724 :
717:2010/08/07(土) 00:40:25
>>720 つけたり。漢字の字形に興味があるのでしたら、江守賢治先生の本がおすすめです。
たとえば『解説 字体辞典』(三省堂)。普及版も出ていますが、これも品切かな。
教育現場の漢字指導がいかに的外れなものであるか、という問題が、よくわかる本です。
以上、全然推敲していないので、読みにくいかもしれません。乱文御容赦。
725 :
717:2010/08/07(土) 00:42:00
>>723 たぶん、阿辻先生のその発言の載った著作は読んでない。指教多謝。
726 :
無名草子さん:2010/08/07(土) 00:47:51
>>724 もう少し文字の歴史でおすすめない?
シャンポリオンとかがどうやって解読していったかとか。
文字の歴史-「知の再発見」とか気になったんだけど、知ってますか?
727 :
717:2010/08/07(土) 01:05:03
>>726 何度もごめんなさい。
「知の再発見」って、図版の多いやつですね。『モンスターの歴史』が最新刊かな。
新潮文庫に入った『ロゼッタストーン解読』くらいは読んだけど、そちらの方面は
あまり知らないです、ごめんなさい。ただ、解読の労苦はよく伝わってくる本です。
シャンポリオンの評伝が邦訳(二分冊)されたときもスルーしちゃったし。
あとは、文字全般に亙るもので、『世界の文字の図典』というのがあります。
昨年、普及版が出ました。これ、見た目はうさんくさいのですが、わりとしっかり
作ってあります。パラパラ見るだけでも楽しいと思うのですが…。
それから、三省堂の『言語学大辞典 別巻』が「世界文字辞典」という表題で出てます。
728 :
無名草子さん:2010/08/07(土) 15:43:29
音声学っていうか音韻学っていうのはないの?
昔は母はパパだったみたいなやつ。
高島俊男が少しだけ話しててそれ読んで面白かったからもっと読みたいんだけど
>>728 定番は、橋本進吉『古代国語の音韻に就いて 他二篇』(岩波文庫)。
青空文庫でも公開されてる。
もっとも、橋本の古代国語「八母音説」というのは、本当にそう言い切れるか
どうか、若干の問題あり。五母音説、六母音説、七母音説など色々存在してて、
「八母音説」は、音声的な相違を音韻レヴェルで処理しているという見解が
いまだに根強くあります。が、メインストリームは、いちおう「八母音」という
ことになっているんじゃないでしょうか。
他に、これが定説だと思ってしまってはやや危険な部分もあるけど、
小松英雄『日本語の世界7 日本語の音韻』(中央公論社,現:新社)。
また、アクセントまで含めてよくまとまってたと思うのが、
中条修『日本語の音韻とアクセント』(勁草書房)。
で、いまのところ、新書で思いつくのは、
森博達『日本書紀の謎を解く』(中公新書)くらい。
森先生はたしか「七母音説」を唱えていたと思うけど、この本で漢語音韻学に
ついて書かれたくだりは、なかなか勉強になります。
ただ、この本は暦の処理を誤っているという指摘もある。
そのあたりは専門ではないので、正否の判断ができません。
730 :
無名草子さん:2010/08/08(日) 22:21:35
731 :
無名草子さん:2010/08/11(水) 11:45:48
第一次世界大戦もののおすすめの本おしえてくだしゃい
732 :
無名草子さん:2010/08/14(土) 11:05:33
733 :
無名草子さん:2010/08/14(土) 17:36:06
このスレのまとめ係りってまだ生きてるの?
734 :
729:2010/08/14(土) 23:35:22
>>732さん。
>>616でおすすめを書いてみたんだけど、あまり評判がよくなったみたいです。
>>619などもいちおう私。
>>731 個人的には、バーバラ・W・タックマンの『八月の砲声』がおすすめです。
これも新書ではなくて、文庫の上下二巻(ちくま学芸文庫)なんだけど、
文庫になる前に一読、感歎した覚えがあります。各国首脳の動向が詳述
されていて、非常に明快だった。ノンフィクションかくあるべし。
735 :
729:2010/08/14(土) 23:39:41
>>734 ミス。
あまり評判がよくなった→あまり評判がよくなかった
そういえば、大昔に五来重の『高野聖』(だったか)を角川新書(絶版)で読んだけど、
なかなか面白かったよ。五来さんの本は、学術文庫などにも入っていますね。
736 :
729:2010/08/15(日) 00:00:17
>>730 >>717、
>>729などから大体察しはつくと思うけど、文字学(いわゆる小学)を主たる専門とした、
研究者の端くれです。メインストリームではありません。かなり末端のほうをちまちまとやっています。
737 :
無名草子さん:2010/08/15(日) 22:07:32
>>616って誰か評判悪いなんていったか?
評判悪いというより、定番本じゃん、その二冊は。
738 :
無名草子さん:2010/08/17(火) 11:52:51
末木文美士のは扱ってるのが日本ですよね?
インドの仏教とか維摩経とか「空」がどうのこうのとかそういうのが知りたいんですが・・・
>>738 山折哲雄の『愛欲の精神史』(全三冊、角川ソフィア文庫)がアレなのは知ってると思うけど、
おすすめと言われたら……。
とりあえず、岩波文庫の『仏弟子の告白』、『般若心経・金剛般若経』、『摩訶止観』(全二冊、品切)、
『碧巌録』(全三冊)など、スタンダードなところから読んでみられては如何。
この中では、『摩訶止観』だけは唯一読みとおしたつもりですが、むつかしかったです。
余裕がおありなら、池田魯参『詳解摩訶止観(天巻・地巻・人巻)』(大蔵出版)を手許に置かれてみては、
と思います。
そうそう、今思い出したのですが、廣澤隆之『図解雑学 仏教』(ナツメ社)は、七、八年前に読んだきりですが、
いろいろと勉強になったので、強くおすすめしておきます。
この図解雑学シリーズ、時々、侮れない本も出しています。最近のクリーンヒットが『図解雑学 日本の妖怪』。
一次文献からの引用も多くて、出色の解説書となっていました。
それから、これも文庫ですが、密教系なら、
宮坂宥勝監修『空海コレクション』(全二冊、ちくま学芸文庫)の解説がわかりやすくて、
色々と役立ったことを記憶しています。あまりお役に立てなくてごめんなさい。
740 :
無名草子さん:2010/08/17(火) 23:42:10
じゃヨーロッパ史でおすすめ教えてよ
741 :
無名草子さん:2010/08/17(火) 23:47:07
第一次世界大戦のおすすめといったら、山上正太郎の第一次世界大戦だな
743 :
無名草子さん:2010/08/20(金) 00:33:43
>>739 小学を専攻をしてるなら日本史にも詳しいそうだけど、おすすめの本ある?
今は中公の日本の歴史を読んでるんだけど
744 :
743:2010/08/20(金) 00:35:28
古代日本史、中世近世、近現代でそれぞれおすすめを教えてください
>>744 あまり参考にならないかもしれませんが、文献探索の一助として頂けるのであれば幸い。
近現代は岩波の「シリーズ日本近現代史」かな。でも、どれとは言わないけど、
著者がばらばらなので、巻によって読みにくかったりもする。
資料集としては、これは文庫だけど、『日本の百年』シリーズ(ちくま学芸)
はどうでしょうか。橋川文三の担当巻などは、独特な見解も示されていて、
今なお刺戟的です。ただし、いかんせん古い本を文庫で復刊したものですから、
ややステレオタイプな民衆観も垣間見えたりしますが、これは資料集としても
使えるので、かなり重宝しています。
中世は、文学作品を批判的に読解することで、あらたな歴史観を提示する、と
いう方途のものがけっこう好きで、高橋昌明『平家の群像』(岩波新書)などは
面白かったですね。文庫だけど、川合康『源平合戦の虚像を剥ぐ』(講談社学術
文庫)もよかった。それから最近は、これも新書じゃなくて選書なのだけれど、
現在第二巻まで出ている「選書日本中世史」シリーズもそこそこ評判がいいみたい
です。私は読んでないので何ともいえませんが……。
上と同様の理由で、新書ではないですが、金子拓『織田信長という歴史―『信長
記』の彼方へ』(勉誠社)もおすすめ。ボリュームもあって、それなりに値も張り
ますが、読みごたえがあります。加藤廣『信長の棺』を批判的に読む(といって
も、金子氏はこのような歴史ミステリに否定的ではありませんが)ためにも、
必読の文献であるかと思います。論旨もきわめて明快。
(続く)
(続き)
近世は、大石慎三郎が基本じゃないですかね。『江戸時代』(中公新書)、
『元禄時代』(岩波新書)あたりから読んでみられては如何でしょうか。
私は特に『江戸時代』に蒙を啓かれました。
文学に興味がおありなら、中野三敏先生の本が岩波や中公に入っている
のでぜひ。ハズレがなく、どれも面白いです(講義を受講したこともあります
が、さすがに明晰でした。といって、まわし者ではないので念のため)。
古代はなあ……。ともすれば夢見がちな内容になってしまうので……。
最近読んだのでしたら、森浩一『倭人伝を読みなおす』(ちくま新書)が
堅実で、好感がもてました。いわゆる「九州説」論者ですが、「畿内説」
論者が読んでも面白いのではないかと思いますね。
マイナーかもしれないけど、中村明蔵『隼人の古代史』(平凡社新書)
も従来の歴史観を読み替えようとする気概に満ち溢れていて、かなり
面白かったと記憶しています。
昭和史は個人的に好きなので、おすすめはたくさんありますが、とりあえずは
以上のようなところで。
でも、私もそんなに読んだほうではないので、もっといろんな方の意見を参照
されたほうがよいと思います。
金子拓『織田信長という歴史―『信長記』の彼方へ』(勉誠社)
勉誠社じゃなくて、勉誠出版でしたね。すみません。
近現代史に岩波はないだろ
749 :
無名草子さん:2010/08/23(月) 23:24:31
age
750 :
無名草子さん:2010/08/23(月) 23:38:32
近現代だと岩波は左寄りにバイアスがかかってるんだっけ?
ウヨサヨで判断するのは不毛。実証性で判断すべき。
752 :
無名草子さん:2010/08/23(月) 23:59:57
実証性って何だってばよ
円満字という人が出てるけど、こっちを読んでみようと思うのですが、どうなんですか。
『常用漢字の事件簿』(生活人新書)
755 :
無名草子さん:2010/08/24(火) 13:54:10
日本語の話になったとき、日本語の機嫌とかの大野晋の本を勧めてないけど、あえて?
大野晋って評判良くないの?
>>755 やはり晩年のタミル語起原説のイメージが悪すぎる。
若い頃の業績についてはよく知らんので知ってる人よろしく。
757 :
無名草子さん:2010/08/24(火) 18:10:31
俺にはヨーロッパ史のおすすめを教えてくれ。狩猟するためにいろいろ教えてもらえるとありがたい。
758 :
無名草子さん:2010/08/24(火) 19:42:35
言語学を専攻する俺からのおすすめは、
はじめての言語学(講談社現代新書)
言語学 第2版(東京大学出版)
言語学への招待(大修館書店)
>>757 まだ刊行途中の佐藤賢一『カペー朝―フランス王朝史1』(講談社現代新書)
はよかったです。おなじ著者の『英仏百年戦争』(集英社新書)も、たいへん
分りやすいのでおすすめ。
池上俊一『動物裁判』(講談社現代新書)。読むのに難渋するかもだけど面白い。
講談社現代新書で思い出したけど、菊池良生『神聖ローマ帝国』も明快で良い。
ヨーロッパ中世史をざっとお浚いしたい、ということでしたら、
佐藤彰一/池上著『西ヨーロッパ世界の形成』がよいかもしれません。これは一昨年
に文庫化(中公文庫)されました。
文庫クセジュは、毎月一冊ペースで出てるけど、ヨーロッパ史関連でいいのが沢山
出ています。エディゴフェル『薔薇十字団』、クレマン『東方正教会』、ユタン
『錬金術』など、定評ある書物が多くはいっています。
文庫になりますが、BIBLIO入りした際に松谷健二の『東ゴート興亡史』『ヴァンダル
興亡史』『カルタゴ興亡史』を読んだらこれが面白かった。純粋なヨーロッパ史とは
言えないかもしれないけど、エアポケットになってた「各国史」としては出色の出来
だったのでおすすめしておきます。
あと、中公新書の『物語○○の歴史』シリーズもたくさん面白いのが入ってますよ。
個人的には、「イタリア」篇、「ストラスブール」篇あたりがおすすめかな。
760 :
無名草子さん:2010/08/25(水) 20:41:01
全部知ってる本だった・・・
761 :
無名草子さん:2010/08/25(水) 20:43:56
何で大野晋には言及しないの?
あえてスルーしてるけど
>>760 あなたがおすすめしたほうがよいと思われ。
763 :
無名草子さん:2010/08/27(金) 11:43:34
小学を専門にしてるなら、参考文献をずらずら並べていってよ
阿辻哲次と高島俊男と
>>717ぐらいしか知らない俺におすすめの本を・・・
大野晋って日本語の世界じゃ触れちゃいけないタブーなのか?w
765 :
無名草子さん:2010/08/27(金) 21:48:14
大野晋は若い頃から秀才として知られた存在だったらしいな。でも、タミル語起源説を唱えた頃、
週刊文春で学者連中が大野を袋叩きのキャンペーンをやってたのを知って少し引いたな。
いくらなんでもタミール語起源なんてトンデモ学説だろ。優秀な頭があってもマル経やったり
基地外みたいな奴いっぱいいるよな。
766 :
無名草子さん:2010/08/28(土) 18:27:43
大野晋の話題に意地でも触れようとしないのな、ワロタ
>>764 そういうわけでもない。タブーというより、異端だからあまり触れないんじゃないかと思う。
たとえば、シナ文学における白川静の文字研究みたいな感じで(毛詩研究などは別)。
日本語の起原やら語原やらは、「泥沼」にたとえられることが多くて、吉田金彦なども、昔の
書誌学研究から語原のほうへ行ってしまったから、最近の著作は異端視されてる。
もちろん、大野晋だって、若い頃の『係り結びの研究』などは、今でもよく参照されてます。
そういえばこんな皮肉めいた綽名をあるひとから聞いたことがある、
「大野晋」は「だいや・しん」(大野心)、だって。
>>763 うーん。専門的なのをお望みなら、新書の範疇には収まらなくなります。
平山久雄、三根谷徹、遠藤光暁つったって、読む気にはならんでしょう。
もっとも、字形・字音・字義のどれに興味があるかにもよりますが。
それでも、こと字形に関してだって、印刷史やら書体やらを含むのなら、参考文献は厖大な量
にのぼるわけだし、具体的な関心分野をまずは聞かせてほしい。
768 :
無名草子さん:2010/08/30(月) 09:50:41
どっちかというと、字義、字形を中心に知りたいかな。
印刷史、書体はそんな最初から何でも手をつけるわけにはいかないし、まずは置いておこうと思う
769 :
無名草子さん:2010/08/31(火) 13:06:56
770 :
無名草子さん:2010/09/05(日) 00:33:23
過疎
771 :
無名草子さん:2010/09/05(日) 12:49:22
俺っちも小学の専門家だよ
772 :
無名草子さん:2010/09/06(月) 14:03:04
おすすめの仏教入門書ある?
スッタニパータ『ブッダのことば』(中山元訳)岩波文庫