北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十六章

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698無名草子さん
大軍どうしの闘いを、大軍を構成する要素である小さな部隊や個人の動きにまで分解して、
文章で客観的に表現するのが面白いのか、という根本的な問題を考える機会になった。
楊令伝は、きわめて克明にフィクションの戦闘の一部始終を描写していったが、率直に
いって全然おもしろくなかった。
文章で表現して迫力のある描写ができるのは、1対1の闘い、まあ1000名以下の部隊
の運動の描写が限界だろうな。万を越える軍の運動をこと細かに描写しても面白くない。
戦略、戦術、戦闘の中で個人が考えたこと・・・。描写は、これらに限定すべきだった。
水滸伝でいちばん躍動感あふれる戦闘を読者に伝えられたのは、武松と虎の闘いだな。
兵数が増えるにしたがって、面白さは反比例していった。万を越える軍の闘いの描写は、
1対1の戦闘の拡大版ではなく、まったく別な観点から叙述すべきだった。