司馬遼太郎をあれこれ語る 19巻目

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63無名草子さん
権力の神聖装飾

山県有朋が、天皇制に、ロシア皇帝の荘厳さを持ち込んだ話は、あちこちで書かれている。
この話を中心に、それと同類の話、あるいはその対極にある話を整理したもの。
この稿で初めて知ったのは、司馬さんが新聞記者時代、昭和天皇と衝突した経験があるという話。
もちろんボンヤリしていて、躰と躰がぶつかったという間抜けな話。

冒頭いきなり豊後の竹田が登場。次に中川瀬兵衛が出てくるので、てっきり瀬兵衛の話かと
思ってしまうが、突然、この稿の主題は「○○○○」であると軌道修正してしまう。
アメリカの戦車は、素人でも操縦できるように、レバーやボタンに説明書がついていることを
どこかで述べていたが、司馬さんの文章は、その方式。
少しわかりやすすぎるのであるが、膨大な作品群を短時間で読もうとする読者には、親切な配慮かもしれない。
わやくしは、あまり好きではない。わかりきったことは、書く必要はない。