北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十六章

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702無名草子さん
楊令伝は、自分が属する現実世界よりも、閉塞感が大きいんだよね。精神を解放したくて小説を
読むのに、現実よりも閉塞感の大きい小説は読みたくない。
とくに楊令の作った新しい国。
現実世界の読者は、日本のどこにでも住もうと思えば住める。外国旅行だって、ほとんどの外国に
行くことが可能。
ところが、楊令の新しい国は、居住・移転を制限された不自由な国。
第1巻の青蓮寺の残党狩りも、閉塞感が大きかった。旧同志や二世たちは、宋には居場所がなくて
梁山泊に集まってきたという息苦しさがあったな。
いっそのこと、楊令伝は、鬱になるような面白くない話ばかりを集めた小説にすればいいのに。
宝くじが当たったり、恋人ができたり、事業が成功したり等々、現実世界では人間が浮かれてしまう
事態が起きる。あまれ浮かれすぎていると、周囲の人間に迷惑がられ嫌われる。そんな人が浮かれた
自分を引き締めるために、楊令伝を読んで鬱になる。こういう小説があってもいいかもね。