「天国からのラブレター」39〜41ページより
私は18歳の時に弥生と出会いました。私の住まいも、当時通っていた
北九州高専も小倉南区内でしたが、弥生が通う福岡工業短大は福岡市
郊外にありました。しかも、同じ北九州市でも門司に自宅がある彼女
は、いつも電車で小倉駅を素通りし、その先の福岡市内まで約1時間
半も掛けて通学していたのです。そんな2人は平成6年10月中旬、小
倉の居酒屋で開かれた”合コン”の席ではじめて会いました。弥生が女
友達に誘われて、そのコンパに参加していたのです。男女5対5で、
男性陣は高専のクラスメイト。女性陣は代理高校の同窓生つながりです。
しかも、その合コンに来ていた弥生の親友(中原さん=なか)と私は、
しばらく前からの顔なじみでしたので、コンパで座った私の席は2人
の隣になりました。蓋を開けてみれば、私と中原さんは、その合コ
ンをきっかけに交際を始めてしまったのです。コンパであった時の第
一印象では、断然、弥生のほうが私の好みのタイプだったのですが、
彼女にはその当時、親しく付き合っている男性がいると思いこんでし
まって、私は弥生を諦め、中原さんと付き合うようになったわけです。
高校時代からの親友だった弥生と中原さんでしたが、それ以来、弥生
ともすっかり意気投合してしまった私は、何かあると2人の仲間に入
れてもらうようになり……結局は3人で酒を飲んだり、ゲームに興じ
たりすることも度々となりました。
女同士とはいえ、2人はまるで漫才コンビのように面白い友達でした。
そこに、私が新たに加わっても遠慮はありません。中原さんがボケて、
弥生がツッこむといったパターンがしっかりできていました。それは
実に楽しい一時で、私達はいつも明るくキャーッ、キャーッとはしゃ
ぎあっていました。