北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十六章

このエントリーをはてなブックマークに追加
723無名草子さん
文学的頽廃とは、いったい何であろうか。じつは、私は明確にその答えを出すことができない。
  本編の前半だけ四ヶ月に一冊ペースで書き、続編は三ヶ月一冊ペースで書くこと。
  大勢の登場人物を書き分ける煩を避けるため、主人公ひとりをすごい人にすること。
  性描写の増加。
 その種のものを、良風美俗の見地に立ってみれば、文学的頽廃と言える。文学的頽廃と判断を下して
動かぬ人たちも多いことと思う。しかし私には到底そういう判断を下す気持ちは起こらない。正式の夫婦
の正常位における性交以外は、すべて性的頽廃と見做され兼ねなかった時代が遠くに過ぎ去ったように、
将来において手抜きの復権が行われる予感を私は抱いている。
 そんなことを考えているうちに、いつの間にか、彼は青春の時期の楊令になっていた。肘を曲げて、軽く
女の腕に触れてみると、女は躯を避けようとしない。さらに深く曲げた肘で、女の横腹を擦り上げるようにして、
乳房を下から持ち上げた。乳房の重たさが、ゆっくりと彼の肘に滲み込んできた。次の瞬間、彼はその肘を
離し、躊躇うことなく、女の腿に掌を押し当てた……。