森達也スレ 4

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215無名草子さん
>>212

661 :無名草子さん:2007/04/08(日) 12:49:32
以前、話題にあがった青沼論文が載っている「諸君」平成17年3月号を入手しました。
「言論界の"善男善女"」という特集の中で、青沼氏が森先生について書いています。
「『思考停止』しているのは世界ではなくあなたの方だ」と題されたこの論文、森先生の
オウム関連言説の出鱈目さを完膚なきまでに論破しています。

以下に引用していきます。

●「思考停止」しているのは世界ではなくあなたの方だ 引用No.1

 多種多様な意見や主張があって然るべきであり、またこれを堂々と語ることは、むしろ推奨
されるべきである。
 しかし、そこに嘘や曲解、事実誤認があってはならない。特に、現実に発生し、進行している
事象を捉えて、公にものを語ろうとするのであれば、なおさらである。そこには、自ずと発言者の
責任も生じるはずである。
 ところが取材をしていないのか、あるいは主張ばかりが先に立って、事実関係の裏取りを無視
しているのか、森達也のオウム問題に関する現実無視、事実誤認の曲解、思い込みによる
"妄言"は酷すぎると言わざるを得ない。幾多の雑誌、書籍、更には全国紙における発言は、
あまりにも現実とかけ離れている。
(この後、森先生の経歴や、オウムに関して新聞等に記事を書いていることの説明が続く。略)
 ところが、このオウム問題に関する発言には、あまりにも現実から逸脱したものが多い。特に
昨年二月の教祖・麻原彰晃(本名・松本智津夫)への一審死刑判決に前後しての活字媒体での
発言は、目を疑いたくなる。
 その主張の根幹にある提言が「何故、麻原に精神鑑定を実施しないのか」というものだった。
八年におよぶ裁判の中で精神鑑定が申請すらされないことに疑問を提示している。ことに、
判決当日にはじめて傍聴した裁判と被告人の印象は強烈なものだったようで、自著『世界が
完全に思考停止する前に』の中では「不思議の国の極刑裁判二〇〇四年二月十七日 
元オウム真理教教祖・麻原彰晃被告死刑判決」と題して、以下のように言及している。
216無名草子さん:2007/07/20(金) 23:23:03
●「思考停止」しているのは世界ではなくあなたの方だ 引用No.2
【同じ動作の反復は、総合失調症など精神的な障害が重度に重なったときに現れる症状の
一つだ。麻原の一連の表情や動作に、周囲との同調や関連はまったくない。つまり彼は、
自分だけの世界に閉じている。俗な表現を使えば、「壊れている」ことは明らかだった】
【もちろn、かれのこの症状を総合失調症と断定はできない。でも詐病の可能性を口にする
ならば、精神鑑定を実施すればよい。少なくとも彼の表層的な言動は正常ではない。
仮に演技ならばそれを見破ればよい。当たり前の話だ。ところがまるで暗黙のタブーのように、
誰もこれを言いださない。逮捕されてから現在まで、彼は一度も精神鑑定を受けていない。
通常ならば逮捕直後に実施されたはずだ。ところがなぜか為されなかった。誰も口にしなかった。
鑑定が万能とは僕も思わない。でもやらないよりはましだ】
 酷いものだ、と私は思う。
 このコラムの初出は本著でも触れているように『週刊現代』二〇〇四年三月二十日号である。
当時の掲載は、彼が連載を持っていた「週刊メディア通信簿」という文字通りメディア批評リレー
エッセイの「スペシャル」とされ、そのタイトルは『麻原を吊るせば、それでいいのか』というもの
だった。それを当時目にした段階から、その論旨の出鱈目に鳥肌が立ったことを記憶している。
217無名草子さん:2007/07/20(金) 23:23:35
●「思考停止」しているのは世界ではなくあなたの方だ 引用No.3
 そもそも、刑事裁判における精神鑑定とは、被告人の責任能力を争点として、犯行時の
精神状況を鑑定するものをいう。あくまで、犯行時の精神状況もしくは心理状態が問題なのだ。
 ところが、彼によると、判決時に法廷で見た被告人の様子が「壊れている」から、精神鑑定を
施すべきだとする。その時点で、まず事実誤認があり、彼の論旨は壊れている。しかも、この
事実を知らずか「暗黙のタブーのように、誰もこれを言いださない」と断じてしまうのには、恐れ入る。
 その上で、「通常なら逮捕直後に実施されたはずだ」と明言しているところをみると、逮捕直後
から彼のいう「壊れている」状態は続いていたと思っているらしい。「ところがなぜか為されなかった。
誰も口にしなかった」というのだ。もし、逮捕直後に精神鑑定が必要とされたのであれば、それは
すなわち犯行時も同様の状態であったことを示唆する。だとすると、八九年の坂本弁護士一家
殺害事件にはじまって、九四年の松本サリン事件、それに世界を震撼させた地下鉄サリン事件に
至るまで、麻原は延々と彼のいうところの「総合失調症」にあり、その下で前代未聞の組織犯罪が
なされたことになる。まして、彼が「A」の制作にあたってファインダー越しに覗いた教団信者も、
「壊れた」「総合失調症」の教祖に導かれて、あれだけの巨大組織を構築したことになる。
 では、公判における麻原の言動の変遷はどうか。
 森は、八年、二百五十七回にわたる裁判の最後の一回しか見ていないというが、私は初公判の
時から断続的に麻原の姿を見て来た。その前提でいう。
 初公判時の時の麻原は、「壊れて」などいなかった。明らかに裁判に身を挺して、むしろこれに
挑もうとしていた。証言台にしっかり立って、自分の意見を明言した。この時点で、「逮捕直後に
実施されたはず」の精神鑑定などあり得ない。
218無名草子さん:2007/07/20(金) 23:24:55
●「思考停止」しているのは世界ではなくあなたの方だ 引用No.4
 それが、尋常でなくなったのは、地下鉄サリン事件の検察側立証がはじまった直後だった。
いわゆる"師弟対決"と騒がれ、特に同事件の最初の謀議に参加した井上嘉浩(二審で死刑判決、
現在上告中)が、具体的にその場面を証言し、教祖の指示を明言したことにある。それまで、罪状
認否に於いて全ての起訴事実を「留保」していたにも拘わらず、井上に対する弁護側反対尋問
開始直前に、麻原は意見陳述を求め、「井上に対する反対尋問を中止して欲しい」と述べたのだった。
それも被告人席から丁寧に裁判長に意見陳述の機会を求め、しかも陳述にあたっての立ち位置を、
「ここでいいですか」
 とわざわざ証言台に身を置く必要性を自ら確認しているのである。それだけ、裁判の形式を
重んじていたし、森の言うところの「同調」の重要性を認識していた。
 もっとも、この時点で弁護側が被告人の意思を確認し、これを尊重していれば、今日あるような結末
には至らなかったと思うが、そもそも司法の手続きを自分勝手にねじ曲げようとしたところに麻原の
無理があった。そこへ来て、望んだ通りに井上証言は中止できなかったことから、既報の通りの彼の
不規則発言がはじまり、弁護人との意思の疎通を拒みはじめたのである。公判がはじまってわずか
半年後のことだった。
 更に半年後、彼が不規則発言で繰り返し求めていた意見陳述の機会が与えられる。それまで、
手続きを無視して来たのは麻原のほうだ。そこで彼は、英語による罪状認否を行い、「エンター
プライズの上にいる」と語ったのだ(因に、こうした事実は拙著『オウム裁判傍笑記』に詳述し、これを
森自身も読んだことを明言している)。
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