私の服はピンク
僕はパー子(>415)の死骸をスーパーマーケットの紙袋に入れて車の後部座席に置き、
近くの金物屋でシャベルを買った。
彼女の脚は象を連想させた。
昔、僕といるかホテルに泊まった、素敵な耳をもった高級娼婦のパー子。
何も言わずに僕の人生から消えてしまったパー子。
「何処へ行こうか?高速は使わないでおこう。渋滞すると面倒だからね」と僕は言った。
<お好きに>という顔を彼女はした。でも何も言わなかった。
「お腹が空いてきちゃったね。何処か行かないか?何か食べたくない?
ステーキか牛丼か生姜焼きかハンバーガーか、何でも」と僕は聞いてみた。
<どうかしら>という顔を彼女はした。感情表現が豊かだ。
究極の恋愛小説でつよ
パー子はペーの対極としてでなく、その一部として存在している。
あなたのレゾォンテートルゥ・・・。
あんたはいつもうまいことを言うね。
気障なんだ。
あるいはね。
でも梅雨明けの太陽の気障さに比べれば僕は檻の中であくびするライオンみたいなものだよ
私はメタファーとしてのパー子です。
困らないけど、高い頭。
429 :
無名草子さん:03/06/18 19:48
満月の夜に馬がバタバタ死ぬってほんとですか?
>>429さん、君は今までそんなことも知らなかったのかい?
「例えば?」と僕は訊ねてみた。
「おすぎとピーコ」と一人が言った。
「マナカナ」ともう一人が言った。
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「ペーとパー子」僕は負けないように辛うじてそう付け加えた。
二人は顔を見合わせて満足そうに笑った。
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか?きっと何もかもうまくいくぜ」
「手始めに何をする?」
「写真を撮ろう。それから服をピンクで統一するんだ」
>>430 オーケー、認めよう。僕はそんなことさえ知らなかったんだ。
ところであなたのサラリーは?
「十六万五千。」と僕は言った。
「そりゃ少ない。」と彼は表情も変えずに言った。「実に少ない。」そしてまた耳を掻いた。
「なんていうかね、ペーが一人いてね、その下にパー子は何人もいるわけですよ。ほら、わかるでしょ?」
「?」
「わかんないわ」
「ええ・・・、それでそのペーがパー子たちを養ってるわけです。
・・・・・ペーが死ぬとパー子たちも死ぬ。
だもんで、ペーが死にかけるとあたしたちが新しいぺーに取替えにやってくるわけなんです。」
素敵な意見だった。
「わたしが208番目のおすぎで」
「わたしが209番目のピーコ」
僕の頭はまた痛み始めた。
しかたがないのでたばこを吸って気をまぎらわすことにした。
でも新聞紙をまるめてガスバーナーで火をつけたようなひどい味だった。
「ねえ、パー子って一体何を食って生きてるんだと思う?」
「靴の底」
「まさか。あんたは本当にそう信じてる?」
「ああ」
「嘘だといってくれないか?」
沈黙。