「本の本」について語りましょう。
書評・読書論・書誌・古書エッセイ・読書録・探書記・蔵書自慢
――何でも御座れ。
5げっと
ゲスナー賞
ttp://www.yushodo.co.jp/gesner/ 雄松堂書店の主催する、書誌・索引、本の本について、
「高い志と熱意あふれる優れた作品を表彰し、その著作や研究活動を応援」するものです。
審査員には綺羅、星の如く紀田順一郎、高宮利行、林望の各氏が名を連ねて居ます。
「本の本」部門
第1回
金 賞:『書物の森へ 西洋の初期印刷本と版画』(佐川美智子[ほか]編 町田市立国際版画美術館 1996年刊)
銀 賞:『Thomas Creede: Printer to Shakespeare and His Contemporaries』(山田昭廣著 明星大学出版部1994年刊)
特別賞:『アレンツ文庫世界たばこ文献総覧』(アレンツ文庫翻訳委員会編 たばこ総合研究センター 1992-1997年)
第2回
金 賞:『愛書狂』(鹿島茂著 角川春樹事務所 1998年)
銀 賞: 該当なし
第3回
金 賞: 該当なし
銀 賞:『印刷に恋して』(松田哲夫著 内澤旬子(イラスト) 晶文社 2002年)
銀 賞:『子どもの本の歴史−写真とイラストでたどる』(ピーター・ハント編、さくまゆみこ[ほか]訳 柏書房 2001年)
銀 賞:『ヨーロッパ中世古文書学』(ジャン・マビヨン 著、宮松浩憲 訳 九州大学出版会 2000年)
特別賞:『印刷博物誌』(印刷博物誌編纂委員会 編 凸版印刷 2001年)
第4回は現在応募受付中 → 締切は2005年7月31日(息の永い!)
リチャード・ド・ベリー『フィロビブロン -書物への愛-』古田暁訳 講談社学術文庫(品切れ) ほか
>「書物はマンナを入れた黄金の壷、生命の乳の満ち
>る乳房…」。“愛書家の聖書”と呼ばれ、中世のベ
>ストセーラとなった本書に、ド・ベリーは書物への
>燃える思いを吐露する。なぜ書物を愛するのか、無
>知や拝金主義、戦争がいかほどまでに本の敵である
>か。14世紀の英国で聖俗の最高位を極めながら、
>写本の蒐集保存に生涯を捧げた著者が贈る読書家の
>心得。活写された修道士の生活ぶりが微笑を誘う。
(裏表紙より)
「二足の獣」のくだり(4章)は有名でとても面白く読みましたが、
私が一番の感銘を受けた箇所は1章に在りました。
>書物はひそかに教えてくれる。書物には何一つ恥じずに、
>安心して無知の貧困をさらけだせる。書物は棒も苔も持たず、
>怒りのことばも知らず、着る衣装も金銭もない教師である。
>会いに行って寝ていることはない。質疑に対し身を隠し、
>こちらのまちがいに声をあげず、無知を笑わない。
聖書に関する知識があればより深く全篇が理解されそうです。
なお原語(ラテン語)版、英訳版がWEB上において見ることが出来ます。
ttp://www.thelatinlibrary.com/debury.html ttp://sailor.gutenberg.org/etext96/phlbb10.txt
恥ずかしながら、「本の本」を読んでるほうが本を読むより好きかもしれない。
小林信彦「小説世界のロビンソン」目黒孝二「活字三昧」なんかがお気に入り。
前者は小説論で「作家の誠実さ」について語った部分は感動モノ。「富士に立つ影」
という超面白小説を紹介してくれたことでも忘れ難い。
後者は読書エッセイ。読書欲が減退した時はこれを読むと面白いように回復する。
古書について、
出久根達郎氏の"エセイ"などは、とても楽しく読みました。
内容に加え、その文体にも愛着が在ります。
最近の、氏の動向は好く知りませんが、なんぞトピクスが在りますでしょうか。
>>9 >「本の本」を読んでるほうが〔略〕
私に於いてもその傾向が顕著です。
このことには何をか知らん、問題が在るのか、
何故にして或る種の後ろめたさを感じるのでしょうかね?
田中菊雄『現代読書法』講談社学術文庫(品切れ)ほか
「強烈な個性と、書物愛の精神にあふれている(「解説」紀田順一郎)」
学術文庫スレッドへも書き込みましたが、とても好い本であると想います。
著者は『岩波英和辞典』の主編者として有名です。
元版の発行が1942年とは想えないほど、内容の殆どが古びて居ないことには驚かされます。
東西の先人の言、自身の体験、書物への深い理解と愛情が、読者へも親しみを込めて綴られて居ます。
巻末の人名・書名索引は有用です。 しかし絶版は惜しい。
「読書! 読書! 私たちの世界は何とひろいことであろう(第26章「古典と新書」)」
スレのスレ