司馬遼太郎をあれこれ語る 19巻目

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177無名草子さん
箱根の坂 高見原

太田道灌の評価は高い。応仁の乱で活躍した足軽を、部隊に編成して集団戦法を考案した
最初の武将が、道灌ということになっている。
その道灌を上意討ちした上杉定正は、嫌な男として登場するかと思っていたのだが、意外に
扱いが良い。高見原の戦いで、早雲の寄親となるので、仕方ないか。
勇猛な武将として描かれている。当然のことだが、「南総里見八犬伝」の定正とは、ずいぶん違う。
高見原の戦で、上杉顕定の本陣に突入する寸前、馬が脚を折り、落馬したところを、敵に討たれた。
178無名草子さん:2007/09/06(木) 17:00:35
箱根の坂 三島明神〜箱根別当

小田原大森氏攻略を前に、三島明神に参篭する早雲。
頼朝が山木判官を急襲する前に、同社に参篭した故事に倣った。
能「春栄」を奉納する早雲。春栄役が荒河又次ではなく、荒木兵庫なのは何ゆえ?

早雲の小田原攻略の下準備は着々と進む。修禅寺住持隆渓(早雲のおじ)、
箱根別当海実(大森氏頼の実弟)が、西相模の国人の引き込みに、一役。
松田庄の松田左馬助らを寄子にする。

そんな折、甲州武田(当主は信縄)が駿河の辺境を侵す。
今川氏親の触れにより、早雲は籠坂峠に兵を出す。
179無名草子さん:2007/09/06(木) 18:56:08
箱根の坂 坂を越ゆ

「伊豆の人数が、相模の山々で鹿を逐ってもよろしいということでござるな?」
海実は、念を押した。
「安き事」
藤頼は、くりかえした。藤頼の武運が尽きたといっていい。