇だ!」とか書くのは、
あまりに文芸誌の権威に盲目的すぎないかね?