>>237 石野雄一「ざっくり分かるファイナンス」光文社新書
を期待して読んだ。そして大きく失望した。
最大のトホホは第6章
MM命題→最適資本構成と話を進めているうちはいい。
最適資本構成よりも自己資本比率を高めるとWACCが高くなるし、
それよりも自己資本比率を低めてもWACCは高くなる、
ということはちゃんと書いてある。
これが格付けの話になると話がおかしくなる。
「『株主資本の割合が高い』ということは、
イコール『WACCが高い』ということでもあります。」(p216)
とか、、
株主資本比率を高くしておくと「自己資本の調達コスト(株主資本コスト)は、
ふつう負債コストよりも高いため、結果的にWACCが高くなります。」(p217)
とか書いてある。
これらはハッキリいって全然ダメ。
ここは初心者が如何にも間違いやすいポイントであるため、
きちんと書かなければならない。
(つづく)
>>258の続き
くわえて全体に、分かりやすいとはいえない点が多々ある。
例えば
■第1章
ファイナンスの枕のため会計の基礎に触れるのはいいのだが、
流動資産と固定資産の違いといったような、
ファイナンスと関係ない基礎知識に紙面を割いている。
■第2章。
ファイナンスでは利益よりもキャッシュが重要、
と真っ当なことをいいながら、
突然「企業の収入は税引後営業利益」(p113)といいだす。
これで読者が混乱しないほうがおかしい。
全くお勧めできない新書である。
アマゾンのカスタマーレビューで5点満点というのが理解できない。
もしかして俺の頭がおかしいのであろうか。