箱根の坂 秋の涯
高見原の戦(扇谷上杉と山内上杉の戦)。早雲は扇谷軍として従軍。
戦国時代の扉を開いた一代の梟雄のイメージでのみ早雲を捉えると、
足利成氏や扇谷定正に拝跪する早雲には、違和感があるだろうな。
将軍家の執事伊勢家の末流として捉えれば、自然かなと思う。
この小説の中では、早雲自身は、伊勢家の出であることを表には出さない。
しかし、足利成氏が伊勢家の者に会いたいというあたりに、早雲のポジション
がどういうものであったかが窺える。
最新の研究成果と、民衆が抱く早雲のイメージを、上手く調和させている。