北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十六章

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701無名草子さん
物語のベーシックな底流が、楊令伝は面白くないんだろうな。
水滸伝、とくにその前半は、梁山泊に人が増え、拠点が増える物語だった。
「外→内」への“獲得”の物語で、そこから連想されるものは、財布にカネが増える、友人が増える、
コレクションが増える、お客が増えて商売繁盛等々のポジティブで嬉しくなるものばかり。
楊令伝は、この「外→内」への“獲得”の物語を詳述しない。新キャラは初めから梁山泊の「内」にいる。
外から来た花飛麟・穆凌・李英らも、気づいてみたら「内」にいて、「外」にいた時期は詳述しない。
領地を増やす第5巻の話は、「外→内」への“獲得”の物語として、もっとも面白くなるはずなのに、
梁山泊と無関係な方臘戦や燕京戦の話ばかりで詳述されなかった。
楊令伝は、いわば「内→内」の閉塞的な物語で、そこから連想されるものは、ヒキコモリや井の中の
蛙、大海を知らずといったネガティブなものばかり。
もっともネガティブな話だったのは、楊令の領土不拡大宣言。ここに至って、閉塞感・息苦しさが
頂点に達したな。