小説の匠(たくみ) 吉村昭スレッド2

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492ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
>「医学もの」では、天然痘の話がありましたね・・・・これは雪の花でしたっけ?
そう。時代や功績の違いもあるのだろうが、「白い航跡」等に比較して短か過ぎかも。
もう少し書き込んでもよかったかと思う。
>「虹の翼」というのがあります。ライト兄弟より前に飛行器をつくり僅かに飛んだ
>という話
これもほとんど話題に挙がらない地味な作だが、なかなかの佳作である。
主人公二宮忠八が単なる飛行狂いのヒコーキ野郎ではなく、本業のビジネスもきちんと
務め上げる真っ当な社会人であるのも、尚更感動を呼ぶものがある。
この作品、読む前には、なぜか江戸時代の岡山のヒコーキ野郎として有名な表具師幸吉
の話かと思い込んでいた。幸吉の場合は飛行に入れ揚げた挙句に藩の不信を買い、
処罰(所払いとの説が多い)されてしまったそうな。
こちらは、新田次郎が「鳥人伝」という作に書いている。
時代の違いはあれど、吉村先生好みのキャラはしっかりと地に足が着いた忠八かと思う。