>>48 目の前をもやもやと覆っていた霧が一気に晴れたとは感じなかった。新聞連載の区分けにおける
最終回になってやっと眼が醒めるわけだ。そして、下克上の象徴である足軽が暴れまくり、最後の
5行で、「神も仏もあるものか」「まるできのうまでとはちがう時代に入りこんだような、別な人間に
うまれかわったような」と言っているだけなんだよね。ここをもう少し詳細にやっていれば、わかり
やすかったと思う。
ただ、九州から帰ってきた源四郎もこんな感じだった。現に唐天子の幻術に最初はかからなかった。
ここで生まれ変わったのかと思っていたら、また幻術にかかった。最後に唐天子を殺せばわかり
やすかったと思うんだけど、前半で殺したと思っていた指阿弥陀仏は死んでいなかった。
これらを総合すると、源四郎はこの先も幻術にかかるだろう、唐天子を殺しても、唐天子は死なない
だろうとしか思えないんだよね。