馳星周・U〜声が聞こえる―ぶち殺せ〜

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887馬也
ぼくの小説の愛読者には“悪ガキ”が多いんだ。
ぼくは十七歳の少年からファンレターをもらったことがある。
「少年院の中であんたの本を読んでるけど、こりゃクールで、リアルだぜ、イェー」ってね。
日本では若者の活字離れが社会問題にまでなっている。
こういった少年院に入っているような悪ガキに、大人は本でも読んで、
勉強しろというけれど、彼らは暗いパッションに満ち溢れた、正義なんて
これっぽっちも存在しないぼくの本を読んで、現実社会を学ぶわけだ。
そして小説って面白いものだと実感してくれればいいんじゃないかな。