北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十四章

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636無名草子さん
>>628
楊令がどういう人物なのかは、あいかわらず謎だね。俺は、楊令は空っぽのバキュームカーなんだと思っている。
物語の大筋が見えてこない。あえていえば、「楊令はすごい」という作者の主観をぶちまけているだけ。
物語の基礎には、一行で語れる大筋がなければ、安定感がない。
水滸伝にはそれがあった。腐敗した宋王朝を倒すための梁山泊の闘い→最後は敗北。
楊令伝では、宋を倒すための戦いが、童貫を倒すための戦いに矮小化された。宋を倒したのは金であるが、
当初は明確であった楊令と金の関係が、靖康の変頃になると曖昧にされていた。
方臘の乱もなんのために長々とやったのか意味不明。あえて意味を見つけ出そうとすると、宗教では
倒せなかった宋が、梁山泊によって倒されたところが重要なのかもしれないが、ただ梁山泊の目標は、
打倒宋から打倒童貫に矮小化されているので、やはり曖昧さが残る。
燕京戦は強大な宋禁軍を二手に分割する意味しかないのだが、その後にやった童貫と梁山泊の闘いでは、
宋禁軍の兵力が燕京戦・方臘戦前よりも増強されていた。もう支離滅裂で、なんのために燕京戦・方臘戦
をやったのか意味がわからない。童貫戦後の迷走ぶりは、目を覆うばかりの惨状。もはや物語の体をなしていない。