6 :
無名草子さん:04/10/10 12:30:41
5>本はでていますか?
>>1 本を買うまでもないだろ?
厳頭之感
悠々なる哉天襄、遼々なる哉古今、
五尺の小躯を以て比大をはからむとす、
ホレーショの哲学ついに何等のオーソリチーを値するものぞ、
万有の真相は唯一言にしてつくす、曰く”不可解”
我この恨を懐て煩悶終に死を決す。
既に厳頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし、
始めて知る、大いなる悲観は大いなる楽観に一致するを。
8 :
無名草子さん:04/10/10 14:41:38
なぜあなたにそれがわかる?俺は本を『買いたい』のだ。買うかどうかの決定権は俺にある。
藤村泉
嬋々たるかな阿嬢。娼々たるかな松子。
堕落の学生をもってこの女をはからんとす。
ホレターの色学ついになんらのオイヨロシイーを得たるものぞ。
野郎の懸想はただ一言にして悉す。いわく「不及恋」、
われこの恨みを懐いて煩悶ついに死を決するに至る。
すでに巖頭に立つにさきだって胸中衡気の外あるなし。
はじめて知るなる法螺は大いなる売名に一致するを
12 :
無名草子さん:04/10/10 22:28:07
現代誤訳して!
世間は広いんだよな。で、歴史ってのも奥が深いんだわ。
俺はチビで頭の中も空っぽだけど、それでもそれを勉強しようとしたんだよ。
で、俺なりに世の中の仕組みってのを捉えたんだけど、これがありきたりってやつでね。
結局のところワケワカメってしか言えんのだわ。
これから華厳の滝に飛び降りるんだけど、あんまりドキドキしてないぜ。
ま、落ち込むところまで落ち込むと、案外気楽なもんなんだってわけさ。
14 :
無名草子さん:04/10/10 23:20:36
アリガトございます!
い、いや現代誤訳なわけで。
俺は司馬遼と古今集を読みながら天丼を悠々と食った。
小柄な俺には大盛りはちょっときつい。
ほうれん草の漬け方に関して一家言を持った店主はいないのか?
正直、この味付けを評すると不可の一言に尽きる。
頭に来てレジの前に立った時に文句を言ってしまいそうで、ちと不安。
行列のできる店に美味い店はないと、やっとこさ気が付いた。
宮武外骨って凄いな。
似非知識人にはこんなこと出来ねーよ。
19 :
無名草子さん:04/10/11 12:46:35
宮武外骨について教えてください!
20 :
無名草子さん:04/10/11 22:50:46
>>17 なんだ外骨か。
わたしゃ、この板にも凄い才人がいるもんだって感心
しちゃったのに〜。
このヒトって、学生んとき飛び込み自殺して遺書が有名になった
ってダケで、特に著作ってないんでしょ?自殺当時、中学校では
漱石の教え子だったてのは、どっかで読んだが。
あるよ
本があるということですか?
もう少し主観的に踏み込んだ訳。
宇宙は広く、時間は連綿と続いている。
その背後には、”宇宙存在の必然”とでもいうべきものが
あるように思われる。
もしそれがあるならば、私は真理に沿って生きよう。
そう思い、私は真理を知ろうと思索を巡らせた。
しかし、劇作『シェークスピア』の中で、ハムレットがホレーショに向かい、
「この天地の間には、哲学で無想される以上のことがあるんだよ」
といった言葉をヒントにしても、たどり着く結論は同じだった――
宇宙存在の必然は、ない、となる。
しかし、必然も無く、なぜ存在するのか。
で、あとは
>>13 さんの訳に続く。
結局のところワケワカメってしか言えんのだわ。
これから華厳の滝に飛び降りるんだけど、あんまりドキドキしてないぜ。
ま、落ち込むところまで落ち込むと、案外気楽なもんなんだってわけさ。
>>24 ども13です。
あとから自分のを読み直して、五段目の
「われこの恨みを懐いて煩悶ついに死を決するに至る」
を見落としてるのに気がついちゃった。
これも含めて24さんの主観的訳の続きを読みたいです。
では。
>>24の続き。
不可解といわねばならない。
ところで、宇宙内の一切が必然性という真理で説明しつくせようとも、
宇宙存在自体の必然性が無いのなら、その上に構築された必然性も結局、
砂上の楼閣でしかない。
私は、宇宙存在の必然が無いと分かった以上、
自分が(必然性として)生きている意味がないことを悟った。
その心境で、宇宙の存在理由、自己の存在理由を探す期間は、
煩悶以外のなにものでもなかった。
しかし、宇宙存在の必然性という究極的なのぞみを完全に絶望し、
自己の存在が無意味であると悟ったときに、
この究極的に絶望することが、逆説的に大いなる希望であることに気が付いた。
今、岩頭に立つに及んで、私には一切の不安はない。
27 :
無名草子さん:04/10/12 23:53:04
おお、いいよいいよ〜!
28 :
基地外:04/10/19 20:31:16
藤村操の辞世の句って出版されてんの?でてたらタイトルと出版社教えて栗。あの人はオラの考えとよくにとる。
29 :
無名草子さん:04/10/20 00:19:59
30 :
無名草子さん:04/10/20 12:07:35
残念だねぇ。オラはまだ死ねないんだよぉ。
呉英智が少し触れてた。他に円谷幸吉や普通の老婆の遺書とかにも。
一つは、つまらない毎日が「延々と続くことの繰り返し」、もう一つは、
「僕たち一人一人が無力で、いてもいなくてもどうでもいい存在」であること。
この二つの要素がある現代では、「もうただ生きてることに大した意味はない。
もしかしたら生きてるんじゃなくて、ブロイラーみたいに生かされてるだけ
なのかもしれない。だから適当なところで人生を切り上げてしまうことは」
あってよい。「自殺はとてもポジティブな行為だ。」鶴見はそう言う。(略)
鶴見済のこの言葉やこれに反応した読者の青少年には、
意外なことに、この本に顰蹙し反発した教育関係者と同じ近代的な
人間観が読み取れる。誰の人生も輝かしく、重要な意味があり、
世界も歴史もそれを祝福しているはずだ、という人間観である。
だから生命を大切にしよう、自殺はいけない、
というのが教育関係者たち。だからつまらぬ人生を切り上げよう、
自殺はポジティブだ、というのが鶴見たち。
どちらにしても、何という思い上がりだろう。長い人生のうち99%は
輝かしいはずがないし、さして重要な意味もないし、世界も歴史も一個人の人生
を祝福してくれるわけはない。
ただ、長い人生のうち1%ほどは何がしか輝いて見える日もあるだろう。
世界や歴史にとってまるで意味がなくても、ごく身近な友人や近親者には何かの
意味はあるだろう。人はそのようにして生きているのだ。
この思い上がりは、実は藤村操にも共通している。歴史や宇宙にただ独りで
対峙しているという自意識である。それでも、藤村と鶴見済たちを厳然と
分かつものがある。矜持だ。藤村はぺダンチックな美文の「厳頭之感」を残し、
それは新しい時代の自意識の象徴となった。そこには矜持があった。
時代が下がり、この自意識は民主主義的に万人が持つようになり、
豊かさの中でさえぎるものもなく肥大した。
35 :
無名草子さん:04/10/20 19:42:16
あぁ…ぃいよ、いいよ!
36 :
無名草子さん:04/10/20 19:45:28
矜持というが、その中には鼻持ちならないエリート意識が内包されていた。
37 :
無名草子さん:04/10/20 20:04:34
俺のこの気持ちどうにかなんないかなぁ。なにもかもがくだらなく見え何もかもがくだらなく感じてしまう。宮沢賢治を読むと心が少し和らぐのだが…
38 :
無名草子さん:04/10/20 20:17:09
>>37 サザエさんを読め。
市井の安楽を受け入れるのだ。
39 :
無名草子さん:04/10/20 20:50:29
他にお薦めは?
40 :
無名草子さん:04/10/21 01:49:39
「日本のハムレットの秘密」斎藤栄
これを読めば謎が解ける。
41 :
無名草子さん:04/10/21 02:42:36
>>31-33 俺、以前それを立ち読みしたときはそうだよなぁと思ったけど、最近
なんか違うんじゃない?と思うようになった。
42 :
無名草子さん:04/10/21 02:48:35
呉さんの文章を読むといつも同じ感想をもつんだよな。
この人は曲解して相手の論理的破綻を拡大させることにしか
興味ないのかね、と。
43 :
無名草子さん:04/10/21 02:53:49
まぁ、そういう論理的曲芸が彼の持ち味なんだから、なるほどねって楽しめば
よろしいんではないんでしょうかね。
呉さんは、何でも近代の民主主義的自意識に結びつけちゃう仕事で
メシを食ってるんだろうから、呉さんお仕事がんばってくださいと
言うしかないけど。
45 :
無名草子さん:04/10/21 09:46:34
なるほどね。
46 :
無名草子さん:04/10/21 15:11:20
今学校のパソコンの授業で厳頭之感について調べてたんだが以外と短いんだな。てっきり俺は本になるくらいまで長いと思ってたんだが。ところで藤村操の手紙って本の内容知ってる人教えてくんろ。厳頭の感は含まれてるのかな?
47 :
無名草子さん:04/10/29 19:15:39
頑頭之感・・・
48 :
無名草子さん:04/12/02 17:48:00
藤村操ってなんかかっこいいよね。
49 :
無名草子さん:04/12/03 01:28:31
理想主義だしね。かっこいいよ。
50 :
無名草子さん:04/12/29 08:23:08
あ
51 :
無名草子さん:04/12/29 08:35:06
哲学風エッセイを書く池田晶子が藤村のことを書いてたな。
内容はあいかわらずアホくさかったけど。
『青春の文語体』(安野光雅編著、筑摩書房)に
「巌頭の感」全文や経緯、失恋の話等が紹介されている。
53 :
無名草子さん:2005/03/23(水) 15:54:14
斉藤栄「日本のハムレットの秘密」は面白かった。
age
55 :
無名草子さん:
厳頭之感
悠々なる哉天襄、遼々なる哉古今、五尺の小躯を以て比大をはからむとす、
ホレーショの哲学ついに何等のオーソリチーを値するものぞ、万有の真相は
唯一言にしてつくす、曰く、「不可解」 我この恨を懐て煩悶終に死を決す。
既に厳頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし、始めて知る、大いなる
悲観は大いなる楽観に一致するを。
藤村操(1903/5/22)