北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十六章

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749無名草子さん
北方水滸伝はスタート時は、典型的エンタメ小説だった。腐敗した権力を民が倒すという構造も
そうだが、文体も古典的時代小説を踏襲していた。林冲の従者は、「あっし」という一人称で喋って
いる。どうぞ皆様、この小説で楽しんでくださいという謙虚さがあったな。
6巻あたりで魯智深が「権力奪取はきれいごとだけでは無理」ということを言い始めてから、「俺が
おまえらに教えてやろう」という、あつかましさが出てきた。
それでも50代の作者なんで、読んでいるやつはほとんど年下だから、それほど腹も立たない。
また、作中人物の晁蓋・宋江・魯智深等も、そこそこの年配なので、彼らが「教えてやろう」という
態度で読者に臨んでも腹は立たない。
ところが、楊令伝では、21歳の楊令というキャラを通じて、「俺が教えてやろう」という話になってきた。
腹が立たないやつはいない。