■□ スティーヴン・キングPart4 □■

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713書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw
836 :書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw :03/12/06 12:26
インテリゲンチュア・イン・ジャパン90年5月号に掲載された
キング「呪われた町」に関する書評の一部を紹介しておきましょう。

ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」に対するオマージュとも言える
ホラー大作。パロディではなく、正面からバンパイアの恐怖を描いて間断するところが
ないストーリーは、一読巻を置かせないものがある。
アメリカ東部の架空のスモールタウン(セイラムズ・ロット)を舞台に
多彩な登場人物が織り成す人間模様、そして町の盛衰は、
あたかも一巻の大河ドラマを見る趣もある。
町名セイラムズは、言うまで無く、魔女狩りで有名なセーラムにちなんだ
ものであろう。
古典かつ原典とも言える「吸血鬼ドラキュラ」と読み比べると、面白さが増す。
ヒロイン役のスーザンやヘルシング教授役に相当するマットの途中退場は意外感がある。
もっとも冒頭から、主人公(作家ベン)と少年(マーク)が生き残ることは明らかに
されているため、吸血鬼との戦いによるサバイバルの興味を薄める構成にしてしまったのは残念。
文庫本解説の最後で触れられているキングのある種の暗い余情をたたえた文体が、
翻訳においても本作のラストでは遺憾なくその効果を発揮しているようである。
714無名草子さん:03/12/08 06:34
初めてのスティーヴン・キングで『グリーンマイル』読みました。
映画『ショーシャンクの空に』も大好きです。
同じ刑務所ものだし、感動してちょっと泣けてしまって、
物語は読み易くっていいなあと思いました。
できればブラッドでしたっけ? パーシー並みにひどい目に遭って欲しかったです。

私はホラー映画ってダメなんですけど、それは映像が見る人を
ビビらせるからだと思うんですよね。私の場合は。
で、小説の場合、文字で怖がらせるってどんな感じなのか味わって
みたいなと思い、キングを読んでみたのですが、
『グリーンマイル』は怖い思いをしませんでした。
想像力がないんですかねえ。感動の方がでかかったです。

次に私は何を読めばいいでしょうか?
文字での恐怖体験をするにはキングのどの作品がおすすめですか?
『グリーンマイル』よりは怖めでお願いします。
(ショーシャンクとスタンドバイミーもいずれ読みますので、
 今回はそれ以外で、、、)

715無名草子さん:03/12/08 08:49
「ミザリー」にいきましょう。
716書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw :03/12/08 12:34
スティーブンの最高傑作というにとどまらず、歴代ホラー中のベスト5級の傑作との
評価もある「シャイニング」に関して少し書いておきましょう。
本作は、0市で開催されたインテリゲンチュア・イン・ジャパン第1回読者大会に
おいて歴代ホラー小説ベスト作品セレクションにおいて第2位に選出されています。
(1位はブラッティの「エクソシスト」)
セレクションに参加した識者の選評をいくつか拾ってみましょう。

・ 前作「呪われた町」が「吸血鬼ドラキュラ」ネタ、今回はシャーリー・ジャクソンの
「たたり」(ハヤカワ文庫所収、ロバート・ワイズ監督・ジュリー・ハリス主演で映画化され
近年「ホーンテッド」とういタイトルでリメーク)ネタ。
キング流にそれなりに読ませるが、オリジナリティという面では問題を感じざるをえない。
結末も見えるし(28歳 フリーター)

・ 主人公の一家の主「ジャック・トランス」という名前そのものに含むがあるんでは?
あのトランス・ジェンダーのトランスでしょ?
結局、怪奇現象は皆無で、ダニーとの親子2代に渡る精神病という読む方も出来ない?
(38歳 専業主婦)

・ ハローランが活躍するクライマックスは、ホラーじゃなく、まるで「ダイハード」
(原作の方、主人公は黒人の爺)。白けるこの上ないものがある。
(65歳 自営業)

・ 217号室の怪奇を描いたあたりまでの前半の緊迫感はキング作品でも屈指。
デビュー作「キャリー」の終盤のカタストロフィ、前作「呪われた町」のニューシネマ風のクールな幕切れ等に比較して、後半はお約束な展開に陥ったのは残念。
(55歳 自由業)

・ うーん、「呪われた町」でスーザンとマットを死なせたように、ウエンディとハローラン
をあぼーん出来れば傑作になってたかも。
最後は、燃え落ちるオーバールックを見つめるダニーとかで余韻を持たせて終わればいかったかも(25歳 大学院生)
717:03/12/08 12:39
715>私も「ミザリー」が好きです。
718無名草子さん:03/12/08 19:44
>>714
俺も「ミザリー」に一票。映画版も良い出来っすよ。
719ミステリ板住人 ◆hr24ALqEXE :03/12/08 20:56
リアルな恐さなら「ミザリー」、スーパーナチュラルな恐さなら「呪われた町」を推す。
この2作、時を隔てて書かれたせいか別の作家の作品のような感さえある。
特に翻訳ではキングの文体の特徴がわかりにくいしね。
出来れば原書で読むことをお薦めしたい。
図書館や古本屋で、ホラーのキング、SFのマイケル・クライトン、
ミステリのアガサ・クリスティ、コミックのチャールズ・シュルツは別格であり、
簡単に手に入るしね。