小説の匠(たくみ) 吉村昭スレッド2

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638ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
>>614のレスに対する>>617のレスは全く意味不明だ。
どこに「破船」のおっかあをカッコ悪いと書いてあるのか?

桜田門外とニコライは、テロを重要なモティーフのひとつとした作かと思う。
しかし、吉村作品ではテロよりも仇討ちを描いた2作「敵討」「最後の敵討」の方
が印象深い。この事は、やはり吉村作品の本質は「事件」そのものよりも
その中に生きる「人間」を描くことに主眼を置いていたからであろう。
この点で、何らかの「大義」という思想性が絡むテロよりも、
個人的心情をクローズアップし易い仇討ちの方が題材として適だったのではないか。

吉村作品らしからぬ私小説風「亭主の家出」は、あまり話題には出ないが面白い。
これはユーモア小説の傑作である。
吉村作品らしからぬという理由で手に取っていない者(私もそうであった)が
いれば、是非、一読してみて欲しい。吉村先生がこんな飄々としたおとぼけ、
かつ、エスプリが効いたものを書くとは驚きであった。
639無名草子さん:2006/09/25(月) 23:21:08
真打登場!