日本語版ハリー・ポッターの不思議 part14

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8無名草子さん
4. スネイプの「僕を……見て……くれ……」(下p404)
原文は" Look ... at ... me ..."
最期にリリー譲りの緑の目を見るため、ハリーを振り向かせようと言った。
緑の目が黒い目をとらえた。と次の文にもあるとおり。
あたりまえに訳せば「私を…見ろ」「こちらを…向け」のようになる。
「僕を見て」だと、この時点でスネイプが普段の意識ではなくなっており
リリーの面影に語りかけたように感じられるため、最期の一瞬だけ
緑の瞳をちゃんと見て逝ったという原書の演出がぼやけてしまう。

リリーを思わせる緑の目に向かって「僕を見て」と言った解釈する人も多いが
それでは「こちらを向け」→「緑の目が黒い目をとらえた」という叙述の順番を
無視することになる。最初から目が見えていれば振り向かせる必要もない。
読者の混乱を誘うこのような脚色を加えたのはスネイプの普段の一人称を
使って「我輩を…見ろ」にすると、滑稽になるからではないかという疑いもある。

※スネイプが直前に「記憶」を渡しているので、それを「見て欲しい」と
いう意味だと思った人もいるようだが、"Look at me."は原則としてその場で
相手の視線や意識を引く言い方なので、そういう意味にはならない。