北方水滸伝・楊令伝を語ろう第四十四章

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626無名草子さん
幻王のやった殺戮・強盗・誘拐は、1990年代のユーゴスラビア紛争で見られた「民族浄化」に該当する
事例とは少し異なるんだよな。異民族が対象ではなく、同民族である熟女真が対象なので。
しかし、形態は似ている。
「住民のうち従軍可能年齢の男性など、対象の一部を全て殺害する」
「民兵などが異民族の住居や店舗、事業所その他を襲撃し、暴行を加え、略奪する。殺害や強姦が伴うこともある」
熟女真の若い娘は山中にいた楊令直属の部下の妻にしたというから、「民族浄化」としての集団強姦に似ている。
「異民族の女性を拘束下に置き、大量強姦する。これによって兵士の士気を高めるとともに、女性を妊娠させる。
強姦は女性に対して極めて重大な精神的ダメージを与え、また敵の強姦による妊娠は異民族に対して大きな
不名誉と恐怖の感情をもたらす」
ここまでは幻王と同じ。その後が違う。
「女性らは妊娠後も一定期間拘束され、出産せざるを得ない状況になった段階で支配地域外に解放する。
これによって、さらに多くの異民族の自発的な退避を促すことができる」
つまり、異民族に対する民族浄化は、異民族を支配地域から追い出すために行われる。
幻王の強姦は、生女真と熟女真の民族融和のために行われた。
ただし、楊令自身は漢人であるから、自己の性欲を満足させるためだけに強姦を行っている。