【盗作猿】ランディの日記を先取り予想だ!【パクルな】2

このエントリーをはてなブックマークに追加
450無名草子さん
*夢で逢いましょう (4)

またしても夢の話である。

この前のメールマガジンのお知らせに、自分に合う服が選べなくて、延々と服を
とっかえひっかえしている夢を見ると書いた。そしたら、読者の方から、どうせ
夢なんだから、その場で自分に合う服を作ってしまってはどうか、というメール
をいただいた。

なるほどなあ。私は夢の中で、「ああ、私は夢を見ている」と自覚できることが
時々ある。そういう時には、夢の流れを自分の意志で、ある程度コントロール
することが可能だ。そういう時にでも試してみようと思っていたら、ナイスな
タイミングでそれが起こった。

そこで私は自分で服を作り始めるのだが、どんなに頑張っても、作る服作る服、
ロクでもないデザインのものしか作れないのだ。自分に似合う似合わない以前の
問題で、パッチワークの出来損ないのような、妙な継ぎはぎの服しか作れない。
縫い目もボロボロで、ひでえもんだ。

考えてみれば私は、中学の時の家庭科で、とうとうパジャマを仕上げることが
出来なかった前科がある。夢の中でも裁縫が苦手なままだとは、まったくもって
トホホ……である。
451無名草子さん:03/03/12 07:49
(>>450続き)
靴が無くて困っている夢も見た。夢の中で私は、靴を履かずに外の街を歩いている。
幸い、地面には鋭い石やガラスの破片は落ちていないらしく、足の裏が痛くなって
困るってことはない。だけど、裸足で外を歩いているなんて恥ずかしい、他人に
ばれたらどうしようと、ひたすら焦る。

私がこの夢を見るのは始めてではない。この夢のことは実は『コンセント』にも
書いているんだけど、夢の続きはいつも、小説に書いたエピソードと同じような
展開になるんだ。

私は、どうにかして靴を手に入れたいと思って、靴屋に入る。試し履きするふり
をして、その店の靴を履く。お金はない。店員は私の方を見ていない。だから
私は、靴を履いたままそうっと店を出る。出来ることならば、すたすたと早足で
その場を立ち去りたいのだけれど、それじゃ怪しまれるので、私は冷や汗をかき
つつも、ゆっくりゆっくり歩いていく。

万引きした靴は、私の足とサイズが合わなかった。歩くと、つま先が少し痛い。

その嫌な痛みは、夢から覚めた後でも、どんよりとした暗い灰色のもやのように、
私の心に沈澱していた。
452無名草子さん:03/03/12 07:50
(>>451続き)
そして昨晩見た夢。これも盗みの夢だった。その夢で私は、なんと盗作をして
しまう。あろうことか私は、ある人の書いた文章をほとんどそのまま、自分の
小説の中で使ってしまうのだ。

しかも、その文章が載っていたのは、私が解説を書いた本だった。私はその人の
才能のすごさに心底から敬服していた。その本はネットに発表されていた日記を
まとめたものなんだけど、それで小説を一本書けそうなエピソードが惜し気もなく
つぎこまれているので、私は解説に、この本はネタの宝庫だ、彼女の才能に嫉妬
すら覚えると書いていた。

その本に書かれている事とそっくりな文章を、数ページにわたって自分の小説に
書いてしまったのだから、タダですむわけがない。不審に思った読者は騒ぎだし、
相手の出版社は抗議してくる。

私は何とかして彼女と直接会って話し合いたいと思っている。しかし彼女の怒りは
強く、会ってもらえなかった。出版社経由で、私が著作権侵害をしたことを認める
文章を、私の小説の後書きに載せて欲しいと言ってくる。私はなぜか、それだけは
勘弁してくれ、印税の一部を渡すから、取材協力ってことにしてくれと頼んでいる。
453無名草子さん:03/03/12 07:51
(>>452続き)
夢の中の私は、とにかく誰にも知られることなく、この件を処理したいと思って
いたようだ。だから最初は、自分の小説を出している出版社にも内緒にしていた
んだけど、交渉が難航して、そうもいかなくなった。

そうこうしているうちに、マスコミにもばれてしまい、テレビや新聞で、私が盗作
していることが報道されてしまう。出版社のホームページには、私の書いた謝罪文
がアップされ、そこに何万人もの人がアクセスしてきたので、一時的にサーバーが
不調になる。

これは歯が粉々に砕けたり、全部抜けてしまったりするあの悪夢よりも、ずっと
ずっと怖い夢だった。作家として、これだけはしてはいけないってことを自分が
してしまう。そしてそれを皆が知っている。最大級で最強の悪夢だ。

目覚めた時に、私は心から思った。
夢でよかった……と。