奇抜なことをやって、新しい創造物が生み出されることは、よほどの僥倖に恵まれないと、
ありえない。ほとんど偶然の産物といってよい。
あらゆる面で常識はずれなことをやれば、物語の隅々まで常識はずれなものになる。
常識はずれをやれば、論理必然、常識はずれな物語になるということだ。
それ以上、付け加える論評のないのが楊令伝。
19歳の頃すぐれた青年であったならば、40歳になればもっとすぐれた人物になる。
そのようにならないのなら、小説らしく、彼が人生を踏み外すことになったイベントを設ければいい。
そのような事情がないのなら、順当に成長するのが普通の小説だ。
常識はずれなことばかりするな。