北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十四章

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643無名草子さん
>江南だけでも。まず、しっかりした国を作りあげることだ。そうすれば、隣国が靡いてくる。さらにその
>隣国も。天下は、奪るものでも作るものでもなく、時の流れの中でできあがっていくものではないのか?

楊令の富の力による中華の統一は、上述の李富の考えに似ているが、楊令のは、他国は独立を保った
まま、税の水準だけ梁山泊と同じになるというものだな。

12月号で楊令にこれを言わせればよかったな。楊令が言ったのは、こうだ。
「われわれが作り得る国の広さが、これだということだ。梁山泊軍が、いくら宋禁軍と激しく闘おうと、呼応
する民は現れなかった。いまの宋の領土を持つには、よほどの軍か、民の蜂起が必要になる。その両方
が、われわれにはない」
武力による統一を前提にして、現在の梁山泊にはその力がないと言っている。一度言ったことは消えない。
そのように言うつもりはなく、後で補充説明をしているというつもりだろうが、意図が伝わらないということは、
言ってしまったも同然だ。両者の矛盾を調整する必要があるのだ。
第2巻の幻王発言についても同じだ。そうように言うつもりはなかったということを本文の中で示す以外にない。
読んでいる方が矛盾と感じているのに、「楊令は女真にいたときから、新しい国作りのことばかり考えていた」
なんて書くのは、矛盾を拡大しているだけだ。